『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム(2019)』イースターエッグ解説 ネタバレあり
当記事は『スパイダーマン/ファー・フロム・ホーム(2019)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム(2019)』
エンドゲームから8ヶ月
本作は『アベンジャーズ: エンドゲーム(2019)』から8ヶ月後の世界が舞台である。
本作のスーツ
・アイアン・スパイダースーツ
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』でトニーから送られたスーツ。
特殊金属製で背中にアイアンクローを4本装備している。
・クラシック・コスチューム
『スパイダーマン/ホームカミング(2016)』でトニーからピーターに送られたスーツ。
ピーターは旅行には必要ないと判断し家に置いて行こうとしたがメイおばさんがお節介でスーツケースに入れた。
・ステルス・スーツ
プラハで炎のエレメンタルズを撃退する際にスパイダーマンのスーツだと怪しまれるからとS.H.I.E.L.D.から送られた目立たない色のスーツ。
原作にもステルス・スーツが存在するが黒に光るエンブレムと、似ても似つかぬ見た目をしている。
どちらかといえば『スパイダーマン: スパイダーバース(2019)』にも登場したスパイダーマンノワールのスーツに似ている。
原作のステルス・スーツ
ちなみに『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』でS.H.I.E.L.D.からスティーブ・ロジャースへ送られたスーツもまたステルス・スーツと呼ばれていた。
キャプテン・アメリカのステルス・スーツ
・ホームメイド・スーツ
ピーターがトニーからアベンジャーズにリクルートされる前に使用していた手作りのスーツ。
本作ではミステリオに観せられた仮想現実の中でのみ一瞬だけ登場した。
・アップグレーデット・スーツ
ミステリオに敗北したピーターがプライベートジェット内の簡易ラボで製作したスーツ。
パラシュート、プラズマウェブなど様々な機能を搭載している。
原作に登場するスーペリア・スパイダーマンのスーツや『スパイダーマン(2002)』では使用される予定だったアレックス・ロスのコンセプトアートに似ている。
スーペリア・スパイダーマン
アレックス・ロスによる『スパイダーマン(2002)』のコンセプトアート
ウェブパラシュート
ベンおじさんの形見
ピーターが研修旅行の荷物を入れるのに使っていたスーツケースには"BFP"の刻印がされていた。
これは、ベンおじさんことベン・フランクリン・パーカーのイニシャルである。
本作より
機内エンターテインメント
ヴェネチアに向かう機内でピーターが映画を選んでいるシーンで画面に映っている作品は『THE SNAP(インフィニティ・ウォーのドキュメンタリー?)』『FINDING WAKANDA(ワカンダを探せ)』『Hunting Hydra(ハイドラ狩り)』などがあるがその中に『マイティ・ソー(2011)』や『アベンジャーズ(2012)』などに登場したエリック・セルヴィグ博士の『NOVA』という番組がある。
NOVAといえば『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』に登場したノバ軍のことだろうか。
セルヴィグ博士
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』のノバ軍
原作のノバ
AC/DC - Back In Black
ピーターがプライベートジェット内のワークショップでスーツをアップグレードする際にハッピーが流した音楽はAC/DCのBack In Black。
この曲は『アイアンマン(2010)』『アイアンマン2 (2011)』でも使用されていたので、知っている方も多いのでは?
ちなみに、このラボでのシーンは『アイアンマン(2008)』のオマージュとなっており、スーツのアップグレードに勤しむピーターの姿に、今は亡き親友トニーの面影を見たハッピーが優しく微笑むシーンは涙モノだった。
本作より
『アイアンマン(2010)』より
ミステリオ
本作のミステリオ
本作ではアース833という別次元からきたヒーローとして登場。本編後半で実はトニー・スタークに恨みを持った科学者で、エレメンタルズとの戦いも、彼のパワーも、全てドローンとホログラフィック技術を用いて表現したフェイクだったことが発覚する。
原作のミステリオは本作同様に特殊効果を用いてヒーローを翻弄するヴィランである。
エンドロールでミステリオのスーツのデザイン案のメモ書きが映るが、アイアンマン、ソー、スパイダーマンなどのスーツを参考にしている事が分かる。
原作のミステリオ
ちなみに、本作でミステリオを演じたジェイク・ジレンホールは『スパイダーマン2 (2004)』でピーター・パーカー役のトビー・マグワイアが体調不良で降板するかもしれないとなった際に、彼の代役でスパイダーマンを演じる予定だった。(トビー・マグワイアの体調が回復し、復帰したため実現はしなかった)
また、映画『マイ・ブラザー(2009)』ではトビーとジェイクは兄弟役を演じている。
確かに、似た系統の顔をしている。
『マイ・ブラザー(2008)』より
マルチバースはフェイク?それとも…
ミステリオことベックがアース833から来たというのは事実ではなかった。アース833は原作にも登場し、キャプテン・ブリテンというヒーローがスパイダーUKとして活躍している世界である。
スパイダーUK
ムズムズ
本作では"ムズムズ"と呼称されていたピーターの第六感は、原作ではスパイダーセンスと呼ばれているスパイダーマンの危機感知能力である。
『スパイダーマン/スパイダーバース(2019)』のスパイダーセンス
B.A.R.F.システム
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』でトニーが式典で披露したホログラフィック技術B.A.R.F(ゲロ)システムはミステリオことベックの開発したシステムを応用したモノだったことが今作で明らかになった。
しかし開発者であるベックに対し、トニーが雑な扱いをし、更には口答えをした彼を解雇してしまったために恨みを買うこととなってしまった。
『シビルウォー: キャプテン・アメリカ(2016)』より
さらに、ドローン技術を開発した科学者は『アイアンマン(2008)』でオバディアの元で働いていた人物であることも明らかになる。
『アイアンマン(2008)』より
クラッシャー・ホーガン
メイおばさんのホームレス支援センターのシーンでハッピーの後ろに立てかけられている看板には、クラッシャー・ホーガンというプロレスラーの名前が書かれている。
クラッシャー・ホーガンとは『スパイダーマン(2002)』にも登場したプロレスラーで、ピーターが腕試しのために対決した人物である。
本作より
『スパイダーマン(2002)』のクラッシャー・ホーガン
原作のクラッシャー・ホーガン
タイガー
ヴェネチアでMJは虎の絵が描かれた服を着ているが、これは原作でMJがピーターのことをタイガーと呼んでいることに由来する。
原作より
スパイダー・モンキー
ステルス・スーツのスパイダーマンをネッドがナイト・モンキーと名付けた。
MJに「ナイト・モンキーなのにスパイダーマンと同じ蜘蛛の糸を使うの?」と言われたピーターがとっさに「スパイダー・モンキーなんじゃない?」と言うシーンがあるが、スパイダー・モンキーは原作にも登場する。
原作のスパイダー・モンキーとは、アース8101という高知能な猿やゴリラの住む世界のスパイダーマンである。
スパイダー・モンキー
エレメンタルズ
原作のエレメンタルズは『Supernatural Thriller#8』で初登場した炎を操るヘルファイア、風のゼファー、土のマグナム、水のハイドロンからなる集団であり本作に登場するそれとは違った見た目をしている。
原作のエレメンタルズ
本作のエレメンタルズ
・土のエレメンタルズ
フューリーとマリア・ヒルがメキシコで遭遇。
本作の土のエレメンタルズのモデルとなっているのは『スパイダーマン3 (2008)』にも登場したサンドマンである。
本作より
ちなみに、このシーンで映っている車のナンバープレートには"463"という数字が書かれており、これはサンドマンが初登場した『The Amazing Spider-Man#4 (1963)』を指し示している。
『The Amazing Spider-Man#4 (1963)』
・水のエレメンタルズ
ヴェネチアで研修旅行中のピーターと科学クラブ一行と遭遇。
本作の水のエレメンタルズのモデルとなっているのは、USJのアトラクションにも登場するハイドロマンである。
水のエレメンタルズ
ちなみに、本編ではカットされていたが、トレイラーで映っていた船に書かれた"Asm212"とは『The Amazing Spider-Man#212』のことを指し示しており、この号はハイドロマンの初登場した回である。
トレーラーより
『The Amazing Spider-Man#212』
・炎のエレメンタルズ
プラハに出現しスパイダーマンとミステリオが共闘し撃退したエレメンタルズの一体。
本作の炎のエレメンタルズのモデルとなっているのは、モルテンマンという金属製の体を持ち高熱を発することのできるヴィランである。
本作より
ちなみに、ロンドンのタワー・ブリッジを襲う合体エレメンタルズから逃げるシーンで映ったナンバープレートには、モルテンマンが初登場した『The Amazing Spider-Man#28 (1965)』を指し示す"2865 SEP"という文字が書かれている。(SEPはSeptember"9月"を表している)
本編より
『The Amazing Spider-Man#28 (1965)』
ボルトロン
合体エレメンタルズを見たデル先生が「パワーレンジャー(日本のスーパー戦隊の海外版の名称)みたいだ!」と言ったのに対してハリントン先生が「合体ならヴォルトロン(百獣王ゴライオンの海外名)だ!」と言うシーンがある。
ヴォルトロンといえば『デッド・プール(2015)』でもネタにされていた。
本作より
ヴォルトロン(百獣王ゴライオン)
『デッド・プール(2015)』より
シールドスロー
タワー・ブリッジでスパイダーマンが鉄製の看板とドローンの部品を改造した武器を持ちドローン群に立ち向かうシーンがあるが、これは『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』でキャプテン・アメリカがムジョルニアを持って戦うシーンへのオマージュだろうか。
『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』より
ハッピーはドローンに向かって盾を投げて撃退しようとするが、うまく投げられず「キャップってすごいんだな」と言う。
『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』より
エンドクレジット後の映像
・セルフィー
NYの街をウェブスイングしながら自撮りをするスパイダーマン。PS4のゲーム『Marvel's Spider-Man』でもカメラモードで自撮りをすることができるが、このシーンはそのことへのオマージュだろうか。
本作トレーラーより
PS4『Marvel's Spider-Man』より
・アベンジャーズタワー跡地
『スパイダーマン: ホームカミング(2017)』で引越しをしていたアベンジャーズタワー。本作のポスト・クレジットシーンでは別の建物に建て替えられていることが確認できる。
アベンジャーズタワーの跡地に建ったのはノーマン・オズボーンの会社、オズコープか。それとも、ファンタスティック・フォーの本拠地であるバクスタービルディングだろうか。
『アメイジング・スパイダーマン2 (2014)』のオズコープ
原作のバクスター・ビルディング
・定番のウェブスイング
スパイダーマン作品ではお馴染みとなっているMJ(アメイジングではグウェン・ステイシー)とのウェブスイングがMCUでも実現した。
本作より
『スパイダーマン(2002)』
アニメ『スパイダーマン(1994)』
・J・ジョナ・ジェイムソン
なんと、サム・ライミ版スパイダーマンではお馴染みとなっていたJ・ジョナ・ジェイムソンが本作にも登場!しかも彼を演じているのはライミ版と同じJ・K・シモンズ!
本作ではデイリー・ビューグルはネットニュースチャンネルになっているようだ。
サム・ライミ版のJ・ジョナ・ジェイムソン(J・K・シモンズ)
・スパイダーマンの正体は…
ミステリオの作ったフェイク映像がニュースで取り上げられ、スパイダーマンは悪党に仕立て上げられてしまう。さらに、スパイダーマンの正体はピーター・パーカーであると勝手に公表されてしまった。
原作では、シビル・ウォーの最中、トニー側に付きヒーロー登録法に賛同したピーターが報道陣の前で自ら自身の正体を公表するという展開がある。
しかし、スパイダーマンの正体を知ったキングピンによって差し向けられた殺し屋の流れ弾がメイおばさんに被弾し殺されてしまう。
MCUでも同じ展開になってしまうのだろうか。
原作コミック『シビル・ウォー: スパイダーマン』より
殺し屋の撃った流れ弾に被弾したメイおばさん
・スクラル
本作に登場したニック・フューリーとマリア・ヒルの正体は実は『キャプテン・マーベル(2019)』に登場したスクラル人のタロスとその妻のソレンであることが明かされる。
劇中でのフューリーの言動に違和感があったのはこのせいである。
『キャプテン・マーベル(2019)』のタロス
・本物のフューリーは
地球のタロスからの通信を受けた本物のフューリーは宇宙のどこかにあると思われる施設でスクラル人達の指揮をとっていた。
タロスとフューリーは一体いつから入れ替わっていたのだろうか。
ちなみに、この時フューリーが観ていた砂浜の映像はタヒチだと思われる。
『アベンジャーズ(2012)』で死亡し、その後S.H.I.E.L.D.によりクリー人の体液を使用し極秘裏に復活したエージェント・コールソンが見せられていたのもタヒチの映像だったが、何らかの関係があるのだろうか。
『エージェント・オブ・シールド』ファイナルシーズンより
スタン・リーとスティーブ・ディッコに捧ぐ
全ての映像が流れ終わった後「スタン・リー、スティーブ・ディッコに捧ぐ」の文字で本作は締めくくられる。
スパイダーマンを創造した立役者である二人は共に2018年に亡くなった。
スタン・リーとスティーブ・ディッコ
『キャプテン・マーベル(2019)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
『キャプテン・マーベル(2019)』
ありがとう、スタン・リー
本作は2018年11月12日に逝去したアメリカンコミックスの巨匠スタン・リーへの追悼から始まる。
『ドクター・ストレンジ(2016)』から使用されているマーベルスタジオズのモーションロゴの映像がスタン・リーが今までMCU作品にカメオ出演した際のものに差し替えられており最後に「Thanks Stan (ありがとう、スタン)」と表示される。
通常のマーベルスタジオズのモーションロゴ
ちなみに3月8日に公開された『スパイダーマン/スパイダーバース(2019)』でもスタン・リーへの追悼がされている。是非ご自身の目で確認してきていただきたい。
クリー人
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』やドラマ『エージェント・オブ・シールド』などにも登場した高度な文明を持った種族。
本作のクリー人
エージェント・オブ・シールドのクリー人
原作のクリー人
スクラル人
DNAごと他の種族に擬態できる能力を持った侵略宇宙人。
本作のスクラル人
原作のスクラル人
ちなみに『アベンジャーズ(2012)』に登場したチタウリ人は原作では別次元の世界のスクラル人という設定だが本作を観た感じMCUでは別物という設定のように思える。
もしくはロキが『アベンジャーズ(2012)』でNY上空に開けたゲートは実は別次元の宇宙に繋がっていたとすれば原作通りと考えることもできる。
『アベンジャーズ(2012)』のチタウリ人
原作のチタウリ人
原作のオリジン
原作のキャプテン・マーベルはもともとマー・ヴェルという名のクリー人の男性が名乗っていた名前でだった。
アメリカ空軍士官だった地球人のキャロル・ダンバースはマー・ヴェルと共に爆発事故に巻き込まれた際彼のDNAと結合。フォトンブラストや怪力、飛行能力などが発現しミズ・マーベルと名乗りヒーロー活動を始める。
マー・ヴェルと爆発に巻き込まれるキャロル『Captain Marvel#18 (1969年)』より
その後キャロルは触れた相手の能力を奪うミュータント、ローグによりパワーと記憶を奪われる。
ローグに能力を奪われるキャロル『Avengers Annual#10 (1981年)』
1994年から日本でも放送されていたX-MENにもこれに酷似したシーンが存在する
能力を奪われてしまっていたキャロルだったがX-MENたちとともに行動していた際、侵略宇宙人であるブルードの潜在的な能力を発現させる装置を使った人体実験を受けさせられた。
この人体実験によりキャロルはホワイトホールをエネルギー源としたスーパーパワーを取得。新たにヴァイナリィというヒーロー名を名乗るようになる。
新たな力を発現しヴァイナリとなったキャロル『Uncanny X-Men#164 (1982年)』
原作コミックスの『Civil War(2006年)』の原因を作ったことで有名な自爆と再生能力を持ったヴィラン、ナイトロの発する毒ガスを吸ったマー・ヴェルがガンで死亡。キャプテン・マーべルの座は一時的に空席となる。
ヒーローたちに看取られながら息をひきとるマー・ヴェル『The Death of Captain Marvel (1982)』より
ホワイトホールとの繋がりを失い、ヴァイナリィとしての能力が弱体化。本来のミズ・マーベルとしての能力が復活したキャロルは新たにウォーバードと名乗り、アベンジャーズに参加することとなる。
ウォー・バード(キャロル・ダンバース)
キャロルはキャプテン・アメリカことスティーブ・ロジャースにキャプテン・マーベルと名乗るよう提案され、2012年からキャプテン・マーベルと名乗るようになった。
スティーブ・ロジャースにキャプテン・マーベルと名乗るよう勧められるキャロル『Captain Marvel (2012)』より
マー・ヴェル
原作のマー・ヴェルはクリー人の男性だが本作では女性であり、地球に潜入しライトスピードエンジンの開発を行っていた。
上記の通りヴィランの毒ガスによってがんを発病し死亡しているが何度も復活しては地球の危機を救うために己を犠牲にし戦死を繰り返している。
原作のマー・ヴェル(左)と本作のマー・ヴェル(右)
キャプテン・マーベルの名はキャロルの他に下記のモニカ、マー・ヴェルの息子のジーニス・ベル、ゴキブリのDNAを持ったクリー人のノー・ヴァー、マー・ヴェルに擬態したスクラル人のコーン・ノル、マー・ヴェルの娘のフィラ・ヴェルなど、今までに複数の人物が引き継いでいる。
ちなみに『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ではマー・ヴェルの息子であるジーニス・ヴェルのキャプテン・マーベルらしき映像がノバ軍の司令室のモニターに映し出されている。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』より
スターフォース部隊
キャロルの所属するクリー人のエリート部隊。
・ヨン・ロッグ
スターフォース部隊のコマンダーにしてキャロルのメンター的存在だったが実際はキャロルの記憶を書き換えクリー人の戦闘員に仕立て上げた本作の黒幕。
原作にも同名のクリー人のキャラクターが存在し、キャロルがパワーを得るきっかけとなった爆発は彼と初代キャプテン・マーベル(マー・ヴェル)の戦闘が原因である。
また原作ではマクニトロンという別名を持っている。
本作のヨン・ロッグ
原作のヨン・ログ(マクニトロン)
・ミン・エルヴァ
スターフォース部隊のスナイパー兼遺伝子学者。6年前にヨン・ロッグに付き添って地球に訪れており、キャロルがライトスピードエンジンによってパワーを発現させるのを目撃している。
原作のミン・エルヴァは遺伝子操作によりクリー人をより強力な種族へと進化させる研究に陶酔している科学者であるが、あまりにも過激な実験なためそれに反対したキャプテン・マーベルと敵対関係になり度々衝突している。
本作のミン・エルヴァ
原作のミン・エルヴァ
・アット・ラス
原作のアット・ラスはキャプテン・アトラスという別名を持ち、クリー人の軍隊を率いるリーダーである。
本作のアット・ラス
原作のアット・ラス
・ブロン・チャー
原作のブロン・チャーはルナティック・レギオンというクリー人傭兵部隊のメンバーである。地球に訪れた際にキャプテン・アメリカやアイアンマンと交戦した。
本作のブロン・チャー
原作のブロン・チャー
ロナン・ジ・アキューザー
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』にも登場したクリー帝国の法執行人。コズミックロッドと呼ばれるスレッジハンマー状の武器を持つ。
ヴィランではあるがクリー帝国の平和を第一と考えており、利害が一致すればヒーローとも共闘する。
MCUではドラックスの妻子を殺害したことになっているが彼曰く「記憶にない」とのこと。サイコである。
本作のロナン・ジ・アキューザー(中央)
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』のロナン・ジ・アキューザー
原作のロナン・ジ・アキューザー
コラス・ザ・パーサー
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』にも登場したロナンの腹心であるクリー人。
本作のコラス・ザ・パーサー
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』のコラス・ザ・パーサー
原作のコラス・ザ・パーサー
タロス
スクラル人を率いるリーダー。
原作のタロスは擬態能力を持たないスクラル人の傭兵である。
本作のタロス(右)
原作のタロス
マリア・ランボー/モニカ・ランボー
本作ではNASA時代のキャロルの相棒として登場したマリア・ランボーやその娘のモニカ・ランボーは原作にも登場する。
本作のマリア・ランボー
本作のモニカ・ランボー
ちなみにモニカ・ランボーは原作ではキャロルよりも先にキャプテン・マーベルを名乗っていた人物である。しかし、彼女のオリジンにはクリーは関係しておらずエナジー・ディスラプターという装置を破壊した後に謎の光に包まれ能力を発現させた。
また映画終盤、モニカからコートを返されたキャロルがスーツの上から羽織るというシーンがあるが、スーツの上からコートを羽織るのはモニカ・ランボーのキャプテン・マーベルのスタイルである。
謎の光に包まれるモニカ『Avengers#227 (1982年)より』
キャプテン・マーベル/スペクトラム(モニカ・ランボー)
ちなみに、モニカはキャプテン・マーベル以外にもフォトン、パルサー、スペクトラムなどのヒーロー名を持っておりフォトンとは本作のマリアとモニカのミドルネームであることがマリアの戦闘機に書かれた名前から分かる。
戦闘機に書かれた名前に注目
『ライトスタッフ(1983年)』
地球に不時着したキャロルがブロックバスタービデオ店で手にしたVHSは『ライトスタッフ(1983年)』 。
この映画は米軍の戦闘機パイロット達がNASAのマーキュリー計画で宇宙に行く話であり本作の内容と酷似している。
『ライトスタッフ(1983年)』
今回のスタン・リー
今回のスタン・リーはキャロルが人間に擬態したスクラル人を追って乗り込んだ電車内で映画『モール・ラッツ(1995)』の台本を読んでいた。
スタン・リーは実際にこの映画に出演しておりとてもありがたいお話をしているのでまだ観たことのない人は是非観ていただきたい。
『モール・ラッツ(1995)』より
ケリー・スー・デコニック
キャロルが駅構内で逃走したスクラル人を探すシーンで原作コミックの『キャプテン・マーベル』でライターを務めていたケリー・スー・デコニックがカメオ出演している。
ケリー・スー・デコニック
ちなみに彼女の夫は同じくコミックライターのマット・フランクション。最近では『ホークアイ』の原作を担当していてコミックのアカデミー賞的賞であるアイズナー賞を受賞している。
マット・フランクション
アイズナー賞を受賞した『ホークアイ』
ナインインチネイルズ
クリーのスーツから着替えたキャロルが着ているTシャツはナインインチネイルズのものである。
本作より
ペガサス計画
ウェンディ・ローソン博士(マー・ヴェル)がライトスピードエンジンの研究を行っていた計画。
ペガサス計画というプロジェクト名は今までにもMCUに登場しており。『アベンジャーズ(2012)』でテッセラクト(4次元キューブ)を使った実験を行っていたのもこのペガサス計画である。
ライトスピードエンジンのエネルギーソースがテッセラクトであることを考えるとテッセラクト関連の研究は全てペガサス計画ということだろうか。
『アベンジャーズ(2012)』のペガサス計画
『アイアンマン2 (2010)』でトニー・スタークがペガサス計画に言及するシーン
原作のペガサス計画
ポケベル
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年)』のラストでインフィニティガントレットのパワーによって塵になってしまう寸前にフューリーが救援信号を送ったポケベルは本作でキャロルがフューリーに渡したものだということがわかった。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018年)』より
グース
可愛い猫の見た目をしているがその正体はフラーケンという危険な宇宙生物であった。
ちなみに名前の由来は戦闘機パイロットが主人公の映画『トップガン(1986)』に登場する人物の名前である。
原作ではキャロルの飼い猫がフラーケンであったが名前はグースではなくチューイ。こちらは『スターウォーズ』のチューバッカが名前の由来である。
本作のグース
原作のチューイ(フラーケン)
フューリーの左目
S.H.I.E.L.D.長官ニック・フューリーが左目を失明した理由は長い間MCUの謎の一つであったが本作で、上記のグースの仕業であったことが判明した。
本作のフューリー
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』より
ちなみにグースに目を引っ掻かれるシーンでフューリーは"Mother Fuck'n!"と言わずに"Mother Flerken!(フラーケン)"と言っている。
これは"Fuck"などの言葉が使用されると全米映画業界(日本でいう映倫)にR指定乃至はPGをつけられてしまうからである。
クインジェット
キャロルとフューリー、グースが空軍基地から脱出する際に使用したのはMCUに度々登場しているS.H.I.E.L.D.の小型戦闘機、クインジェットのプロトタイプだ。
本作のクインジェット
『アベンジャーズ(2012)』のクインジェット
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』のクインジェット
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』のクインジェット
『パルプ・フィクション(1994年)』
タロスがマリア・ランボーの家に訪れた際、ジュースを飲んでいるがこれはニック・フューリー役のサミュエル・L・ジャクソンが出演している『パルプ・フィクション(1994)』でサミュエルの演じているジュールス・ウィンフィールドがジュースを飲んでいるシーンと構図からカップの柄まで酷似している。
本作より
『パルプ・フィクション(1994)』
クリー人の血液
本作ではライトスピードエンジンの爆発に巻き込まれ、瀕死の状態に陥ったキャロルがヨン・ロッグの血液を輸血され死を免れたとされてます。
実はこれとほぼ同じことがドラマ『エージェント・オブ・シールド』で行われている。『アベンジャーズ(2012)』でロキにワンドで胸を貫かれ死亡したと思われていたコールソンでだが、地球で発見されたクリー人の遺体から採集した血液を輸血され、実はまだ生きている。
これはおそらく本作でクリー人の血液によって生きながらえたキャロルの例を参考にしたということだろう。
本作より
『エージェント・オブ・シールド』より
スーツ
キャロルは映画中盤で本当の敵はクリーだということに気がつきコスチュームの色を変化させ赤、青、金の原作準拠のカラーに変更した。
本作のスーツ
原作のスーツ
ちなみに、途中。コスチュームの色を白と緑に変更するがこの色の組み合わせは原作のクリー人兵士のコスチュームカラーのオマージュである。
原作より
ダーク・アスター
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』にて、ロナンの乗っていたクリーの宇宙船ダーク・アスターのプロトタイプと思われる宇宙船が登場する。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』のダーク・アスター
クリーのテクノロジー
スターフォース部隊のスーツや宇宙船のスペースジャンプなど。他のMCU作品で酷似した技術を散見することができるがおそらくクリー帝国の技術を応用したものだと考えられる。
本作より
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』より
本作より
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』より
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス(2017)』より
テッセラクト
本作終盤、マー・ヴェルのラボにライトスピードエンジンのエネルギーソースとして利用されていたテッセラクト(四次元キューブ)が登場します。
光速移動を目的としたライトスピードエンジンのエナジーソースが、インフィニティ・ストーンの一つ、空間を操るスペースストーンを内包するテッセラクトなのも納得がいく。
ペガサス計画にはS.H.I.E.L.D.が関わっているということなので『キャプテン・アメリカ: ファースト・アベンジャー(2011)』のポストクレジットシーンで海底に沈んだテッセラクトをハワード・スタークが発見し回収した後、マー・ヴェルが大気圏外のラボに持ち出し、今作でS.H.I.E.L.D.のもとに戻ってきたということだ。
また、キャプテン・マーベルのフォトンブラストの力の源がスペースストーンだということは、彼女がサノスに対抗する切り札になるということも考えられる。
『キャプテン・アメリカ: ファースト・アベンジャー(2011)』
スペース・インベーダー
マー・ヴェルのラボでスクラル人の子供が遊んでいたのはスペースインベーダーのピンボール。宇宙人が宇宙人を倒すゲームをやっているという皮肉か。
アベンジャーズの由来
フューリーは地球外生命体に対する抑止力として計画していたのはプロテクター計画というプロジェクト名だったがキャロル・ダンバースのミドルネーム"アベンジャー"から取ってアベンジャーズ計画に変更した(ここでアベンジャーズのテーマソングが流れる)
ポスト・クレジットシーン
その①: フューリーのポケベルを回収したアベンジャーズの生き残ったメンバーたちが発信されていた信号が途絶えたことを確認。どうにかして再起動を試みようとするが信号が途絶えたのはキャプテン・マーベルが発信元に到着したからであった。
アベンジャーズ達の前に姿を現したキャプテン・マーベル「フューリーはどこなの」と言って映像は終わる。
(ポストクレジットシーンでフェイク映像を使うとは考え難いので。このシーンはおそらく『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年)』本編からそのまま持ってきた映像と考えられる。)
その②: グースが飲み込んでいたテッセラクトをフューリーのデスクに吐き出す。
『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019年)』予告編
『アントマン&ワスプ(2018)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『アントマン&ワスプ(2018)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
今回紹介する作品は
『アントマン&ワスプ(2018)』
『アニマルハウス(1972)』
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』にて、ソコヴィア協定に違反したとして逮捕され、自他謹慎中のスコット・ラング。彼が自宅で観ていたのは映画『アニマル・ハウス(1972)』のワンシーン。「我々はもしかしたら巨大な生物の爪の一原子にすぎないかもしれない」という会話をしており、本作の内容とリンクしたシーンとなっている。
本作より
アニマルハウスより
ワスプ(ホープ・ヴァン・ダイン)
初代アントマンであるハンク・ピムと初代ワスプであるジャネット・ヴァン・ダインの娘。前作のラストシーンで父であるピムからワスプ・スーツの改良型をプレゼントされ、本作より晴れて二代目ワスプになった。
前作のラストより
ちなみに、元ネタは原作の平行世界、MC2ユニバース(Earth-982)のハンクとジャネットの娘でありレッド・クイーンと名乗るヴィラン。この世界での名前はホープ・ヴァン・ダインではなくホープ・ピム。
原作のホープ・ピム(レッド・クイーン)
原作でも2017年から新ワスプが登場。名前はナディア。実は初代アントマンであるハンク・ピムとその最初の妻であるマリアとの間にもうけられた子である。ナディアとはスラブ語で希望=ホープを意味し、実質ホープ・ヴァン・ダインを映画から原作コミックに逆輸入したキャラクターと言えるだろう。
ちなみに、2018年からスタートしたシリーズでアートを担当しているのが何かと話題の『グウェンプール』などで知られている日本人イラストレーターユニットのグリヒルなので萌えキャラ感がかなり強めでめちゃくちゃ可愛い。
グリヒルの描くワスプ(ナディア)
ジミー・ウー捜査官
自宅謹慎中のスコットを監視するFBI捜査官。
ちなみに、原作にも同名のキャラクターが登場する。元FBI捜査官でS.H.I.E.L.D.のエージェントでエージェント・オブ・アトラスのリーダーである。
本作のジミー・ウー
原作のジミー・ウーとエージェント・オブ・アトラスのメンバー
ホットウィールズ
ピム博士が小型化した車を収納していたのはホットウィールズというミニカーのケースである。
本作より
実際のケース
ソニー・バーチ
ピムの技術を狙う闇商人。
原作のソニー・バーチはアイアンマンのヴィランである。スターク・インダストリーズの技術の権利を奪おうとした。
本作のソニー・バーチ
原作のソニー・バーチ
ゴースト(エイヴァ・スター)
本作のメインヴィラン。物体をすり抜ける能力を持つ。
原作のゴーストはアイアンマンのヴィランであり性別は本作と違い男性である。
本作のゴースト
原作のゴースト
ちなみに、本作のエイヴァ・スターの父親の名前はアライアス・スター。
原作に登場するアライアス・スターはアントマンのヴィランであるエッグヘッドの本名である。
本作のアライアス・スター
原作のエッグヘッド(アライアス・スター)
ビル・フォスター
ハンク・ピムの元同僚で元S.H.I.E.L.D.の研究員。現在はバークレー大学で教授をしている。
過去にピムの研究である「ゴライアス計画」をサポートしていた。
ちなみに、ゴライアスとは原作でのハンク・ピムの持つヒーロー名の一つである。
原作のハンク・ピムは本作同様、スコット・ラングの前にアントマンを名乗っていた人物で、他にもジャイアントマン、ゴライアス、イエロージャケット、ワスプなど、いくつものヒーロー名を持つ。
ちなみに、本作のビル・フォスターは「ゴライアス計画」で21フィート(約6.5メートル)まで巨大化したことがあると言っていたが、原作のビル・フォスターもハンク・ピムの後を継ぎブラック・ゴライアスを名乗っていた。
本作のビル・フォスター
原作のブラック・ゴライアス(ビル・フォスター)
原作のハンク・ピム
(下からアントマン、ハンク・ピム、ゴライアス、イエロージャケット、ジャイアントマン、ウルトロン)
ちなみに、MCUにゴライアスの名前が登場したのは本作が初めてではない。
『アイアンマン2 (2010)』にて、トニー・スタークがジャービスに父親であるハワード・スタークが研究していた「ペガサス計画」「エクソダス計画」「ゴライアス計画」について調べるように指示するシーンがある。つまり「ゴライアス計画」にはハンク・ピム、ハワード・スターク、そしてビル・フォスターが関わっていたことになる。
3分45のセリフに注目
キャシー・ラング
2代目アントマンことスコット・ラングとマギーの一人娘。
原作でのキャシー・ラングはスコットの後を追いスーパーヒーローになり、スタチュアというヒーローネームを名乗っている。また別次元のMC2(Earth-982)ではスティンガー、アルティメット・ユニバース(Earth-1610)ではジャイアント・ウーマン部隊を率いていた。
本作のキャシー・ラング
原作のキャシー・ラング(スタチュア)
MC2のキャシー・ラング(スティンガー)
アルティメット・ユニバースのキャシー・ラング(ジャイアント・ウーマン)
今回のスタン・リー
今回のスタン・リーは愛車をワスプに誤って小さくされてしまう老人役でカメオ出演。
本作より
『放射能X(1954)』
ラストでスコットとキャシーとホープが観ていた白黒映画は『放射能X(1954)』。蟻が核実験の影響で巨大化し人々を襲うという内容の映画である。
『放射能X(1954)』より
今回のポスト・クレジットシーン
今回のポスト・クレジットシーンは『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』の物語の謎を解くキーとなる内容となっている。
小型化した量子トンネルにより再び量子の世界を訪れ、エイヴァの治療のための量子エネルギーを採集するスコット。しかし、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』にてサノスがインフィニティ・ガントレットの力により世界の人口の半数を消し去ったことにより外の世界にいたホープ、ピム、ジャネットが消滅してしまう。
量子世界から外の世界に戻るには外の世界から操作する必要があるためスコットは量子世界に閉じ込められてしまう。
本作より
MCU一挙おさらいは第20回の今回で一旦終了。あとは3月15日公開の『キャプテンマーベルと4月26日公開の『アベンジャーズ/エンドゲーム』を待つのみですね。
本ブログは今後もMCU作品が公開される度に解説記事を投稿する予定です。
また、気が向けばMCU以外のアメコミ作品の解説記事も書くかもしれません。楽しみにお待ちください。
それではまた。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
今回紹介する作品は
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』
宇宙船サンクチュアリII
本作の冒頭は『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』の直後の出来事である。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』で滅びゆくアスガルドから宇宙船ステイツマンに乗り脱出し、宇宙空間を航行していたソー達の前に、サノスとブラック・オーダーの乗る宇宙船サンクチュアリIIが現れる。
ちなみに、サンクチャリIは『アベンジャーズ(2012)』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』でサノスのいた空間の名前である。
また、サンクチュアリは原作でもサノスの宇宙船の名前である。
本作より
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』のサンクチュアリI
原作のサンクチュアリ
ブラックオーダー
サノスの側近である四人衆。右からカル・オブシディアン、コーヴァス・グレイヴ、エボニー・マウ、プロキシマ・ミッドナイト。
ちなみに、本作には登場しないが原作にはこの四人に加え、スーパージャイアントと呼ばれるテレパスの女性戦士が登場する。
また、原作でのカル・オブシディアンの名前は本作と違いブラック・ドワーフである。
本作のブラックオーダー
原作のブラックオーダー(右から二番目が本作には登場しないスーパージャイアント)
四次元キューブ
『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』で初登場しその後も『アベンジャーズ(2012)』でキーアテムとなったインフィニティ・ストーンの一つ、スペース・ストーンを内包するキューブ状の物体。
本作冒頭、ロキがこの四次元キューブをサノスに差し出すというシーンがある。ロキは『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』でアスガルドの宝物庫から四次元キューブを持ち出しておりこのシーンに繋がる。
本作より
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』より
"こっちにはハルクがいる"
また、上記のシーンでロキは四次元キューブを差し出す直前に「こっちにはハルクがいる(We have Hulk)」と言う。これは『アベンジャーズ(2012)』でロキがスターク・タワーでトニー・スタークと対峙した際にスタークの放った「こっちにはハルクがいる(We have Hulk)」という全く同じセリフの引用である。
本作より
『アベンジャーズ(2012)』より
ハルク対サノスの戦いは個人的に好き
サンクタム・サンクトラム
ヘイムダルの力により地球に飛ばされたハルク(ブルース・バナー)は『ドクター・ストレンジ(2017)』に登場した、ドクター・ストレンジとウォンのいるNYのサンクタム・サンクトラムに墜落しサノスの脅威を彼らに伝えた。
ちなみに、本作の原案の一つである原作コミックスの『インフィニティ・ガントレット』では地球に墜落し、ドクター・ストレンジにサノスの脅威を伝えたのはハルクではなくシルバー・サーファーである。
本作より
『ドクター・ストレンジ(2017)』
原作『インフィニティ・ガントレット』より
コスモスの大釜
サンクタム・サンクトラムのエントランスルームの大階段の脇に置かれた大釜。トニーがもたれ掛かったのを見て怒ったストレンジがマンとで振り払った。
ちなみに、原作にも同名のアイテムが登場し、釜の炎が別次元の世界を映し出す。
本作より
原作のコスモスの大釜
風船の動物
また、上記のシーンでトニー・スタークがドクターストレンジに「使命とはなんだ?風船で動物でも作るのか?」と言うシーンがあるが、これはドクター・ストレンジがコメディアンであるジミー・キンメルの番組に登場した際、子供達に風船で作った動物をプレゼントしていたことをイジったジョークである。
子供達に風船で作った動物をプレゼントするドクター・ストレンジ
問題の動画
トニーのガラケー
サンクタム・サンクトラムでトニーが取り出したガラケーは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のポストクレジットシーンでスティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)が手紙に同封して送ったものである。
本作より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
スパイダーセンス
NY上空にエボニー・マウとカル・オブシディアンの乗るQシップが現れるシーンでスクールバスに乗るピーター・パーカー(スパイダーマン)の腕の毛が逆立つというシーンがある。
これは、原作に登場するスパイダーマンの能力の一つであるスパイダーセンスと呼ばれる危機察知能力だ。
本作より
原作のスパイダーセンス
今回のスタン・リー
今回のスタン・リーはピーターの乗るスクールバスの運転手として登場。
本作より
イカルド
NYに降り立ったエボニー・マウをトニースタークが"Squidward"と呼ぶがこれはアニメ『スポンジ・ボブ』に登場するイカルドの英語名である。
本作より
『スポンジ・ボブ』のイカルド(確かに似ている)
アイアンマンマーク50"ブリーディングエッジアーマー"
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』で手のひらの部分だけ登場した液体金属製のアーマーの改良版。
原作のブリーディング・エッジアーマーはマーク50ではなくモデル42である。
本作より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
原作のブリーディング・エッジアーマー モデル42
マーク49"ハルクバスター2.0"
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』で登場した対ハルク用のアーマーの改良版。本作ではハルクに変身できなくなったブルース・バナーが搭乗した。
本作のハルクバスター2.0
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』のハルクバスター
原作のハルクバスター
アガモットの眼
エボニー・マウがドクター・ストレンジのアガモットの眼を奪おうとするシーンで、アガモットの眼にかけられた呪文によって手を焼かれるがこれは『レイダース/失われたアーク(1981)』のワンシーンのオマージュである。
アイアン・スパイダースーツ
『スパイダーマン/ホームカミング(2018)』のラストでピーター・パーカーからトニーに贈られたが受け取らなかったスーツ。
原作ではクロスオーバーイベント『シビルウォー』にてアイアンスパイダースーツが初登場。本作のスーツ同様背中にサブアームが搭載されている。
本作より
『スパイダーマン/ホームカミング(2018)』より
原作のアイアンスパイダー
エイリアン
地球を離れるQシップ内でピーター・パーカーがトニー・スタークに「『エイリアン』って古い映画を観たことある?」というシーンがあるが、この字幕は実は間違っており、実際は"Alians"と言っているため一作目の『エイリアン(1979)』(原題: Alien)ではなく『エイリアン2 (1986)』(原題: Aliens)の話をしている。
この後のシーンでエボニー・マウがQシップから宇宙空間に投げ出され死亡するが、これは『エイリアン2 (1986)』のラストでエイリアン・クイーンが、主人公リプリーの開いた宇宙船のハッチから宇宙空間に吸い出されるシーンのオマージュとなっており、上記のセリフが伏線になっていたことがわかる。
本作より
『エイリアン(1979)』と『エイリアン2 (1986)』
本作より
『エイリアン2 (1986)』より
ソーの義眼
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』でソーは片目を失っている。本作でロケットによって義眼が与えられた。
この義眼は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス(2017)』でベビー・グルートが拾ってきたものである。
ちなみに、義眼の持ち主は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』に登場したラヴァジャーズのパイロットのものと考えられる。
本作より
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス(2017)』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』より
ニダベリア
鍛冶屋の種族、ドワーフの住む世界。『マイティ・ソー(2011)』にて、世界樹ユグドラシルの周りに存在すると言及されていた9つの世界のうちの一つである。
本作より
『マイティ・ソー(2011)』より
原作より
ストーム・ブレイカー
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』でヘラにムジョルニアが破壊されたため、ニダベリアで鍛冶士のエイトリが作った斧。ムジョルニア同様ウルという死にゆく惑星の心臓から作られている。
原作のストーム・ブレイカーはソーの義兄弟であるベータ・レイビルがオーディンによって与えられたムジョルニアと同等のパワーを持つハンマーの名前である。
原作でもムジョルニアを持つ権利を剥奪されたソーが魔法の斧を持っていたことがあったが、その斧の名前はストームブレイカーではなくヨルン・ボルンであった。
本作より
原作のベータ・レイ・ビルとストーム・ブレイカー
原作のソーとヨルン・ボルン
スナッチ
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』に登場したノーウェアに訪れたサノスが宇宙一の収集家"コレクター"に「石はどこだ(Where is the stone?)」と問いただすシーンがある。これは、本作でコレクターを演じているベネチオ・デルトロが映画『スナッチ(2000)』で演じたフランキー"フォー・フィンガー"が大粒のダイヤを強奪する際に言っていたセリフの引用である。
本作より
『スナッチ(2000)』
リアリティ・ストーン
上記のシーンでコレクターからリアリティ・ストーンを手に入れたサノスは、マンティスをリボンのように、ドラックスをブロックのような見た目に変化させたりスターロードのブラスターからシャボン玉を出したりした。
これらのシーンは原作コミックス『インフィニティ・ガントレット』やカプコンのゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES』のオマージュとなっている。
本作より
原作『インフィニティ・ガントレット』より
本作より
『MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES』より
ウェブ・シューター
スパイダーマンがサノスの顔にウェブを発射するシーンは原作のオマージュとなっている。
本作より
原作より
ストレンジの呪文
本作でストレンジの使う呪文は、原作に登場する呪文をベースにしている。
サノスを拘束する際に発動した「サイトラックのクリムゾンバンド」をはじめ、防御魔法の「セラフィムの盾」分身魔法の「イッコンのイメージ」や『ドクター・ストレンジ(2017)』でエンシェント・ワンやカエシリウスが使っていた「ミラー・ディメンション」などが登場した。
本作のサイトラックのクリムゾンバンド
原作のサイトラックのクリムゾンバンド
本作のセラフィムの盾
原作のセラフィムの盾
本作の分身呪文
原作のイッコンのイメージ
本作のミラー・ディメンション
『ドクター・ストレンジ(2017)』でのエンシェント・ワンのミラー・ディメンション
エンドゲーム
本作の続編にあたる作品のタイトルは『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』であるが、実は本作の中でドクター・ストレンジが「我々にはもう後がない"We're in the Endgame now."」というセリフを言っている。
レッドスカル
『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』にて、四次元キューブの力によって異次元に飛ばされたレッドスカル。本作では宇宙の果てにある惑星ヴァーミアで霊体となり生き続けていたことが明かされた。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』より
アウトライダー
サノスがワカンダに送り込んだ大群の尖兵。原作にも登場する。
本作のアウトライダー
原作のアウトライダー
指パッチン
インフィニティ・ストーンをすべて集めたサノスは指を鳴らし世界の人口の半分を消し去ったが、これも同様のシーンが原作にある。
本作より
原作より
消滅したキャラクターと生き残ったキャラクター
・消滅したキャラクター
スパイダーマン(ピーター・パーカー)
ウィンター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)
ファルコン(サム・ウィルソン)
スカーレット・ウィッチ(ワンダ・マキシモフ)
ヴィジョン
スター・ロード(ピーター・クイル)
グルート
ドラックス
マンティス
ドクター・ストレンジ(スティーヴン・ストレンジ)
ニック・フューリー
マリア・ヒル …etc.
・消滅しなかったキャラクター
アイアンマン(トニー・スターク)
ソー
ハルク(ブルース・バナー)
ブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)
ウォー・マシン(ジェームズ・"ローディ"・ローズ)
ロケット
ネビュラ
シュリ
オコイエ
ムバク
ウォン …etc.
ちなみに、この他にもホークアイ(クリント・バートン)や自宅謹慎中のアントマン(スコット・ラング)とワスプ(ホープ・ヴァン・ダイン)、キャプテン・マーベル(キャロル・ダンバース)は消滅していないということが、後の作品によって明らかになる。
サノス・ザ・ファーマー
世界の人口の半数を消滅させ、疲れ果てたサノスが何処かの惑星で日の出を見るシーンで本編は終了する。このシーンにサノスの鎧で作られたかかしが写っているがこれは原作『インフィニティ・ガントレット』に同様のシーンがあり、世界の人口の半数を消滅させたサノスが農夫になるという展開を意味している。
『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』トレイラーより
原作より
ポストクレジットシーン
本作のポストクレジットシーンは、地球で街の人々が消滅していくのを目撃したフューリーが、ポケベル型の発信機で何者かに救援信号を送信し自身も消滅するという内容である。
この時、フューリーがポケベル型の発信機で救援信号を送った相手とは『キャプテン・マーベル(2019)』で登場することとなるキャプテン・マーベル(キャロル・ダンバース)であることが画面に表示されたシンボルを見ると分かる。
本作より
『キャプテン・マーベル(2019)』
ちなみに、フューリーは「くそったr…"Motherf..."」と言いながら消滅するが、これはフューリーを演じたサミュエル・L・ジャクソンが、他の作品で演じているキャラクターの多くが「くそったれ"Motherfucker"」が口癖であることへのオマージュである。
しかし、Fワードである"Motherfucker"をセリフとして出してしまうと、アメリカ映画協会の制定したレイティングによってR指定がついてしまうため、本作では「くそったr…"Motherf..."」のようにギリギリ言わせないようになっている。
ちなみに『キングコング: 髑髏島の巨神(2017)』でもサミュエル・L・ジャクソンが演じたプレストン・パッカード大佐が「くそったr…"Motherf..."」と言いながら死亡する。
本作より
本作の"Motherf..."
『キングコング: 髑髏島の巨神(2017)』より
『キングコング: 髑髏島の巨神(2017)』の"Motherf..."
サミュエル・L・ジャクソンの"Motherfucker"コンピレーション
次回予告
次回紹介するのは
『アントマン&ワスプ(2018)』
次回の記事もお楽しみに。
『ブラックパンサー(2018)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『ブラックパンサー(2018)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
今回紹介する作品は
『ブラックパンサー(2018)』
バースト(バステト)
本作のオープニング映像はワカンダ王国の歴史を辿るものとなっておりその中に巨大な黒豹が登場する。
これは、ブラックパンサーが初登場した『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』にて、ティ・チャラが話していた、祖国であるワカンダ王国に伝わる言い伝えの中に登場する、死者を誘う存在の一つである"バースト(バステト)"と呼ばれる神だと思われる。
ちなみに、ブラックパンサーの力の源となる紫の葉を持つハーブはこのバースト(バステト)によって齎されたものだと言い伝えられている。
ちなみに、バースト(バステト)は原作にも登場する半人半獣の神である。
本作オープニングのバースト(バステト)
本作の死後の世界(木の上にいる黒豹がバーズトと思われる)
原作のバースト(左)
死後の世界
バーストによって誘われた人々が死後に行く世界は原作にも登場する。
原作より
1992年カリフォルニア州オークランド
映画序盤、ワカンダの王ティ・チャカの弟ウンジョブが潜入していたのはカリフォルニア州オークランド。オークランドは本作の監督であるライアン・クーグラーの故郷である。
また、1992年当時ライアン・クーグラーは6歳。ちょうど本作のこのシーンでのキルモンガーと同じぐらいの年齢である。このことから、監督は幼少期の自分とキルモンガーを重ねて描いていると考えられる。
また、オークランドはブラックパンサーのヒーロー名の元である1960年代後半から70年代にかけ、黒人解放運動を行っていたブラックパンサー党が設立された都市でもある。
ちなみに、同監督の作品『フルートベール駅で(2014)』の舞台もオークランドであり本作でキルモンガーを演じるマイケル・B・ジョーダン主演である。
また、ライアン・クーグラーとマイケル・B・ジョーダンは『クリード:チャンプを継ぐもの(2016)』でもタッグを組んでいる。
本作より
本作の監督ライアン・クーグラー
実際のブラックパンサー党
『フルートベール駅で(2014)』
スカイダイブ
MCU作品では飛行機やヘリからダイブするのがお決まりとなっているが、本作でも映画序盤にロイヤルタロンファイターからダイブするシーンがある。
本作より
『アイアンマン2 (2010)』
『アベンジャーズ(2012)』より
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
キモヨ・ビーズ
通信機能や応急的な治療キットになるヴィヴラニウム製の万能数珠。ちなみに、原作にも登場する。
本作より
原作のキモヨ・ビーズ
ティ・チャカ
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』にて初登場し爆破テロによって死亡した、ワカンダ王国の前国王でありティ・チャラの父。本作では死後の世界と回想のシーンに登場。
死後の世界のティ・チャカは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』で演じていたジョン・カニ。回想シーンでティ・チャカを演じたのは息子のアタンドワ・カニである。
死後の世界のティ・チャカ(ジョン・カニ)
回想シーンのティ・チャカ(アタンドワ・カニ)
シュリ
ティ・チャラの妹であり16歳にして世界有数の天才科学者。
ちなみに、原作のシュリは、ティ・チャラがワカンダを離れている間、一時的にブラックパンサーを引き継いでいたことがある。
本作のシュリ
原作のシュリ(ブラックパンサー)
エムバク
ワカンダの山奥に住むジャバリ族の長。
原作のエムバクはマン・エイプの名で知られるブラック・パンサーのヴィランである。
本作のエムバク
原作のエムバク(マン・エイプ)
ズリ
ティ・チャカの腹心の部下。現在の姿を演じたフォレスト・ウィテカーで、回想シーンで演じたのはデンゼル・ウィテカー。二人は偶然名字が一致しているだけで実際の血縁関係はないものの心なしか顔が似ている。
ちなみに『グレート・ディベーター 栄光の教室(2007)』では親子を演じている。
現在のズリ(フォレスト・ウィテカー)
回想シーンのズリ(デンゼル・ウィテカー)
『グレート・ディベーター 栄光の教室(2007)』のプレミアより
(画像右: デンゼル・ウィテカー 右から三番目: フォレスト・ウィテカー)
ドーラ・ミラージュ
ティ・チャラの護衛を任されているワカンダの女戦士達がドーラ・ミラージュである。彼女達のリーダーを務めるのが金の装飾の施された鎧を着たオコイエ。『シビルウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』ではティ・チャラのボディ・ガードとしてドーラ・ミラージュの一人であるアヨーが登場していた。
本作のオコイエ(左)アヨー(中央)アネカ(右)
『シビルウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のドーラ・ミラージュ、アヨー(左)
原作のドーラ・ミラージュ
ユリシーズ・クロウ
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』に登場した強奪、密輸を繰り返す闇の武器商人。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』では所持していた大量のヴィヴラニウムを引き渡すようウルトロンに交渉を迫られたが逆鱗に触れ右腕を切り落とされた。
本作ではウルトロンに切り落とされた片腕に超音波を発生させるギミックを搭載した義手を取り付け再登場。
ちなみに、原作のユリシーズ・クロウの片腕を奪ったのはウルトロンではなく若き日のティ・チャラである。また、ティ・チャカを殺害したのもクロウである。
本作のユリシーズ・クロウ
ユリシーズ・クロウの義手
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』のユリシーズ・クロウ
原作のユリシーズ・クロウ
What are those?!(なにそれ?!)
ラボに訪れたティ・チャラのサンダルを見てシュリが"What are thorse?!"と言うシーンがあるが、これは警官の靴を見て"What are thorse?!(なんだそのダサい靴?!)"とからかう動画が元ネタである。
ちなみにこのシーンでシュリがティ・チャラにプレゼントしたシューズは『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 (1989)』に登場したナイキの自動で紐が締まるシューズのオマージュとなっている。
本作より
元ネタとなった動画
本作と『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 (1989)』より
今回のスタン・リー
今回のスタン・リーは韓国釜山のカジノのシーンでエヴェレット・ロスに絡むギャンブラーの老人として登場。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』オマージュ
ティ・チャラがエヴェレット・ロスを庇い、手榴弾の爆発を体で受け止めるシーンは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』のワンシーンへのオマージュである。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』より
王位継承の儀式
王位継承の儀式の最中、キルモンガーによってティ・チャラが谷底に落とされるシーンがあるが、これは原作のワンシーンのオマージュとなっている。
本作より
原作より
サイ
ボーダー族のリーダー、ウカビの操るサイをブラックパンサーが止めようとするシーンがあるが、原作にもブラックパンサーがサイと戦うシーンがある。
本作より
原作より
ポストクレジットシーン
本作のエンドロール後の映像は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のラストで、ハイドラの洗脳を解くためにワカンダ訪れたバッキー(ウィンター・ソルジャー)が再登場するというシーンだ。
また、このシーンは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』直前の出来事である。
ちなみに、このシーンでバッキーがホワイトウルフと呼ばれている。ホワイトウルフとは原作に登場するキャラクターである。ワカンダに墜落した旅客機の乗客の中で、唯一生き残った白人の少年をティ・チャカが引き取り、ティチャラの義兄弟として育てられたキャラクターである。
本作より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』より
原作のホワイトウルフ
次回予告
次回解説する作品は
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』
次回の記事もお楽しみに。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
今回紹介する作品は
『マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)』
スルト
前作『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)』でも登場した炎の悪魔の世界"ムスペルヘイム"の王。
一作目『マイティ・ソー(2011)』でアスガルドの宝物庫に安置されていた"永遠なる炎"はスルトの力の源であり、本作ではそれが奪われた状態であり本来のパワーを発揮できず弱体化している。
本作終盤、ロキによって永遠なる炎によって復活させられ本来のパワーを取り戻す。
本作のスルト(弱体化した姿)
本作より、永遠なる炎でスルトを復活させるロキ。
本作より、永遠なる炎によって本来の強さで復活したスルト。
原作のスルトと永遠なる炎
ちなみに、本作でスルトのモーションキャプチャと声を演じているクランシー・ブラウンは、MARVELのドラマ『デアデビル』シーズン2と『パニッシャー』シーズン1でブラック・スミス(レイ・スクーノヴァ)。DCコミックスの映画『グリーンランタン(2011)』ではパララックス。ドラマ『THE FlASH/フラッシュ』シーズン3 エピソード13ではゴリラ・グラッドの声を演じている俳優である。
『デアデビル』シーズン2のレイ・スクーノヴァ
『グリーンランタン(2011)』のパララックス
ドラマ『THE FLASH/フラッシュ』のゴリラ・グラッドとフラッシュ
ルーク・ヘムズワースとマット・デイモン
アスガルドにて行われていた演劇でソーを演じていたのはソーの俳優であるクリス・ヘムズワースの実の兄であるルーク・ヘムズワース。ロキを演じているのはマット・デイモンである。
本作より
左から次男のクリス、長男のルーク、三男のリアム
ちなみにこの演劇の元になっているのは前作『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)』の終盤、スヴァルトヘイムにてマレキスにロキが刺され戦死を遂げるシーンである。
また、このシーンでマットデイモン演じるロキが「兄上(ソー)を魔法でカエルに変えてしまったことを謝りたい」というセリフを言うがこれは原作の"Thor #364"での出来事へのオマージュである。
また、原作にはソーによってムジョルニアの力を分け与えられたカエルのソーロッグというキャラクターも存在する。
本作より
『マイティ・ソー/ダークワールド(2013)』より
"Thor #364"より
原作のソーロッグ(ソーではない)
ドクター・ストレンジ
ソーとロキは父親であるオーディンの居場所を知るためにドクター・ストレンジの元を訪ねる。
ちなみに、一連のシーンの一部は『ドクター・ストレンジ(2016)』のポストクレジットシーンと同じ映像が使われている。
本作より
グランドマスター
惑星サカールに初めて降り立ったとされる天界人。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』に登場したコレクターの兄である。
また、カリフォルニアディズニーパークのガーディアンズのアトラクション内には二人が写った写真が飾られている。
本作のグランドマスター
原作のグランドマスター
MCUのコレクター
原作のコレクター
カリフォルニアディズニーパークのガーディアンズのアトラクションより
コンテスト・オブ・チャンピオンズ
グランドマスターの主催するバトルロイヤル。
原作では1982年にグランドマスターと死の女神デスによって同名のゲームが開催され、その後も1999年と2015年の二度行われた。
本作より
"Contest of Champions (1982)"
"Contest of Champions II (1999)"
"Contest of Champions:Secret Wars (2015)"
サカール
グランドマスターの統治する惑星。彼によって捕虜となった様々な人種の宇宙人たちによるバトルロイヤル"コンテスト・オブ・チャンピオンズ"が行われている。
ちなみに、サカールは原作コミックス"The Incredible Hulk"の#92から95にかけて連載されたイベント"Planet Hulk"にて舞台となった惑星である。
本作のサカール
原作コミックス"The Incredible Hulk #92 Planet Hulk Part 4of1"
グランドマスターのタワー
サカールのグランドマスターのタワーには、コンテスト・オブ・チャンピオンズの歴代チャンピオンと思われるオブジェが外壁に飾られている。
中央は現チャンピオンであるハルク。他の顔は時計回りにアレス、バイビースト、マン・シング、ダーク・クロウラー、ベータレイビルである。
本作より
原作のアレス(右上の顔)
原作のバイ・ビースト(右下の顔)
原作のマン・シング(下の顔)
原作のダーク・クロウラー(左下の顔)
原作のベータレイビル(左上の顔)
ちなみにマン・シングとベータレイビルは以前からその存在が既に確認されている。
今回のスタン・リー
今回のスタンリーはサカールの理髪師として登場。
本作より
ヘルメット
コンテスト・オブ・チャンピオンズに出場する際にヘルメットを被っていたが、これは原作コミックスでソーがヘルメットを被っていることに対するオマージュである。
また一作目『マイティ・ソー(2011)』でも羽飾りのついたヘルメットを被っていた。
MCUの原案とされている『アルティメッツ』ではソーはヘルメットを被っていない。このことから映画ではヘルメットを被っていない状態がデフォルトになったと考えられる。
本作より
『マイティ・ソー(2011)』より
原作より
原作コミックス『アルティメッツ』より
ハルクの鎧
コンテスト・オブ・チャンピオンズでハルクは鎧を身にまとっているがこれは原作コミックス"Planet Hulk"の際のハルクの格好をオマージュしたものである。
本作より
原作より
ジャック・カービィ
コンテスト・オブ・チャンピオンズの観戦室の壁はマーベルのアーティスト、ジャック・カービィのアートをサンプリングしたものとなっている。
本作より
サンプリング元となったジャック・カービィのアート
『アベンジャーズ(2012)』オマージュ
ハルクがソーを振り回し地面に叩きつけるシーンは『アベンジャーズ(2012)』でハルクがロキを振り回し地面に叩きつけたシーンのオマージュである。
本作より
『アベンジャーズ(2012)』より
ヴァルキリー
アスガルドの女戦士の一族"ヴァルキリー"の唯一の生き残り。本名はブリュンヒルデ。"スクラッパー142"という名前の由来はヴァルキリーとハルクが初共演した原作コミックスの"Hulk #142"から。
本作のヴァルキリー(ブリュンヒルデ)
原作のヴァルキリー
"Hulk #142"
コーグとミーク
サカールでグランドマスターの奴隷となっていた異星人。
コーグは『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』にも登場したクロナン人。演じているのは本作の監督であるタイカ・ワイティティである。
この二人は本作の原案の一つである"Planet Hulk"にも登場するキャラクターである。
本作のコーグとミーク
原作のコーグ
原作のミーク
インフィニティ・ガントレット
一作目『マイティ・ソー(2011)』からアスガルドの宝物庫に安置されていたインフィニティ・ガントレットだが本作でヘラによって偽物であることが明かされた。
本作より
『マイティ・ソー(2011)』より
ポストクレジットシーン
本作のエンドクレジット中の映像は、永遠なる炎で復活したスルトによって崩壊するアスガルドからソー達が宇宙船ステイツマンに乗って脱出するというシーンだ。
そして宇宙を航行するステイツマンの前にサノスの乗る宇宙船サンクチュアリIIが現れて映像は終わる。
本作より
次回予告
次回紹介する作品は
『ブラック・パンサー(2018)』
次回もお楽しみに。
『スパイダーマン:ホームカミング(2017)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『スパイダーマン:ホームカミング(2017)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
今回紹介する作品は
『スパイダーマン:ホームカミング(2017)』
ヴァルチャー
本作でヴァルチャーを演じたマイケル・キートンはDC映画である『バットマン(1989)』『バットマン リターンズ(1992)』でバットマンを演じその後『バードマン(2015)』で映画の中で過去にバードマンというキャラクターを演じていた落ちぶれた俳優リーガン・トムソンを演じた。
グランドセントラル駅
本作序盤、トゥームスらが瓦礫撤去を行っていたのは『アベンジャーズ(2012)』に登場したグランドセントラル駅。このシーンはアベンジャーズとチタウリとのNY決戦直後の出来事である。
本作より
『アベンジャーズ(2012)』より
ダメージ・コントロール社
上記のシーンでトゥームスらの仕事を奪ったのはダメージ・コントロール社である。
ダメージ・コントロール社とは、マーベルユニバースでヒーローたちがヴィランとの戦いで破壊した街の復旧を受け持つ会社であり現在コメディ作品としてドラマの制作も計画されている。
実は『アイアンマン(2008)』の時点でMCUに存在することが分かっていた。(画面下のテロップに注目)
ちなみにPS4『Marvel's Spider-Man(2018)』にもダメージ・コントロール社のビルが登場する。
『アイアンマン(2008)』より
原作のダメージ・コントロール
PS4『Marvel's Spider-Man(2018)』より
『アベンジャーズ(2012)』のオマージュ
アベンジャーズのお面を被ったATM強盗を退治するシーンでスパイダーマンが『ハルク!ソー!やっと会えたね!』と言うのは『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)』に彼らが参戦していなかったからである。
スパイダーマンがソーのお面をした強盗にハルクのお面をした強盗を殴らせるシーンは『アベンジャーズ(2012)』でハルクがソーを殴ったシーンのオマージュである。
またこのシーンとそっくりなエピソードが原作の『Ultimate Spider-man #42』にあり、原作ではキャプテンアメリカ、アイアンマンの他にバットマンのようなお面をつけた強盗がいる。映画ではさすがに無かったが。
本作より
『アベンジャーズ(2012)』より
『Ultimate Spider-man #42』より
メイおばさん
本作でメイおばさんを演じたマリサ・トメイはトニー・スタークことロバート・ダウニーJr.と1980年代に交際しており『オンリー・ユー(1994)』では恋人役で共演している 。
しかしメイおねえさんはピーターと食事をしている時「トニー・スタークは嫌い」とはっきり言ってしまっているのでよっぽどのことがない限り今作では二人の恋は実らなさそうだ。
ちなみに、この時二人が食事をしているタイレストランの隣には"アスガルド"教会がある。
本作より
『オンリー・ユー(1994)』
モリタ校長
ピーターの通うミッドタウン高校の校長先生であるモリタは『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』に登場した先鋭部隊ハウリングコマンドーの日系人の隊員ジム・モリタの孫で、演じているのはどちらもケネス・チョイだ。
また『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)』で戦犯になってしまったキャップの教材ビデオが未だにミッドタウン高校で使われ続けているのはモリタ校長の方針で、おそらく子供の頃から祖父から戦時中ヒドラの捕虜になっていたところをキャップに助けられた話を聞かされて育ったのだろう。
本作のモリタ校長
『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』のジム・モリタ
スーツ・レディ=カレン
ピーターがスパイダースーツの"補助輪モード"を解除したことで使用可能になったアシスタントA.I.スーツ・レディ改めカレンの声を演じたのはジェニファー・コネリーである。
彼女はMCUじゃない方の『ハルク(2003)』でブルース・バナーの恋人のベティを演じていた女優である。(『ダークシティ(1998)』とかでも魅力的なヒロインを演じてたから個人的には『インクレディブル・ハルク(2008)』のリヴ・タイラーより好き。)
またジェニファー・コネリーはアイアンマンのアシスタントA.I.であるJ.A.R.V.I.S.の声を演じ『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2014)』からヴィジョンを演じているポール・ベタニーの婚約者でもある。
夫婦揃ってトニー・スタークの作ったA.I.にキャスティングされていて面白い。
本作より
『ハルク(2003)』のベティ・ロス(ジェニファー・コネリー)
ハリントン先生
ピーターの所属する学力コンテストクラブの顧問であるハリントン先生を演じたマーティンスターもまた過去にマーベル作品にちょい役で登場している。こちらはMCUの方の『インクレディブル・ハルク(2008)』でバナーがもともと勤めていた研究所の研究員役でカメオ出演している。このキャラとハリントン先生との関係は不明。どうせなら兄弟か親戚という設定にしてほしい。
本作より
『インクレディブル・ハルク(2008)』より
過去のスパイダーマン映画に対するオマージュ
ワシントン記念塔のエレベーターで、落下するリズをウェブで助けるシーンは『アメイジングスパイダーマン2 (2014)』の終盤、時計台から落下するグウェンをギリギリのところで助けられなかったトラウマシーンのオマージュである。
また、リズを助けた後、逆さになったピーターにカレンが「キスをするなら今です」と言うのは『スパイダーマン(2002)』で最も有名な逆さになった状態でのキスシーンへのオマージュである。
どちらのオマージュも元のシーンとは全く違う結果になっているのは今回のスパイダーマンは今までのスパイダーマンとは全く別物、ということを表しているのだろうか。
またワシントン記念公園といえば『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』でキャップとサムがランニングをしていたりS.H.I.E.L.Dの中心基地トリスケリオンが建っていた場所だが、本作を観る限り、そのような建物の姿が見えなかったのでヘリキャリアが墜落して崩壊した後、再建されることはなかったのだろう。
本作より
『スパイダーマン(2002)』
本作より
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』
MCUにマイルズ・モラレスが存在する可能性
マイルズ・モラレスとはマーベルコミックスの平行世界アルティメットユニバースで、死亡したピーター・パーカーの後を継いで新しくスパイダーマンになった黒人の少年である。
マイルズはラッパーのチャイルディッシュ・ガンビーノこと俳優のドナルド・グローヴァーがスパイダーマンのリブート作品で主人公役に立候補し、結局は採用されることはなかったがこの事を知ったライターのブライアン・マイケル・ベンディスがコミックに登場させたキャラクターで、ドナルド・グローヴァーはその後アニメ版のマイルズスパイダーマンの声を演じることになった。
そして、なんとそのドナルド・グローヴァーが今回の映画にちょい役で登場している。
ヴァルチャーの組織と武器の取引をしていたアーロン・デイヴィスという青年で、彼はピーターとの会話で近所に甥っ子が住んでいる事を話している。
アーロン・デイヴィスとは原作コミックでマイルズ。モラレスの叔父にあたるキャラクターで彼自身もプロウラーというヴィランである。
つまり彼の言った甥っ子とはマイルズのことでMCUにもう一人のスパイダーマンが登場する伏線かもしくはファンサービスだろう。
ちなみに、マイルズ・モラレスはPS4『Marvel's Spider-Man(2018)』に重要な役として登場する。
また、マイルズスパイダーマンとプロウラーはアニメ映画『スパイダーマン:スパイダーバース(2019)』にも登場する。
本作より
原作のマイルズスパイダーマンとプロウラー
PS4『Marvel's Spider-Man(2018)』のマイルズ
『スパイダーマン:スパイダーバース(2019)』のマイルズスパイダーマン
『スパイダーマン:スパイダーバース(2019)』のプロウラー
ピーターの親友ネッド
原作でのネッドは映画の彼とは似ても似つかない容姿をしたでイリービューグルの記者で後にホブゴブリンというヴィランになってしまう。
本作のネッドはどちらかというとアルティメットスパイダーマンのマイルズ・モラレスの親友ガンケに見た目も性格もレゴが好きなところもそっくりだ。
もし映画のネッドがコミックのネッドとガンケの設定をミックスしたキャラになるとしたらもしかすると今後の作品でヴィランのホブゴブリンになってしまうのかもしれない。
本作のネッド
原作のネッド(ホブ・ゴブリン)
原作のガンケ
今後のシルク登場の伏線か
ピーターの所属している学力コンテストクラブの部員にシンディというアジア系の女の子がいる。彼女は原作コミックでピーターと同じ蜘蛛に噛まれた蜘蛛女のシルクことシンディ・ムーンではないかと言われている。もしかしたらすでに蜘蛛に噛まれていて今後の作品でシルクになるのかもしれない。
本作より
原作のシルク
ナンバープレートの数字"SM2-0563"
スパイダーマンの後ろにある車のナンバープレートに書かれている数列に注目してもらいたい。
ここに書かれている"SM2-0563"とは"SM2"="Spider-Man #2(スパイダーマンの2巻)" "0563"="5 1963(1963年の5月)" と読み取ることができ、1963年 5月に発売された"Spider-Man #2"とはマイケルキートンの演じるヴィラン、ヴァルチャーが初めて登場したエピソードである。
本作より
"Spider-Man #2 (1963)"
2人のヴェノム、ガーガンとフラッシュ
ヴァルチャーがフェリーで取引をしていた男の名前はマック・ガーガン。彼は原作ではジェイ・ジョナ・ジェイムソンの命令でスパイダーマンを倒すため特殊な処置を施しサソリの力を得たスコーピオンというヴィランで映画でも彼の首にサソリのタトゥーが彫られている。
また、原作のマック・ガーガンはその後シンビオートの宿主になり三代目のヴェノムだったこともある。
本作より
首にサソリのタトゥー
原作のスコーピオン
原作のガーガンヴェノム
また、これまでの作品ではジョックだったが、本作ではピーターと同じ学力コンテストクラブの部員であるフラッシュ・トンプソンも原作ではシンビオートの宿主になりエージェント・ヴェノムとしてヒーロー活動をしてキャラクターである。
本作のフラッシュ
『スパイダーマン(2002)』のフラッシュ・トンプソン
『アメイジング・スパイダーマン(2012)』のフラッシュ・トンプソン
原作のエージェントヴェノム
フェリスはある朝突然に
スパイダーマンが住宅街でヴァルチャーのトラックを追いかけるシーンは映画『フェリスはある朝突然に(1986)』のワンシーンのオマージュである。
ちなみに、『デッドプール(2015)』のポストクレジットシーンでも『フェリスはある朝突然に』がパロディーされていた。
本作より
『デッドプール(2015)』より
『フェリスはある朝突然に(1986)』より
ショッカー
『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)』に登場したクロスボーンズのガントレットをチタウリやダークエルフ、ウルトロンなどの技術を加え強化したものを装備したヴィラン。
映画前半はジャクソン・ブライスだったが色々あってハーマン・シュルツが代わりを務めることになった。
本作のジャクソン・ブライス
本作のハーマン・シュルツ
原作のショッカー
ちなみに、こんないかしたスーツまで作られたのに結局映画では使われなかった。ハーマンがまだ生きてるので次登場する時は着ててほしいところ。
ちなみに、ショッカーはゲームの『The Amazing spider-man2 (2014)』や『Marvel's Spider-Man(2018)』にも登場する。
『The Amazing spider-man2 (2014)』より
『Marvel's Spider-Man(2018)』より
ティンカラー
ヴァルチャーの部下でメカニックのティンカラーは原作にも登場するマッドサイエンティストで映画の中で彼が作ったグラヴィティガンの形状は原作のものに非常によく似ている。
本作のティンカラー
本作のグラヴィティガン
原作のティンカラー
キャップの新型シールドとソーの魔法のベルト
ハッピーがアベンジャーズタワーを飛び立つ貨物機に積み込んだ荷物にハルクバスター、キャプテンアメリカの新型シールドの試作品、ソーの魔法のベルト、というものがあると言っていた。
キャプテンアメリカの新型の盾とは『エージェント・オブ・シールド シーズン4』に出てきたコールソンのエナジーシールドの改良版でコミックのキャプテンアメリカが一時期使っていた物だと予測できる。
『エージェント・オブ・シールド シーズン4』より
原作のエナジー・シールド
ソーの魔法のベルトとはメギンギョルドと呼ばれるもので、原作では身につけることでソーのパワーが大幅に増大するアイテムである。
原作より
また『アイアンマン(2008)』から登場しているポンコツアームロボットのDum-E(ダミー)が荷物を整理する手伝いをしていることが分かる。彼は『アイアンマン3 (2013)』でトニーの別荘ごと海に落下したが映画の最後でトニーに無事回収されて今回はれて復活となった。
本作より
『アイアンマン3 (2013)』より
The Amazing Spider-Man #33からの引用
ヴァルチャーの崩した瓦礫の下敷きになってしまい絶望したスパイダーマンが最後の力を振り絞って瓦礫を持ち上げるシーンは原作の"The Amazing Spider-Man #33"の有名なシーンからの引用である。
また、このシーンは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』でもオマージュされていた。
原作より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』
コニーアイランドのサイクロン
バルチャーが連行されるのをスパイダーマンが座って眺めていたのはニューヨークのコニーアイランドで1927年から今も現役で運行している木製のジェットコースター「サイクロン」である。
「サイクロン」は『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』でスティーブとバッキーが子供のころ一緒に乗ったという話をしている。
本作のサイクロン
実際のサイクロン
ミシェルがまさかの…
映画終盤、ミシェルが自分は友達にMJと呼ばれている、とピーターに明かした。
MJとはもちろんスパイダーマンことピーター・パーカーの彼女である。
本作のミシェル(MJ)
虎の着ぐるみを着た生徒が廊下を横切るシーンが何度かあったが、あれは原作でMJがピーターのことをタイガーと呼んでいることに関係していると考えられる。
本作より
原作のMJ
新型スパイダースーツと正しい選択
トニーがピーターのために開発した新型のスーツは原作の『シビルウォー』でトニーが開発したアイアンスパイダースーツと現在連載中のスパイダーマンが来ているスーツを掛け合わせたようなデザインだった。
この新型のスーツは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』にて着ることとなる。
本作より
原作のアイアンスパイダースーツ
原作より
トニーはピーターに新しいスーツを与え会見で彼の正体を世間に公表するつもりでしたがピーターはそれを断った。
コミック『シビルウォー』ではピーターが世間に正体を明かしたことがきっかけで彼を狙った殺し屋にメイおばさんが誤って射殺されてしまう(邦訳版も出ている『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』より)。よって今作のピーターの選択は正しかったと言えるのだ。
『スパイダーマン:バック・イン・ブラック』より
ちなみに、この時ピーターが着ているTシャツは『アイアンマン3 (2013)』でペッパーが着ていたのと全く同じ柄である。
本作より
『アイアンマン3 (2013)』より
時系列の矛盾について
『スパイダーマン/ホームカミング(2017)』は『シビルウォー/キャプテンアメリカ(2015)』の6ヶ月後で2016年の出来事である。しかし、冒頭の『アベンジャーズ(2012)』のNY決戦直後と思われる場面から現在に移り変わるシーンで「8年後」という字幕が出ることから2012年の8年後は2020年となるので矛盾が生じる。
しかし、映画の公開日が2012年のため映画内の時間も2012年と思われがちな『アベンジャーズ』だが、実際は細かい年数などは明言されておらず、後付けで『アベンジャーズ』は2008年の出来事という設定に変更されたと考えることもできる。
海外では『ドクター・ストレンジ(2017)』でストレンジがタイムストーンを用い、何度も時間を巻き戻したことが原因で時空に歪みが生じ、時系列にズレが生まれた。という説が提唱されているらしいが、実際のところどうなのかは定かではない。
また『アベンジャーズ』が2008年の出来事となると、同じ1週間の間で起きたとされる『アイアンマン2 (2010)』でアイアンマンのマスクをつけてスタークエキスポに参加していた少年がピーター・パーカーであるという説にも信憑性が増すという副産物もある。
ピーターは高校2年生で17歳、8年前は9歳。9歳にしてはちょっと小さすぎる気もするが12歳って言われるよりは信憑生がある。
『アイアンマン2 (2010)』より
ちなみに、ハッピーの車で空港に向かうシーンで窓の外にスタークエキスポ開催地の地球儀がチラッと映っているのも意味ありげである。
ハワード・スターク、アースキン、ブルース・バナー
ピーターの通う学校の壁にはリンカーンやアインシュタインの他にトニー・スタークの父であるハワード・スタークや『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』に登場したアースキン博士の顔も描かれている。
本作より
『アイアンマン2 (2010)』のハワード・スターク
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』
また、理科室の壁にはブルース・バナーの写真も飾られている。
本作より
エンドロール後
1本目の映像は刑務所内でトゥームスとガーガンが再開するというシーン。
2本目の映像はクリフハンガーではなくてキャップが「忍耐力は大切」ということを説教してくれる映像だ。これはクリフハンガーを期待してバカみたいにエンドロールを我慢して観てる観客に対する嫌味とも撮ることができる。この肩透かしを食らう感じは『デッドプール(2015)』のエンドロール後の「まだいたの?」に近いものを感じた。
本作より
次回予告
次回紹介するのは
『マイティ・ソー バトルロイヤル(2017)』
次回もお楽しみに。
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第13回の今回紹介するのはこの作品
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』
ミズーリ
本作でピーター・クイルの生まれ育ったのはミズーリ州だということが明言されるが、ミズーリ州は前作本作ともに監督を務めたジェームズ・ガンの故郷でもある。
本作より
メレディス・クイル
ピーター・クイルの母、前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』にも登場したが本作では若い頃の姿で登場。
また、メレディス・クイルを演じたローラ・ハドックは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』にキャプテンのファンとして登場。
本作のメレディス・クイル
前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』のメレディス・クイル
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』より
マテル フットボール
タイトルシークエンスでスター・ロードが持っていたレーダーはマテルが1977年に発売したフットボールゲームを改造したものである。
本作より
実際に発売されていたマテル"Football"
オルローニ
本作のタイトルシークエンスなどに登場する小型の宇宙生物。
前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』でも序盤の惑星モラグのシーンや、ノーウェアの賭博酒場のシーンにも登場している。
本作より
前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』より
エゴ
ピーター・クイルの実父。本作では天界人(セレスティアル)の一人とされる。その正体は意志を持った惑星であった。彼の妻でピーターの母であるメレディスに癌腫瘍を植え付け死に追いやった張本人だったことが明らかになりピーターの怒りを買うことになる。
原作でのエゴも意志を持った惑星だが、セレスティアルではなくコズミックビーイングと呼ばれる宇宙を超越した存在の内の一つである。
本作のエゴ
原作のエゴ
エターニティ
エゴのパワーに飲み込まれそうになったクイルが「エターニティ…」とつぶやくシーンがあるが、このエタニティとは原作に登場する上記のエゴと同等の存在であるコズミックビーイングの一つであるエターニティのことである。
エターニティは時間そのものを人型に具現化した存在であり全能のパワーを持つ。
本作のこのシーンでクイルの瞳が宇宙空間の星々のような模様に変化するのも、原作のエターニティの姿を想起させる。
本作より
原作のエターニティ
デビッド・ハッセルホフ
ピーターの理想の父像として名前が挙げられたのはデビッド・ハッセルホフ。彼は『ナイトライダー』で主人公のマイケル・ナイトを演じたことは有名ですが、1998年に放送されたMARVELのテレビドラマ『Nick Fury: Agent of S.H.I.E.L.D.』でニック・フューリーを演じていたことはあまり知られていない。
また、本作ではスターロードとエゴが対決するシーンで、エゴが一瞬だけデビッド・ハッセルホフの姿になる。
本作より
ドラマ『ナイトライダー(1982-)』でデヴィッド・ハッセルホフの演じたマイケル・ナイト
『Nick Fury: Agent of S.H.I.E.L.D. (1998)』のニック・フューリー
ガン監督の両親
エゴによって地球に植えられた苗が発芽し街を飲み込む中、スマホカメラを持って撮影している夫婦はジェームズ・ガン監督の両親であるジェームズ・ガン・シニアとレオタ・ガン夫妻である。
本作より
ピーター・クイルの祖父
前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』に登場したグレッグ・ヘンリー演じるピーター・クイルの祖父が上記のエゴの苗の発芽によって街が飲み込まれるシーンに登場する。
本作より
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』
ザンダー星
前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』に登場したザンダー星にもエゴの苗が植えられていたようだ。
本作より
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』のザンダー星
ハワード・ザ・ダック
前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』でノーウェア内のコレクターの倉庫でコレクションの中にいたが、オーブの暴走により倉庫内がめちゃくちゃになり脱走。
本作ではコントラクシアのアイアン・ロータスのロボット風俗店で酒を飲んでいた。
ちなみに『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀(1986)』として以前にも実写化されている。
本作より
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』より
『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀(1986)』より
原作のハワード・ザ・ダック(どう見てもドナルドダックである…)
プロトタイプ・フィン
ヨンドゥ・ウドンタがヤカの矢を遠隔操作するアンテナとして頭に埋め込んでいる装置のプルトタイプ。
通常のフィンより大型で原作の頭部により近いルックスになった。
本作より
原作のヨンドゥ
クロナン人
ヨンドゥとロケットとグルートがクオドラント号でスペースジャンプ中に通り過ぎた星にいたのはクロナンという種族の異星人である。
クロナン人は今までにも『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)』にも登場しており、MCUで本作の次々作に当たる『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』に登場したコーグというキャラクターもこのクロナン人である。
原作ではソーが初登場した記念すべき一作目『Journey into Mystery#83 (1982)』に最初の敵として登場した。
本作より
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)』より
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』のコーグ
『Journey into Mystery#83 (1982)』より
パックマン
スターロードとエゴの最終決戦でスターロードが星の光の力を使って変身したのは巨大なパックマン。
映画『ピクセル(2015)』のワンシーンと酷似しているがオマージュしたかどうかは不明。
本作より
『ピクセル(2015)』より
スタカー・オゴルド
シルベスター・スタローンの演じたラヴェジャーズのリーダー。別名スター・ホーク。
原作ではスタカーはEarth-691と呼ばれる別次元の西暦3000のガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、別名ガーディアンズ3000のメンバーの一人である。
兼ねてからスタローンが演じるキャラクターは彼が過去に演じた『ジャッジ・ドレッド』のようなヘルメットを被ったキャラクターである噂されてきた。このことから、彼が演じるのはノヴァ(リチャード・ライダー)と言われていた。しかし、ガン監督が事前のインタビューで「まだノヴァは出さない」と言っていた通り、本作ではノヴァではなくスターホークを演じた。
本作のスタカー・オゴルド
原作のスタカー・オゴルド(スター・ホーク)
『ジャッジドレッド』でスタローンの演じたジャッジ・ジョセフ・ドレッド
原作のノヴァ
ラヴェジャーズ本隊
スタカーの呼びかけによって再結集したラヴァジャーズの旧メンバー達。
ちなみに、このシーンで集まっているのが原作で上記のガーディアンズ3000に所属しているキャラクターである。
また、ヨンドゥ・ウドンタも原作ではガーディアンズ3000のメンバーである。
本作のラヴェジャーズ本隊(原作のガーディアンズ3000)
原作のガーディアンズ3000
チャーリー27
演じているのは『ミッション・インポッシブル』シリーズのルーサー役でおなじみのヴィング・レイムス。
本作のチャーリー27
原作のチャーリー27
マルチティネックス
演じるのは『ヤング・スーパーマン』でレックス・ルーサーを演じたマイケル・ローゼンバウム。
本作のマルチティネックス
原作のマルチティネックス
アリータ
演じるのは『グリーン・デスティニー』シリーズのユー・シューリン役やテレビシリーズ『スタートレック: ディスカバリー』にも出演が決まっているミシェール・ヨー。
本作のアリータ
原作のアリータ
声の出演は日本でも放送されたディズニー制作のドラマ『シークレット・アイドル ハンナ・モンタナ』で主人公マイリー・スチュアート役を演じたマイリー・サイラス。
このキャラクターだけ原作から大きく設定が変更されており性別が男性から女性に変更されている。
本作のメイン・フレーム
コンセプトアートで明らかになったメイン・フレームの全身
原作のメインフレーム
クルーガー
変さくのクルーガー
原作のクルーガー
ポストクレジットシーン
ガーディアンズに敗れプライドをズタボロにされたアエイシャ。彼女がガーディアンズを打ち倒すために作り出した子供の名前は"アダム"。
彼女の言うアダムとは原作に登場するアダム・ウォーロックというキャラクターであると考えられる。
アダム・ウォーロックとは、元々悪の科学者に世界を滅ぼすために作り出されたアンドロイドだったが、正義の心に目覚め原作の『インフィニティ・ガントレット』ではサノスに対抗する地球軍を率いたキャラクターである。
ちなみに前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』ではコレクターのコレクションの中に彼のものと思われる繭が保管されていた。また本作でアエイシャが作り出したアダムの育成ポッドもこの繭に似た形をしていた。
本作のアダムの繭
前作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』の繭
原作のアダム・ウォーロック
原作のアダム・ウォーロックの繭
今回のスタン・リー
今回のスタンリーはポストクレジットシーンに登場。宇宙飛行士の格好をしており宇宙空間で岩に腰掛け、背の高い人型の集団に「ある時はFedExの配達員で…」と今までのカメオ出演の話をしていた。
ちなみに、スタン・リーがカメオ出演でFedExの配達員を演じたのは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』である。
また、この時スタンリー・が語りかけている集団は原作に登場するウォッチャーという超存在である。原作のウォッチャーは月から地球を監視している存在で地球に危機が迫った時にのみ姿を現し人類にその予兆を知らせる役割を持っている。
本作より
本作のウォッチャー
原作のウォッチャー
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』
次回予告
次回紹介するのは
『スパイダー・マン:ホーム・カミング(2017)』
次回の記事もお楽しみに。
『ドクター・ストレンジ(2017)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『ドクター・ストレンジ(2017)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第13回の今回紹介するのはこの作品
『ドクター・ストレンジ(2017)』
二度目の実写化
実はドクター・ストレンジが実写化されたのは本作が初ではなく、1978年にテレビ映画として実写化されたことがある。日本では未ソフト化。
『Dr.Strange (1978)』
エンシェント・ワン
カマー・タージを納める"ソーサラー・シュプリーム"の称号を持つ至高の魔術師でありストレンジの師匠。実年齢は700歳。
本作では女性として描かれているが原作ではチベット人で500歳の男性である。
本作のエンシェント・ワン
原作のエンシェント・ワン
ハミア・ザ・ハーミット
カマー・タージの隻腕の老魔術師。
原作ではウォンの父であるがMCUでの関係は不明。
ちなみに、原作のハミアは隻腕ではない。
本作のハミア
原作のハミア
サンクタム・サンクトラム
ニューヨーク、ロンドン、香港にそれぞれ存在する施設。この3箇所を結ぶ結界によって異次元からの侵略を防いでいる。ニューヨークのサンクタムは本作以降ストレンジが管理することになった。
原作でのサンクタム・サンクトラムの住所はブリーカー・ストリート177Aであり、本作でもその場所にあるとさていれています。
この住所はマーベルコミックスでドクターストレンジのアーティストを務めていたロイ・トーマスとゲリー・フレデリッチがニューヨークに住んでいた際の住所に由来する。
ちなみに、本作でストレンジを演じているベネディクト・カンバーバッチはドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』で主人公シャーロック・ホームズを演じているが、シャーロックホームズの住所はロンドンのベーカー・ストリート211Bである。
本作のサンクタム・サンクトラム(NY)
原作のサンクタム・サンクトラム
ゲームPS4『Marvel's Spider-Man』のサンクタム・サンクトラム
ドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』
スティーブ・ディッコ
カマー・タージに訪れたストレンジがエンシェントワンによって見せられた多次元宇宙のビジョン。これは原作コミックスでスティーブ・ディッコというアーティストの描いたアートが元となっている。
本作の
原作の
ピンク・フロイド
本作の劇中ではピンク・フロイドの星空のドライブが使用されているがピンク・フロイドのセカンドアルバム『神秘』のジャケットはドクター・ストレンジの原作コミックスのアートをコラージュしたものである。
ピンクフロイド『神秘』
コラージュ元となったドクター・ストレンジのコミックの1ページ
クリスティン・パーマー
メトロポリタン総合病院の救急救命医。スティーヴン・ストレンジの同僚で元恋人。
原作ではナイト・ナース(夜勤看護師)という別名を持ち、ヒーローやヴィランなどの超人相手に治療を行っている。
ちなみに、Netflixのドラマ『デアデビル』S1,S2『ジェシカ・ジョーンズ』S1『ルーク・ケイジ』S1,S2『アイアンフィスト』S1『ディフェンダーズ』S1と常連キャラクターとなっているクレア・テンプルだが、彼女の勤務先もメトロポリタン総合病院であり、原作では彼女もナイト・ナースの一人である。
本作のクリスティン・パーマー(ナイト・ナース)
ナイト・ナースが初登場した『Noght Nurse#1 (1972)』
MCUのクレア・テンプル(ナイト・ナース)
原作のクレア・テンプル(ナイト・ナース)
ニコデマス・ウエスト
スティーヴン・ストレンジとクリスティン・パーマーの同僚。交通事故後にストレンジの手の治療を担当した。
原作ではストレンジ同様にエンシェント・ワンの元で修行し、ストレンジほどではないが魔術を使えるようになった。彼はその魔法の力を医療に利用しようとしたが、ストレンジから反対を受け対峙、戦闘の末ビルの屋上から転落し死亡した。
本作のニコデマス・ウエスト
原作のニコデマス・ウエスト
アガモットの眼
時間操作魔法が使用可能になる魔器。内部にインフィニティ・ストーンのひとつである時を司るタイム・ストーンが内包されている。
ちなみにアガモットの眼は『マイティ・ソー(2008)』でアスガルドの宝物庫に安置されているのが映ったが、本作では何千年もの間カマー・タージのサンクタム・サンクトラムの結界の中心に安置されていたと言われているので、アスガルドにあった物は偽物だったということになる。
本作のアガモットの眼
『マイティ・ソー(2008)』のアガモットの眼
原作のアガモットの眼
インフィニティ・ストーン 一覧
リビング・トリビューナルの杖
モルドが使用する、多節棍に変形する魔法の杖。
リビング・トリビューナルとは原作コミックスに登場する超存在コズミック・ビーイングの一人で、全ての並行世界の均衡を保つ事を目的としている。
並行世界の均衡を乱し脅かすような存在が現れた時のみ姿を現す。
本作のリビング・トリビューナルの杖
原作のリビング・トリビューナル
ヴァルトのブーツ
モルドが使用する、履くと空中を歩くことができる魔法のブーツ。
ヴァルトとは原作コミックスに登場するオクテッセンスと呼ばれる強大な魔力を持った8つの存在の内のひとりで龍のような見た目をしている。
ちなみに、このオクテッセンスのひとりであるサイトラックの作り出した魔石はX-MENに登場するジャガーノートのパワーの源である。
本作のヴァルトのブーツ
原作のヴァルト
ワトゥームの杖
香港のサンクタム・サンクトラムに安置されていた神聖なる魔器。ウォンがカエシリウスに立ち向かうために使用した。
原作にも登場するアイテムで世界に6つ存在すると言われている。使用者の固有のパワーを増大させる力を持ち破壊から治癒までその能力は様々である。受けたエネルギーを吸収、蓄積し己のパワーに変換することも可能。
本作のワトゥームの杖
ティナ・ミノル
ウォンが香港のサンクタム・サンクトラムで率いていた魔術師の一人にリング状の杖を持ったアジア系の女性がいる。彼女はティナ・ミノルというキャラクターである。
このリング状の杖はワンの杖と呼ばれ、黒魔術を発動することができる。普段はニコ・ミノルの身体に収納されており、彼女が負傷し血を流したときのみ呼び出すことができる。
ティナ・ミノルとは原作では『Runaways』というシリーズの主人公の一人であるニコ・ミノルというキャラクターの母親である。
ちなみにマーベルドラマ『ランナウェイズ』にもニコ・ミノルとティナ・ミノルが登場する。
本作のティナ・ミノル
本作のスリングリングのプロップ、右列一番上に"ティナ・ミノル"の文字がある。
原作のティナ・ミノル
ドラマ『ランナウェイズ』のティナ・ミノル
原作のニコ・ミノル
ドラマ『ランナウェイズ』のニコ・ミノル
カリオストロの書
カエシリウスがカマー・タージの書庫から盗み出した魔術書。闇の儀式を行う方法が記されている。カエシリウスはここに記されていた闇儀式を行い、ドルマムゥがいる暗黒次元にアクセス、禁術とされる闇の魔法や不老不死を会得した。
本作のカリオストロの書
原作のカリオストロの書
斧
ストレンジがサンクタム・サンクトラムでカエシリウスと初めて対峙した際、壁に掛けられた斧を取ろうとするシーンがあるが、2015年から始まった原作コミックスのストレンジはよく斧を使っている。しかし本作では浮遊マントによって邪魔され斧を使うことはなかった。
『Doctor Strange#1 (2015)』
アベンジャーズ・タワー
アベンジャーズのNY基地であるアベンジャーズ・タワーが本作でも確認することができる。
本作より
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2014)』より
スタン・リー
今回のスタン・リーはバスの乗客として登場。ちなみに読んでいる本はオルダス・ハスリーの"The Doors of Perception"『知覚の扉』で、その内容は筆者であるハスリー自信が幻覚剤を使用して見たサイケデリック体験を記録したものである。
本作より
ドルマムゥ
ちなみに、本作でドルマムゥのモーション・キャプチャを担当したのは、主人公であるドクター・ストレンジを演じたベネディクト・カンバーバッチである。つまりストレンジとドルマムゥの戦いは、カンバーバッチの一人演技ということである。
本作のドルマムゥ
原作のドルマムゥ
ポストクレジットシーン
本作のエンドロール後のおまけ映像は二本ある。
一本目はNYのサンクタム・サンクトラムに訪れたソーがストレンジにオーディンの居場所を突き止めて欲しいと交渉するシーンである。
このシーンは『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』のワンシーンを引用したものである。
ちなみに、このシーンでのストレンジの服装は原作のクラシックなコスチュームにより近いものとなっている。
本作より
原作のクラシックなコスチューム、黄色い手袋などが酷似している。
二本目の映像は魔法によって下半身不随から復活したパング・ボーンの元に現れたモルドが「魔術師が増えすぎた」と言い彼から魔力を奪い取るというシーンだ。
このシーンは続編である『ドクター・ストレンジ2』に繋がる伏線と考えられる。闇落ちしたモルドが続編のヴィランになるということだろう。
次回予告
次回紹介するのは
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』
次回の記事もお楽しみに。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第13回の今回紹介するのはMCUフェイズ3一作目となるこの作品
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』
レッドウィング
ファルコンのウィングパックEXO-7に搭載された鳥型支援ドローンである。
原作のレッドウィングはドローンではなく生きたハヤブサである。原作のファルコンは鳥とテレパシーによって会話ができるが、レッドウィングとは精神で繋がっている。
本作のファルコンとレッドウィング
原作のファルコンとレッドウィング
クロス・ボーンズ
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』に登場したブロック・ラムロウだが、S.H.I.E.L.D.総本部トリスケリオン内でファルコン(サム・ウィルソン)と戦闘中に墜落したヘリキャリアの一隻が建物に衝突し倒壊、瓦礫の下敷きになり全身に重度の火傷を負い搬送された。
本作では、強力なパンチを繰り出すことのできるガントレットを装備し、クロス・ボーンズとして再登場。
原作コミックスでの初登場は『Captain America#359 (1968)』MCU版とは違いハイドラ所属ではないがレッドスカルに雇われていることが多く、主にキャプテンアメリカのヴィランとして登場する。
本作のクロス・ボーンズ
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』のブロック・ラムロウ
原作のクロス・ボーンズ
ヴィジョン
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2014)』で初登場したアンドロイド。
本作でヴィジョンは新アベンジャーズ本部にいる時だけ人間のような服装をしている。
これは原作『The Avengers#254 (1985)』でのワンシーンへのオマージュと考えられる。
本作のヴィジョン
原作『The Avengers#254 (1985)』より
ダミオン・ポワチエ
クロス・ボーンズの部下の一人を演じたダミオン・ポワチエは『アベンジャーズ(2012)』のポストクレジットシーンに登場した際のサノスのモーションキャプチャを担当していた俳優である。
ちなみに、サノス役はそれ以降ジョシュ・ブローリンに変更となっており『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』では声だけを演じ『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』ではモーションキャプチャーと声を演じた。
また、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』で撮影現場にて、ジョシュ・ブローリンの代わりにサノスの代役を勤めていたのはジェームズ・ガン監督の弟であるショーン・ガンである。
ちなみに、ショーン・ガンは『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』ではラヴェジャーズのクラグリン・オブフォンテリを演じていた。
本作でダミオン・ポワチエが演じたクロスボーンズの部下(右)
『アベンジャーズ(2012)』のポストクレジットシーンより、ダミオン・ポワチエが演じたサノス
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』でジョシュ・ブローリンが声のみ演じたサノス
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』でジョシュ・ブローリンの演じたサノス
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』のクラグリン・オブフォンテリ(ショーン・ガン)
ミリアム・シャープ
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』におけるソコヴィアでの戦いに巻き込まれ息子であるチャールズ・スペンサーを失い、そのことからアベンジャーズを恨んでいる。普段は国務省の人事部に勤めている。
ちなみに、本作でミリアム・シャープを演じているアルフレ・ウッダードは同じくMCU作品であるドラマシリーズ『ルーク・ケイジ(2016)』にてマリア・ディラードという別のキャラクターを演じている。
本作のミリアム・シャープ(アルフレ・ウッダード)
『ルーク・ケイジ(2016)』のマリア・ディラード(アルフレ・ウッダード)
キング・ティ・チャカ
ティチャラの父であり先代のブラックパンサーである。ウィーンでのソコヴィア協定署名式でスピーチを行っている際に襲撃を受け死亡。
『ブラック・パンサー(2018)』にて若い頃のブラックパンサーの姿で再登場する。
本作のキング・ティ・チャカ
『ブラック・パンサー(2018)』より
セクメトとバースト(バステト)
父であるティ・チャカの死を受けたティ・チャラは、ナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ)に、祖国であるワカンダ王国では、死者はセクメトとバースト(バステト)と呼ばれる獣人の神に導かれ緑の草原の広がる空間で永遠に暮らすという言い伝えがあると教えるシーンがある。
ちなみに、ブラックパンサーの力の源となる紫の葉を持つハーブはこのバースト(バステト)によって齎されたものだと言い伝えられている。
また、この死後の世界は『ブラック・パンサー(2018)』に実際に登場する。
セクメトとバースト(バステト)は原作にも登場する神である。
『ブラック・パンサー(2018)』のバースト(バステト)
『ブラック・パンサー(2018)』に登場した死後の世界
原作のバースト(左)とセクメト(右)
ドーラ・ミラージュ
ティ・チャラの護衛を任されているワカンダの女戦士達がドーラ・ミラージュである。本作に登場しているのはその中のアヨーという女性である。ドーラ・ミラージュには他にオコイエ、アネカなどがいる。
本作のドーラ・ミラージュ、アヨー(左)
『ブラック・パンサー(2018)』オコイエ(左)アヨー(中央)アネカ(右)
原作のドーラ・ミラージュ
サンダーボルト・ロス
『インクレディブル・ハルク(2008)』にも登場していたが本作では国務長官に就任し再登場。アベンジャーズ達にソコヴィア協定への署名を勧める。
原作ではロス将軍は後にレッドハルクという赤いハルクに変身する。レッドハルクはハルクと違い理性が安定しており、戦術的思考に非常に長けている。
本作のサンダーボルト・ロス
『インクレディブル・ハルク(2008)』のサンダーボルト・ロス将軍
原作のレッドハルク(サンダーボルト・ロス将軍)
バロン・ジーモ
ヴァシリー・カルポフ
1990年代にウィンターソルジャーを用いて暗殺任務を遂行していた元ハイドラ党員。隠居中だったが上記のバロン・ジーモによって拷問、殺害された。
原作のヴァシリー・カルポフはハイドラ党員ではなくソ連将校であり氷漬けになったバッキーを発見しウィンター・ソルジャーに改造させた張本人である。
本作のヴァシリー・カルポフ(左)
原作のヴァシリー・カルポフ
D23
対テロ組織対策本部に連行されたバッキー(ウィンター・ソルジャー)が拘束されたカプセルには、D23という文字が書かれている。
このD23とはディズニーのファンクラブの名称であり、ディズニーの歴史が1923年から始まったことに由来する。
本作より、扉に書かれている文字に注目
D23
エヴェレット・ロス
対テロ組織対策本部副長官。『ブラック・パンサー(2018)』で再登場する。
原作のエヴェレット・ロスはティ・チャラの護衛役として派遣されたが、ティ・チャラがブラックパンサーだったため多くの事件に巻き込まれ、その度に互いに協力して困難を乗り越えてきた。
本作のエヴェレット・ロス
『ブラック・パンサー(2018)』のエヴェレット・ロス
原作のエヴェレット・ロス(右)とブラック・パンサー
スパイダーマン
トニーがピーターに観せている映像に映っているのは『スパイダーマン:ホーム・カミング(2017)』で着ていたピーターがハンドメイドしたスーツである。
本作より
『スパイダーマン:ホーム・カミング(2017)』より
ホークアイとアントマンのコンビネーション
空港での戦闘シーンで、ホークアイのトリックアローの鏃に縮小したアントマンが乗っかり、コンビネーションを決めるシーンがあるがこれは原作に対するオマージュである。
本作より
原作より
キャップ対アイアンマン
本作終盤、アイアンマンのリパルサーをキャップがシールドで防ぐシーンがあるが、これは本作の原案となった同名の原作コミックス『Civil War#7 (2006)』のカバーアートの構図を再現したカットである。
本作より
『Civil War#7 (2006)』のカバーアート
ラフト刑務所
本作終盤に登場した超人専用の収容施設。
原作ではヒーロー以外にも凶悪なヴィランなどが収容されている。襲撃を受けてヴィランズが逃げ出してパニックになるのはお決まりの展開となっている。
ちなみにPS4のゲーム『Marvel's Spider-Man』にも登場し物語上で重要な施設となっている。
本作より
原作より
PS4『Marvel's Spider-Man』より
今回のスタン・リー
今回のスタン・リーはトニーの元にスティーブからの荷物を届けに来るFedExドライバーとして登場。トニー・スタークをトニー・スカンクと読み間違えるという小ボケをかました。
本作より
ポスト・クレジット
今作のポスト・クレジットシーンは二本。
一本目の映像はバッキーの洗脳を完全に解くためにワカンダに訪れるというシーンである。ワカンダ王国がMCUに映像として登場したのはこれが初めてである。
ちなみにこのシーンは『ブラック・パンサー(2018)』のポスト・クレジットシーンに繋がり、そのあと『アベンジャーズ/インフィニティー・ウォー(2018)』に繫がる。
本作より
原作のワカンダ王国
二本目の映像はピーター・パーカーが自宅にて、トニーから送られたウェブシューターを起動すると天井にスパイダー・シグナルが映し出されるというものだ。
この映像は直接『スパイダー・マン:ホーム・カミング(2017)』へとつながるものとなっている。
本作より
原作のスパイダー・シグナル
次回予告
次回紹介する作品は
『ドクター・ストレンジ(2017)』
次回の記事もお楽しみに。
『アントマン(2015)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『アントマン(2015)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第12回の今回紹介するのはMCUフェイズ2の締めくくりとなるこの作品
『アントマン(2015)』
トリスケリオン
本作冒頭、1989年のワシントンD.C. ポトマック川沿いに『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』にも登場したS.H.I.E.L.D.の本部施設トリスケリオンが建造中の姿で登場する。
本作のトリスケリオン
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』のトリスケリオン
原作のトリスケリオン
設立初期のS.H.I.E.L.D.
1989年の建設中のトリスケリオン内のシーン。若き日のハンク・ピム、『アイアンマン2 (2010)』にも登場したトニー・スタークの父ハワード・スターク、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』『エージェント・カーター』にも登場したペギー・カーター、後にハイドラ党員だということが発覚するミッチェル・カーソンらが設立初期のS.H.I.E.L.D.の幹部として登場する。
1989年のハンク・ピム
本作の現代(2015)のハンク・ピム
1989年のハワード・スターク
『アイアンマン2 (2010)』のハワード・スターク
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』のハワード・スターク(ドミニク・クーパー)
1989年のペギー・カーター
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』
1989年のミッチェル・カーソン
本作の現代(2015)のミッチェル・カーソン
ちなみに、このシーンには『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』にも登場したアーニム・ゾラが登場する予定だったことがMCUのコンセプトアーティストであるジョシュ・ニジーによって公開された本作のコンセプトアートから判明した。
ジョシュ・ニジーによるコンセプトアート
ミルグロムホテル
スコットが自宅として使っているホテル。
ホテルの壁には『インクレディブル・ハルク(2008)』でブルース・バナーの働いていた工場で作られてるピンゴ・ドセというガラナの広告が貼られている。
『インクレディブル・ハルク(2008)』でブルース・バナー(ハルク)の血液が混入した事件を起こしたのに、発売停止になっていないということだろうか。
本作より
本作より
『インクレディブル・ハルク(2008)』のピンゴ・ドセ
ちなみに、ホテル名の由来となっているのはマーベルコミックスのアーティスト兼ライターであるアル・ミルグロムである。
アル・ミルグリム
ジャック・カービィ
スコットが31アイスクリームで働いている際、名乗っていた偽名はジャックである。
また、スコットが初めてアントマンのスーツを着るシーンで、ミルグロムホテルの別の階の住人が使っているのは『星のカービィ』の名前の由来とも言われている、実在の会社カービィ製の掃除機である。
このふたつの言葉を並べて読むとジャック・カービィとなる。これは原作コミックスでアントマンを始め数多くのキャラクターを描いてきた"キング"ことアーティストのジャック・カービィの名前にちなんだイースターエッグである。
名札に注目
メーカーロゴに注目
ジャック・カービィ
ギャレット・モリス
上記のスコットが初めてアントマンスーツを着るシーンで最後に車の上に落ちるが、この車の運転手を演じているのはギャレット・モリスというコメディアンである。彼は1979年のサタデーナイトライブでのコント内でアントマンを演じたことがあるため、本作にカメオ出演することになったと考えられる。
本作のギャレット・モリス
1979年のサタデーナイトライブでのコントでアントマンを演じるギャレット・モリス(画像中央)
ハンク・ピム
スコットの前にアントマンを名乗っていた人物。原作でもピムは初代アントマンであり他にもジャイアントマン、ゴライアス、下記のイエロージャケット、さらにはワスプなどいくつものヒーロー名を持つ。
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』に登場したウルトロンは原作ではピムが作り出したアンドロイドである。
また、原作のピムはウルトロンと融合していたこともある。
原作のハンク・ピム
ウルトロンと融合したハンク・ピム
ホープ・ヴァン・ダイン
先代のアントマンであるハンクとジャネットの娘。
元ネタは原作の平行世界、MC2ユニバース(Earth-982)のハンクとジャネットの娘でありレッド・クイーンと名乗るヴィラン。この世界での名前はホープ・ヴァン・ダインではなくホープ・ピム。
原作のホープ・ピム(レッド・クイーン)
ちなみに、原作でも2017年から新ワスプが登場。名前はナディア。実は初代アントマンであるハンク・ピムとその最初の妻であるマリアとの間にもうけられた子である。ナディアとはスラブ語で希望=ホープを意味し、実質ホープ・ヴァン・ダインを映画から原作コミックに逆輸入したキャラクターと言えるだろう。
あと、2018年からスタートしたシリーズでアートを担当しているのが何かと話題の『グウェンプール』などで知られている日本人イラストレーターユニットのグリヒルなので萌えキャラ感がかなり強めでめちゃくちゃ可愛い。
グリヒルの描くワスプ(ナディア)
キャシー・ラング
2代目アントマンことスコット・ラングとマギーの一人娘。
原作でのキャシー・ラングはスコットの後を追いスーパーヒーローになり、スタチュアというヒーローネームを名乗っている。また別次元のMC2(Earth-982)ではスティンガー、アルティメット・ユニバース(Earth-1610)ではジャイアント・ウーマン部隊を率いていた。
本作のキャシー・ラング
原作のキャシー・ラング(スタチュア)
MC2のキャシー・ラング(スティンガー)
アルティメット・ユニバースのキャシー・ラング(ジャイアント・ウーマン)
ミッチェル・カーソン
本作冒頭の1989年の映像に登場した創設初期からのS.H.I.E.L.D.幹部。しかし『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』の事件でS.H.I.L.D.内にハイドラ党員が潜入していることが明るみになり彼もその一員であることが判明する。
原作でのミッチェル・カーソンはハイドラ党員ではなくS.H.I.E.L.D.隊員である。
中央の人物が原作のミッチェル・カーソン
ダレン・クロス
ハンク・ピムの弟子でありピムをピムテックから追放し社名をクロス・テクノロジースに変更。ピムの作り出したピム粒子を模倣して開発したクロス粒子を搭載したイエロージャケットを軍事利用しようと目論む。
原作でのダレン・クロスは優秀な実業家であったが重い心臓病を患っており、それを克服するために埋め込んだ最新のペースメーカーの副作用で化け物のような見た目に変貌、超人的なパワーを手に入れた。
本作のダレン・クロス
原作のダレン・クロス
イエロー・ジャッケット
本作でのイエロージャッケットはダレン・クロスだが原作では初代アントマンであるハンク・ピムがイエロージャッケットを名乗っている。しかし、イエロージャッケットを名乗っている時のピムはウルトロンを作り出してしまったショックから生まれた別人格に心を支配されているため、普段のピムとは言動が全くの別人である。
本作のイエロージャッケット(ダレン・クロス)
原作のイエロージャッケット(ハンク・ピム)
イッツ・ア・スモールワールド
ルイスがクロス・テクノロジースに潜入する際、口笛で吹いているのはイッツ・ア・スモールワールドのテーマソングである。言うまでもないが、小さくなるアントマンの性質にかけたネタである。
本作より
ソコヴィア
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』での事件が新聞記事になっている。
本作より
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』より
新アベンジャーズ本部
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』の終盤に登場した新アベンジャーズ本部が本作でも登場。
ファルコンが登場し侵入したアントマンを捉えようとするが逃してしまう。彼らは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』にて再開しチームを組む事となる。
本作より
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』より
本作のアントマンとファルコン
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
テン・リングス
ミッチェル・カーソンの部下に一人として『アイアンマン(2008)』で登場したテロ組織テン・リングスのマークのタトゥを首に彫った人物が登場。ハイドラとテンリングスが癒着していることがこのことから分かる。
右の人物の首に注目
拡大
『アイアンマン(2008)』より
テン・リングスのマーク
スパイダーマン
本作の本編ラスト、ルイスがスコットにファルコンがアントマン(スコット)を探していると伝えるシーン。途中に登場する女性が「スイング(ウェブで)したり壁を登ったりする人がいる」という噂をしているがこれはスパイダーマンのことではないかと言われている。
スパイダーマンが初登場するのは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』で本作の直後と考えられるがスパイダーマンはそれより以前からヒーロー活動を行っていたことが『スパイダーマン:ホーム・カミング(2017)』にて明らかになったためこの説はかなり有力なものと言える。
本作より
今回のスタン・リー
本作ではスタンリーは上記のルイスの噂のシーンでバーテンダーに扮して登場する。
本作より
ポストクレジットシーン
本作ではエンドロール中とエンドロール後の二度、特別映像が流れる。
まずはピムが娘のホープに母親であるジャネットが装着していたワスプスーツの改良版をプレゼントするという映像。
新型のワスプスーツはホープが着ていた赤色から原作のものと同じ黄色に変更されている。
ホープのワスプは本作の続編にあたる『アントマン&ワスプ(2018)』にて登場することとなる。
新型のワスプスーツ
ジャネットのワスプスーツ
『アントマン&ワスプ(2018)』より
原作のワスプ(ジャネット・ヴァン・ダイン)
エンドロール後に流れる映像は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のワンシーンをそのまま使用している。
倉庫のような場所でサイバネティックアームを固定された状態のウィンターソルジャーを前にキャプテン・アメリカとファルコンが会話する映像。
上記の通りアントマンは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』にてキャプテン側のチームに所属することになります。このシーンでファルコンの言う"心当たりのある人物"とはアントマンのことであり、彼がキャップチームにリクルートされることを示唆している。
本作より
次回予告
次回解説するのは
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』
次回もお楽しみに
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第11回の今回紹介するのはこの作品
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』
マグネティックシールド
本作のキャプテン・アメリカのシールドは磁力を用いたギミックが搭載されている。
マグネティックシールドは原作にも登場する技術である。
本作より
原作より
バロン・フォン・ストラッカー
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』のポスト・クレジットシーンに登場したハイドラ党員。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』では描かれなかったキャプテン・アメリカとハイドラの戦いを描いたMCU準拠のゲーム『Captain America: Super Soldier(2011)』にも登場。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』のバロン・フォン・ストラッカー
本作のバロン・フォン・ストラッカー
しかし、ゲームの舞台は第二次大戦中の1940年台後半、あまりにも老けていなさすぎるというか、生きていることすらおかしく思える。原作のストラッカーは老化を遅らせる薬を摂取し第二次大戦時の姿を維持している。MCUでもこの設定が適応されているということだろうか。
ゲーム『Captain America: Super Soldier(2011)』のバロン・フォン・ストラッカー
また、原作のストラッカーは右手にデビルクロウという高電圧の電気ショックを発する万能義手をつけている。
原作のバロン・フォン・ストラッカー
ちなみに、本作でバロン・フォン・ストラッカーを演じたトーマス・クレッチマンは『スターリングラード(1993)』『戦場のピアニスト(2002)』『ヒトラー 〜最期の12日間〜(2004)』『ワルキューレ(2008)』など他にも多くの作品でドイツ軍人を演じている俳優である。
『スターリングラード(1993)』より
『戦場のピアニスト(2002)』より
『ワルキューレ(2008)』より
チタウリの技術
バロン・フォン・ストラッカーの研究施設には『アベンジャーズ(2012)』でNYに襲来したチタウリやリヴァイアサン、またS.H.I.E.L.D.が保管していたセプター(マインドストーン)が運び込まれており、その技術を流用し兵器開発を行っている。
本作のリヴァイアサン
本作のセプター
『アベンジャーズ(2012)』のセプター
チタウリスーツ
ストラッカーがチタウリの技術を流用して開発したパワードスーツ。『シビルウォー:キャプテン・アメリカ(2016)』のクロスボーンズ、『ルーク・ケイジ(2016)』のダイアモンドバック、『スパイダーマン:ホーム・カミング(2017)』のショッカースーツと同一規格上で製作されたものと考えられる。
本作のチタウリスーツ
ピエトロ・マキシモフ(クイック・シルバー)
バロン・フォン・ストラッカーがセプターを用いて高速移動能力を付与した被験体。
原作でのクイックシルバーはミュータントでありX-MENの宿敵であるマグニートーの息子である。
本作のクイック・シルバー
原作のクイック・シルバー
ちなみに、本作でクイック・シルバーを演じたアーロン・テイラー=ジョンソンは映画『キック・アス(2010)』で主人公であるキック・アスことデイヴ・リズースキーを演じていた俳優であり、『X-MEN:フューチャー&パスト(2014)』でクイック・シルバーを演じたエヴァン・ピーターズはデイヴの親友のトッドを演じていた役者であり続編『キック・アス/ジャスティス・フォーエヴァー(2013)』ではアス・キッカーを演じた。
『X-MEN:フューチャー&パスト(2014)』のクイック・シルバー
『キック・アス(2010)』より
左:エヴァン・ピーターズ 右:アーロン・テイラー=ジョンソン
『キック・アス(2010)』よりアーロン・テイラー=ジョンソン演じるキック・アス
『キック・アス/ジャスティス・フォーエヴァー(2013)』よりエヴァン・ピーターズ演じるアス・キッカー
ワンダ・マキシモフ(スカーレット・ウィッチ)
バロン・フォン・ストラッカーがセプターを用いてテレキネシスとマインドコントロール能力を付与した被験体。
原作でのスカーレット・ウィッチはピエトロ同様ミュータントでありマグニートーの娘である。
原作ではテレキネシスとマインドコントロールに加え確率操作能力も持ち合わせている。
本作のスカーレット・ウィッチ
原作のスカーレット・ウィッチ
ムジョルニア
アベンジャーズタワーにて、高潔な魂を持つものにしか持ち上げられないと言われているムジョルニアをパーティの余興としてアベンジャーズメンバーが持ち上げようとするシーンがある。
このシーンではバナーやトニーは持ち上げることができなかったがスティーブだけはムジョルニアをほんの少しだけズラすことに成功した。
本作より
ちなみに、原作コミックス『FEAR ITSELF#7 (2013)』ではキャプテン・アメリカムジョルニアを持ち上げるシーンがある。
『FEAR ITSELF#7 (2013)』
今回のスタン・リー
今回のスタンリーは第二次世界大戦の帰還兵として登場。
本作より
ウルトロン
トニー・スタークの作り出したアンドロイド。自我が暴走し人類を絶滅させることを目論む。ボディにはダイヤモンド以上に硬いとされる金属、ヴィヴラニウムが用いられている。
原作ではウルトロンの生みの親はトニー・スタークではなく初代アントマンのハンクピムである。
本作のウルトロン
原作のウルトロン
ピノキオ
本作でウルトロンは何度も「もう糸はついてない」「自由ってのは楽しいもんだぜ」と口ずさむ。これはディズニーアニメーション『ピオキオ(1940)』の劇中化「もう糸はいらない」の歌詞である。
本作より
映画『ピノキオ()』より「もう糸はいらない(原題:I've got no strings)」
クリムゾン・カウル
ピエトロとワンダがウルトロンのもとに訪れるシーンでウルトロンは赤い布を被っている。
これは原作にて、ウルトロンが身を隠していた際、赤いマントに身を包みクリムゾン・カウルと名乗っていた時期がありそのことに対するオマージュと考えられる。
本作より
原作のクリムゾン・カウル
ユリシーズ・クロウ
強奪、密輸を繰り返す闇の武器商人。本作では所持していた大量のヴィヴラニウムを引き渡すようウルトロンに交渉を迫られたが逆鱗に触れ右腕を切り落とされた。
ちなみに、クロウは『ブラックパンサー(2018)』にて、切り落とされた片腕にギミック付きの義手を取り付け再登場。
本作のユリシーズ・クロウ
Dr.ヘレン・チョ
アベンジャーズをサポートする科学者。
原作でのヘレン・チョはアマデウス・チョという少年の母親である。
アマデウス・チョは『シークレット・ウォーズ(2015)』以降のシリーズで知能を維持したままハルクになった。
本作のDr.ヘレン・チョ
原作のDr.ヘレン・チョ
原作のアマデウス・チョ(トータリー・オーサム・ハルク)
ヴィジョン
Dr.ヘレン・チョが作り出した人工整体ボディにJ.A.R.V.I.S.がアップロードされて誕生したヒューマノイド。額にはセプターから取り出されたマインドストーンが埋め込まれておりパワーの根源となっている。
ちなみにヴィジョンを演じているのはJ.A.R.V.I.S.の声を演じていたポール・ベタニーである。
本作のヴィジョン
ヴィジョンとJ.A.R.V.I.S.を演じているポール・ベタニー
"F.R.I.D.A.Y." "J.O.C.A.S.T.A." "T.A.D.A.S.H.I."
トニー・スタークがJ.A.R.V.I.S.が使用不可能になることを想定して用意しておいた予備のA.I.である。ちなみにこのA.I.たちと同名のキャラクターが原作にも登場する。
本作より
原作の"F.R.I.D.A.Y."は女性型A.I.でありホログラムの投影が可能である。
原作のF.R.I.D.A.Y.
原作の"J.O.C.A.S.T.A."(ジョカスタ)はウルトロンの作り出した女性型アンドロイドである。ウルトロンの生みの親であるハンク・ピムの妻であるワスプの脳波をコピーして作られたジョカスタはウルトロンとは違いコピー元のワスプから受け継いだ正義の心を持っており、ウルトロンに反逆しアベンジャーズに協力することとなった。
原作のジョカスタ
"T.A.D.A.S.H.I."(タダシ)とは本作の前年に公開されたアニメ映画『ベイマックス(2014)』の主人公ヒロ・ハマダの兄、タダシ・ハマダが元ネタと考えられる。
ちなみに原作コミックスでは主人公はヒロ・ハマダではなくヒロ・タカチホであり兄であるタダシ・ハマダも登場しない。
『ベイマックス(2014)』のタダシ・ハマダ
ハルク・バスター
対ハルク用に開発されたアーマー。『アイアンマン3 (2013)』に登場したイゴールアーマーの改良型と考えられる。
トニーとバナーが共同で開発したヴェロニカと呼ばれる人工衛星から射出され、通常のアイアンマンアーマーの上から着込む形で装着する。
ベロニカ
マーク43アーマー
ハルクバスター
ちなみにヴェロニカという人工生の名前は、アーチーコミックスという出版社の『ベティ&ヴェロニカ』というコミックスに由来し、『インクレディブル・ハルク(2008)』にも登場したブルース・バナー(ハルク)の恋人の名前がベティ・ロスであることにかけて付けられたと考えられる。
ベッティ&ヴェロニカのコミックス
ブルースの恋人のベティ・ロス
ちなみにアーチーコミックスは『リバーデイル』というタイトルで実写ドラマ化されており、その中にベティとヴェロニカも登場する。
『リバーデイル』のベティ&ヴェロニカ
キャメロン・クレイン
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』にてラムロウに逆らった勇敢なS.H.I.E.L.D.隊員。前作では名前のないキャラクターだったが本作ではキャメロン・クレインという役名を手に入れて再登場。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』より
ちなみに、キャメロン・クレインという名前のS.H.I.E.L.D.隊員は原作にも登場する。キャメロン・クレインの祖父であるスタン・クレインは第二次世界大戦時キャプテン・アメリカと戦いを共にした兵士である。
原作のキャメロン・クレイン
キャメロン・クレインの祖父、スタン・クレイン
ナサニエル・ピエトロ・バートン
クリント・バートン(ホークアイ)を守って命を落としたクイック・シルバー。クリントは妻であるローラとの間に生まれた子供のミドルネームに恩人であるピエトロの名前を付けた。
本作より
ポストクレジットシーン
本作のポストクレジットシーンはサノスがインフィニティガントレットに腕を通し、不敵な笑みを浮かべる映像である。
ちなみにスカーレット・ウィッチがソーに見せた悪夢にも四つのインフィニティストーンとインフィニティガントレットのようなものが写っている。
本作より
次回予告
次回紹介するのは
『アントマン(2015)』
次回もお楽しみに
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
記念すべき第10回の今回紹介するのはこの作品
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2014)』
ピーター・クイル(スターロード)
自称宇宙一のトレジャー・ハンター。1988年にヨンドゥ率いるラヴェジャーズによって誘拐された。
本作のスターロード
原作初期のスターロード
原作の近年のスターロード
ガモーラ
サノスの養女で暗殺者。ゼン・フーベリ人の最後の一人と書かれているが、これは間違いである。原作ではゼン・フーベリ人は全滅させられたがMCUではサノスによって半数が虐殺されたことが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』で描かれた。
本作のガモーラ
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』
ドラックス・ザ・デストロイヤー
妻子を殺したロナンに復讐を誓う怪力の戦士。
原作でのドラックス元はアーサー・ダグラスという地球人であった。
家族でドライブ中だった車をサノスによって攻撃され彼と妻は死亡。クロノスという宇宙超存在によってドラックスと呼ばれる人造戦士に魂を移され復活した。
また、『Annihilation(2009)』にてサノスの心臓を抉り取り、ついにその使命を果たした。
ちなみに、サノスの攻撃をかろうじて生き残った娘はサノスの父であるメンターのもとで育てられテレパスであるムーンドラゴンとなった。
本作のドラックス
原作のドラックス・ザ・デストロイヤー
原作のアーサー・ダグラスとその家族
『Annihilation(2009)』より
原作のムーンドラゴン
ロケット
遺伝子操作されたアライグマ。武器やガジェットに精通している。
データにはハーフ・ワールド出身と書かれているがこれは原作通りの設定である。原作に登場するハーフ・ワールドとは、退化した人類と高知能な動物と人型アンドロイドとが住む惑星である。
また、仲間の欄にグルートとライラと書かれている。ライラとはロケットと同じくハーフ・ワールド出身の知性を持ったカワウソでロケットの元恋人である。
ちなみにモーションキャプチャーでロケットを演じているのはブラッドリー・クーパーである。
本作のロケット
原作のロケット
原作のハーフ・ワールド
原作のライラ
グルート
木の人型宇宙人でグルートの相棒。
出身地が"X"となっているが、これは原作でのグルートの出身地であるプラネットXのことである。
原作でも「I am Groot.(私はグルート)」としか話せない設定は同じだが、実は登場初期の頃は普通に言葉を話せていた。
ちなみにモーションキャプチャーでグルートを演じているのはヴィン・ディーゼル。ヴィン・ディーゼルは来年公開のヴァリアントコミックス原作映画『ブラッド・ショット』で主人公のブラッドショットを演じることが決定している。
本作のグルート
原作のグルート
ヴィン・ディーゼルとグルート
原作のブラッド・ショット
ヨンドゥ・ウドンタ
ラヴェジャーズのリーダーでありクイルを地球から誘拐した張本人。
ヨンドゥは戦闘民族ケンタウリIV人の最後の生き残りである。ヨンドゥ以外のケンタウリIV人はバドゥーン人によって滅ぼされた。
原作のケンタウリIV人の特徴は青い肌と赤いモヒカンだが、MCUのヨンドゥのモヒカンは着脱可能であり、ヤカの弓という遠隔操作可能な武器のアンテナの役割を果たしている。本作で装着しているモヒカン(フィン)は小型だが次回作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』ではプロトタイプのフィンとして原作のモヒカンに近いデザインのものが登場する。
ちなみに原作でのヨンドゥはEarth-691と呼ばれる別次元の西暦3000のガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、別名ガーディアンズ3000のメンバーの一人である。ガーディアンズ3000は初代ラヴェジャーズとして次回作ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』にて登場。ヨンドゥもメンバーだったことが明かされる。
本作のヨンドゥ・ウドンタ
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』より
原作のヨンドゥ
原作のバドゥーン人
Earth-691のガーディアンズ・オブ・ギャラクシー、ガーディアンズ3000
ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』の初代ラヴェジャーズ
ロナン
ロナン・ジ・アキューザーと呼ばれるクリー帝国の法執行人。コズミックロッドと呼ばれるスレッジハンマー状の武器を持つ。
ヴィランではあるがクリー帝国の平和を第一と考えており、利害が一致すればヒーローとも共闘する。
本作ではドラックスの妻子を殺害したことになっているが彼曰く「記憶にない」とのこと。サイコである。
来年公開の『キャプテン・マーベル』にも再登場することが決定している。
本作のロナン
『キャプテン・マーベル(2019)』のロナン
原作のロナン
ネビュラ
サノスの養女でありガモーラの義妹。 姉のガモーラと共にサノスによって暗殺術を教え込まれたが、過酷な訓練によって全身を負傷しておりサイボーグ化を施している。
原作ではサノスに反旗を翻しインフィニティガントレットを手にしたことがある。
本作のネビュラ
原作のネビュラ
クイルの家族
本作でピーター・クイルの母メレディス・クイルを演じたローラ・ハドックは、同役で次回作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』に若い頃の姿で再登場する他『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』にキャプテンのファンとして登場。
また、クイルの祖父を演じたグレッグ・ヘンリーは『スリザー(2006)』や『スーパー!(2010)』など、本作の監督であるジェイムズ・ガンの作品ではお馴染みの俳優である。
本作のローラ・ハドック(メレディス・クイル)
次回作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』のローラ・ハドック(若い頃のメレディス・クイル)
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』より
本作のグレッグ・ヘンリー(クイルの祖父)
『スリザー(2006)』のグレッグ・ヘンリー
惑星モラグ
映画序盤、スターロードがオーブを盗み出そうとしていた惑星。モラグとは原作コミックスに登場するクリー族の元リーダーの名前に由来する。
本作のモラグ
原作のモラグ
Dr.ヴォン・スピアーズ
惑星モラグでスターロードが映し出したホログラムの犬は、本作の監督ジェームズ・ガンの愛犬Dr.ヴァン・スピアーズである。
本作より
ジェームズ・ガン監督とDr.ヴォン・スピアーズ
コルビナイト人
惑星モラグで馬のような骸骨が出てくるが、これは原作に登場するコルビナイト人のものではないかと言われている。
本作より
原作のコルビナイト人
ザンダー星
ノバ帝国の首都惑星であり非常に高度に発展した文明を有する。人間によく似た外見をしたザンダー星人、ピンクの肌をしたクリロア人、レイナー人など多種多様な種族が住んでいる。
原作のザンダー星はドームに覆われた四つの大陸がそれぞれチューブで接続された、コロニーが他の惑星である。
本作のザンダー星
原作のザンダー星
ノバ軍(ノヴァ・コーズ)
ザンダー星を中心としたノバ帝国の治安維持を目的とした軍隊。主にザンダー星人によって構成されている。
原作では、本作のノバ軍にあたるノヴァ・コーズと呼ばれる部隊が存在する。ノヴァ・コーズは様々な種族の宇宙人によって構成されている。
また、ノヴァ・コーズのメンバーは母性であるザンダー星のマザーコンピューターである"ワールドマインド"からノヴァ・フォースと呼ばれるパワーの供給を受けている。
また、ノヴァ・コーズにはコーズマン、ミレニアン、デナリアン、センチュリオン、プライムと呼ばれる階級が存在し階級が高くなるほどワールドマインドから供給されるノヴァ・フォースの量が上昇し、飛行能力やエネルギーブラストの照射などが可能になる。
ちなみに、ワールドマインドには歴代のノヴァ・コーズ隊員やザンダー星人達の知識(肉体から切除された脳みそが直接接続されている)を蓄積した意志を持った、バイオスーパーコンピューターである。
本作のノバ軍
原作のノヴァ・コーズ
原作のワールドマインド
ローマン・デイ
ザンダー星人のノバ軍の将校。ローマンとは階級名であり原作におけるミレニアンに当たると考えられる。度々連行されてくるクイルとは顔見知りであり、彼に早く更生するように説得している。
原作でのローマン・デイは地球人のリチャード・ライダーにノヴァ・フォースを与え地球人初のノヴァとして覚醒するきっかけを与えたキャラクターである。
本作のローマン・デイ
原作のローマンデイ
ガーサン・サアル
ローマン・デイの腹心の部下。
原作でのガーサン・サアルは、ワールドマインドに蓄積されたノヴァ・フォースの大半を吸収し最強のノヴァ・コーズ、スーパー・ノヴァとして覚醒したが、その強大なパワーをコントロールすることができず精神が崩壊、アベンジャーズのヴィランとなった。
ちなみにガーサン・サアルを演じたピーター・セラフィノウィッツはAmazonプライムで配信中のドラマ『The Tick / ティック~運命のスーパーヒーロー』で主人公のヒーロー、ティックを演じている。
本作のガーサン・サアル
原作のガーサン・サアル(スーパー・ノヴァ)
ピーター・セラフィノウィッツ(お茶目)
ドラマ『The Tick / ティック~運命のスーパーヒーロー』より
今回のスタン・リー
今回のスタン・リーはザンダー星で美女をナンパしている。ちなみに、よく見ると顔の横にスタン・リーの決まり文句である"Excesior!"(向上せよ!)と書かれている。
本作より
マー・ヴェル(キャプテン・マーベル)
ザンダー星のノヴァ軍基地でデスクに映し出されているホログラムは初代キャプテン・マーベルでクリー人のマー・ヴェルではないか、と言われている。
原作のマー・ヴェルは映画『キャプテン・マーベル』の主人公である二代目キャプテン・マーベル(元はミズ・マーベルという名前で活躍していた)であるキャロル・ダンバースの夫でもある。
本作より
原作のマー・ヴェル(初代キャプテン・マーベル)
ザ・ブローカー
ザンダー星でクイルがオーブを売ろうとしていた質屋。原作では奴隷売買を商売とする非常にマイナーなヴィランである。
本作のザ・ブローカー
原作のザ・ブローカー
ミラノ号
ガーディアンズの宇宙船ミラノ号の名前の由来は俳優で歌手のアリッサ・ミラノである。クイルがアリッサ・ミラノのファンという設定である。
本作のミラノ号
ベリート
ミラノ号に乗っていたことをクイルに忘れられていたクリロア人。ちなみに、彼女が着ているTシャツは幼少期のクイルがラヴェジャーズに誘拐された時に着ていたものである。
原作でのベリートはクリロア星では有名な映画監督である。ハルクを題材とした映画を監督したこともある。
本作のベリート
幼少期のクイル
原作のベリート
原作より
ジェームズ・ガン監督のカメオ出演
本作にはガン監督自身がサカー人兵の一人としてカメオ出演している。
ガン監督の演じるサカー人兵
ロブ・ゾンビ
ラヴェジャーズの戦艦エレクター号のコンピュータの声でカメオ出演しているのは映画監督であり音楽家であるロブ・ゾンビである。
ガン監督とロブ・ゾンビ
テイラー・ベイツ
ジェームズ・ガンやロブ・ゾンビの監督する作品の音楽を手掛けるプロデューサーであるテイラー・ベイツはラヴェジャーズのパイロットとしてカメオ出演している。
ラヴェジャーズのパイロットを演じるテイラー・ベイツ(画像中央)
テイラー・ベイツ
ロイド・カウフマン
低予算B級映画を多く制作している映画会社トロマ・エンターテインメントの創設者ロイド・カウフマンがキルン刑務所の囚人の一人としてカメオ出演している。
本作の監督であるジェームズ・ガンはトロマ・エンターテインメント出身であり、その恩返しとしてロイドを本作に出演させたのだろう。
ガン監督とロイド・カウフマン
ネイサン・フィリオン
青い肌の大柄の囚人の声を演じたのはネイサン・フィリオン。アニメ版グリーンランタンの声やジェームズ・ガン監督の『スーパー!(2010)』でホーリー・アベンジャーを演じていた俳優である。次回作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』ではワンダーマンを演じたらしいが出演シーンは本編では全てカットされた。
本作より
『スーパー!』よりホーリー・アベンジャー(画像中央)
原作のワンダーマン
コレクター
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)』のポスト・クレジットシーンに登場した貴重なものに対して異常な執着心を持った収集家。
クイル達にオーブはインフィニティ・ストーンの一つであるパワーストーンであること。世界には6つのインフィニティ・ストーンが存在することを教えた。
ちなみに彼は『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』登場するグランドマスターの兄弟である。
本作のコレクター
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)』のコレクター
原作のコレクター
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』のグランドマスター
インフィニティ・ストーンの一覧
セレスティアルズ
コレクターがクイル達に見せた映像の中に写っているのは、セレスティアルズと呼ばれる体調が600mを超える超存在である。また、この映像でセレスティアルがパワーストーンの力を使い滅ぼしている惑星は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』にも登場したサノスの故郷であるタイタンではないか、という噂がある。
本作のセレスティアルズ
原作のセレスティアルズ
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』のタイタン
ノーウェア
上記のセレスティアルズの一人エソン・ザ・サーチャーの死骸を利用したコロニーである。死骸を採掘し資源として利用しているほかコロニー内には、居住区、闇市、カジノ、コレクターの保管庫などが存在する。
本作のノーウェア
原作のノーウェア
コレクターのコレクション
コレクターのコレクションは貴重なアイテムや財宝に限らず、生物なども収集している。
・チタウリ
『アベンジャーズ(2012)』に登場した、NYに襲来した侵略宇宙人。
本作のチタウリ
『アベンジャーズ(2012)』のチタウリ
・フロスト・ジャイアント
『マイティ・ソー(2011)』に登場した、ヨトゥンヘイムに住む巨人族である。
本作より
『マイティ・ソー(2011)』より
・ダーク・エルフ
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)』に登場した、スヴァルトアールヴヘイムに住む種族。
本作のダーク・エルフ
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2013)』のダーク・エルフ
・コスモ
旧ソ連が宇宙開発実験で宇宙船に乗せ地球外に飛ばした犬であるが高知能でありテレパシーによって会話をすることができる。
本作のコスモ
原作のコスモ
・ベータ・レイ・ビル
こちらに背を向けて座っているのは、上記のコルビナイト人であるベータ・レイ・ビルというキャラクターではないか、と言われている。
ベータ・レイ・ビルとは原作に登場するソーの義兄弟である。ソーを二度負かしたが命を奪うことを拒み、その高潔さをオーディンに認められ、ムジョルニアと同等の力を持つストームブレイカーを与えられた。
ちなみにベータ・レイ・ビルは『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』でグランドマスターの塔のオブジェとして登場するためMCUにも存在ことが確定している。コレクターとグランドマスターは兄弟であるため、この倉庫にいるのがベータ・レイ・ビルだとしたら、グランドマスターのバトルロイヤルに出場していたベータ・レイ・ビルをコレクターが譲り受けたと考えることができる。
本作より
原作のベータ・レイ・ビル
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』より
・スラッグス
ジェームズ・ガンが監督した映画『スリザー(2006)』寄生生物である。
本作のスラッグス
・ハワード・ザ・ダック
人語を話すスーツを着たアヒルはハワード・ザ・ダックと呼ばれるキャラクターである。
次回作『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』にも登場。
ちなみに『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀(1986)』として以前にも実写化されている。
本作のハワード・ザ・ダック
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』
『ハワード・ザ・ダック/暗黒魔王の陰謀(1986)』より
原作のハワード・ザ・ダック(どう見てもドナルドダックである…)
次回予告
次回紹介するのは
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』
次回もお楽しみに。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第9回の今回紹介するのはこの作品
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』
ステルススーツ
本作で中盤まで使用された紺色を基調としたスーツ。右肩にはS.H.I.E.L.D.のマーク、左肩には星条旗がデザインされている。またヴィヴラニウムシールドの色も水色に変更されている。
本作より
このスーツの元ネタになっているのは、原作のシークレット・アベンジャーズに所属しキャプテン・アメリカ名を捨て、本名のスティーブ・ロジャーズとして活動していた頃のスーツである。
原作より
冒頭シークエンス
本作冒頭のS.H.I.E.L.D.の船舶レムリアン・スターでの潜入シークエンスは途中までMARVELの公式YouTubeチャンネルで視聴することができる。
ちなみに、船の名前になっているレムリアとは、原作コミックスに登場するアトランティスと対をなす古代文明である。過去の地殻変動によって現在は太平洋の海底に沈んでしまっている。
原作のレムリア
アトランティスの王ネイモア=サブマリナーとレムリア兵
ブロック・ラムロウ
S.H.I.E.L.D.の精鋭チームS.T.R.I.K.E.のリーダー。後にハイドラのメンバーということが明らかになる。
本作のラムロウ
また本作の終盤、トリスケリオン内でサム・ウィルソンと戦闘中、ヘリキャリアが建物に衝突し瓦礫の下敷きに。
この時、胸にクロス状のベルトを付けていることから、クロスボーンズとして再登場することが暗示されていた。
丸焦げになったラムロウ
次回作『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』にてクロスボーンズとして再登場を果たした。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のクロス・ボーンズ(ブロック・ラムロウ)
また先日、ブロック・ラムロウを演じたフランク・グリロが「どうせMCUに出演するのは最後になるから」という理由で『アベンジャーズ4 (仮)』にクロス・ボーンズがフラッシュバックとして登場することを認めた、という記事がネットメディアに掲載されたが、数日後グリロ本人が「からかっただけ」と訂正。実際に登場するかは『アベンジャーズ4』が公開されるまで謎となった。
原作コミックスでの初登場は『Captain America#359 (1968)』MCU版とは違いハイドラ所属ではないがレッドスカルに雇われていることが多い。また、雇い主であるレッドスカルの娘シンとは恋愛関係にある。
原作コミックスのクロスボーンズ
クロスボーンズとシン
『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』でキャプテン・アメリカが射殺された際、第一容疑者として逮捕される。しかし、後に犯人が別にいたことが判明。
『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』より
ジャック・ロリンズ
ブロック・ラムロウの右腕のS.T.R.I.K.E.隊員。ラムロウ同様ハイドラ隊員であることが後に判明する。
エレベーターでのキャプテンとS.T.R.I.K.E.隊員の1対10の戦闘シークエンス、通称"痴漢エレベーター"にも参戦。
本作のジャック・ロリンズ
原作のジャック・ロリンズは『Nick Fury V.S. S.H.I.E.L.D. #1 (1988)』のたった1話にだけ登場したキャラクターである。原作ではハイドラ隊員ではなくS.H.I.E.L.D.エージェントであり、ロクソン石油社に潜入していたが潜入がバレてしまい抹殺された。
原作のジャック・ロリンズ
また、本作でジャック・ロリンズを演じたカラン・マルヴェイは『バットマンVSスーパーマン:ジャスティスの誕生(2016)』でアナトリ・クナイゼフを演じていた俳優である。
『バットマンVSスーパーマン:ジャスティスの誕生(2016)』
パラシュート
パラシュート無しで降下するキャップを見てラムロウの右腕のジャック・ロリンズが驚くシーンがあるが、原作ではキャプテンがパラシュートを使わずに降下するのはお決まりとなっている。
本作より
原作より
ただアーティストや作品によっては普通に使用している場合もある。
ジョルジュ・バトロック
ハイドラに雇われたフランス系アルジェリア人傭兵。足技を主体とするフランス発祥の紳士の格闘技"サバット"を得意とする。
本作のジョルジュ・バトロック
原作では『Tales of Suspense#75 (1966)』にてキャプテン・アメリカのヴィランとして登場。バトロック・ザ・リーパーと呼ばれ、クロスボーンズと同様に雇われ傭兵である。自称"世界一の蹴り技の達人"。ヴィランではあるが、キャプテンがサメに食べられそうになった際に彼を助けたり。キャプテンを不意打ちで殺そうとした見方を止めたりと、非常に情に熱いキャラクターである。稀にキャプテンと共闘することも。
キャプテンの力に惚れ込み、純粋に一人の対戦相手として見ており、何度も勝負を挑んでいるがそのたびに返り討ちにされている。
原作のバトロック
サメに食べられそうになったキャプテン・アメリカを助けるバトロック『Captain America#360 (1968)』より
バトロックのキャプテン・アメリカに対するライバル心は正直言って異常であり、仲間のヴィランであるザランに「お前、あのアメリカ野郎(キャプテン・アメリカ)に惚れてんじゃねえか?w」と煽られる始末である。
『デス・オブ・キャプテン・アメリカ』の事件でキャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)が暗殺されたことを知ったバトロックは、ライバルを失った損失感から傭兵業を一時引退。
ウィンター・ソルジャーことバッキー・バーンズがキャプテンアメリカを襲名した際。彼が本当にキャプテン・アメリカを名乗るのにふさわしいのか確かめるため、仕舞い込んでいたコスチュームを再び身にまとい対決。激しい攻防の末、彼の腕を認め、キャプテン・アメリカを名乗ることを正式に認めた。(何様だよ)
『Captain America and Batroc#1 (2010)』よりバトロック対キャプテン・アメリカ(バッキー・バーンズ)
ちなみにバトロックはMARVELコミックスとDCコミックスのクロスオーバーイベント『AVENGERS/JLA#4 (2004)』にてバットマンの顔面に蹴りを入れたことでも有名である。
このあと普通にボコボコにされます『AVENGERS/JLA#4 (2004)』
また、本作でバトロックを演じたジョルジュ・サンピエール自身は総合格闘技UFCの2階級覇者である。
スティーブのリスト
『アベンジャーズ(2012)』の冒頭で第二次世界大戦下の1943年から現代に甦ったスティーブ・ロジャースは、自分が氷漬けになり眠っていた間のブランクを埋めるために知り合った人から、これは知っておいたほうがいいという文化や作品を教えてもらいリストにしている。
ちなみに、このリストの内容は公開された国によって少しずつ内容が異なっている。
アメリカ版
イギリス版
ナターシャのネックレス
本作でナターシャ・ロマノフ(ブラック・ウィドウ)は弓の形をしたネックレスを身につけている。弓といえば『アベンジャーズ(2012)』にも登場したホークアイだが、二人はS.H.I.E.L.D.のエージェントとして共に幾多のミッションをこなしてきた戦友であり、恋仲だったこともある。このことから、この弓の形をネックレスはおそらくホークアイからのプレゼントだと考えることができる。
本作より
『アベンジャーズ(2012)』より
ちなみに、現在ディズニーが独自に展開するビデオ・オンデマンドが2019年よりサービス開始を予定しており。そのVODのコンテンツとしてブラック・ウィドウを主人公としたドラマシリーズが製作中である。
また、その内容が『アベンジャーズ(2012)』以前を舞台としたブラック・ウィドウとホークアイのバディ物になるのではないかという噂がある。
原作でもブラック・ウィドウとホークアイは最高のバディであり恋人同士である。
原作より
アーニム・ゾラ
前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』に登場したスイス人のハイドラ科学者。
本作では6万メートルの磁気テープに意識を移し、巨大なコンピュータの姿で再登場。その後、自ら発射したミサイルの爆発に巻き込まれ消滅した。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』より
原作では体をサイボーグ化しており、胴体中央のモニターに顔が映し出され、本来顔のある場所にはカメラが付いている。
原作のアーニム・ゾラ
2016年にマーベルのコンセプトアーティスト、ジョシュ、ジニーによって『アントマン(2016)』の冒頭シーンに登場予定だったアーニム・ゾラのコンセプトアートが公開された。その姿はより原作に近いものとなっている。
『アントマン(2016)』の冒頭シーンは1989年なので前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』と本作の間の出来事である。
ジョシュ・ジニーによるコンセプトアート
"Shall we play a game?"
ナターシャがゾラのコンピューターを起動する際に"Shall we play a game?"と言う。これは映画『ウォー・ゲーム(1983)』で人工知能「ウォーパー」が主人公であるデビッドのPCの画面上に表示した文章である。
本作より
『ウォー・ゲーム(1983)』より
また、この映画では終盤、米軍の人工知能が暴走しICBM(大陸間弾道ミサイル)をソ連に発射しようとするシーンがあるが。本作で、アーニム・ゾラがキャプテン達のいる施設にミサイル攻撃を仕掛けた点と酷似している。
本作より
『ウォー・ゲーム(1983)』より
ちなみに『ウォー・ゲーム(1983)』の中で日本では三目並べ(さんもくならべ)や◯×(マルバツ)ゲームの名で親しまれているTIC-TAC-TOE(ティック・タック・トゥー)というゲームが重要な役割で登場することにちなんで。Googleの検索エンジンで"Shall we play a game?"と検索するとブラウザ上でTIC-TAC-TOEが遊べるというイースターエッグが存在する。
『ウォー・ゲーム(1983)』より
実際の画面
ジェスパー・シットウェル
『マイティ・ソー(2010)』で初登場し、本作冒頭で船舶レムリアン・スターでジョルジュ・バトロックの捕虜になっていたS.H.I.E.L.D.エージェント。本作でハイドラ隊員だったことが判明。
キャプテンに脅されインサイト計画の標的となる人物の名前を漏らした。その人物の中にはハルクとして知られるブルース・バナー。そしてドクタース・トレンジの名前があった。
しかしドクター・ストレンジの名前が知られるようになったのは少なくとも彼がヒーロー活動を始めた2016年以降なはず。時系列に矛盾が生じてくる。ファン達の間ではこの矛盾が『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』から『アベンジャーズ4(仮)』につながるキーになるのではないかという考察がされている。その考察の内容は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』の記事の中で説明しようと思うので今回はスルー。
『マイティ・ソー(2010)』より
本作より
『ドクター・ストレンジ(2017)』
スターン議員
『アイアンマン2 (2010)』に登場したスターン議員も本作でハイドラ党員であることが発覚する。『アイアンマン2 (2010)』で異様にアイアンマンを批判していたのもハイドラ党員だったということを踏まえると納得がいく。
ウィンター・ソルジャーとシールド
前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』でもバッキー・バーンズがキャプテン・アメリカの盾を持つシーンがあったが今作でもウィンター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)がキャプテン・アメリカの盾を持つシーンがある。
これは原作でスティーブの後を継いでバッキーがキャプテンの名を襲名した展開を踏襲しMCUでもバッキーがキャプテンになることへの伏線と考えることができる。
実際、キャプテン・アメリカ(スティーブ・ロジャース)役のクリス・エヴァンスとディズニーとの契約が『アベンジャーズ4(仮)』で切れることを考えると現実的と言える。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』より
本作より
原作のキャプテン・アメリカ(バッキー・バーンズ)
ニック・フューリーの眼
ニック・フューリーの特徴といえばアイパッチだが、本作ではまだ片目を失っていない頃のフューリーの写真を見ることができる。
本作より
来年公開の『キャプテン・マーベル(2019)』に登場する90年代の若かりし頃のフューリーもまだ片目を失っていない。『キャプテン・マーベル(2019)』でフューリーが片目を失った出来事が描かれるのではないか、とファンたちの間では噂されているが、どうなるのだろうか。
『キャプテン・マーベル(2019)』のスチル
トリスケリオン
ワシントンD.C.のリンカーン記念堂のすぐ横に建つS.H.I.E.L.D.の本拠地。地下には広大なハンガーが存在し『アベンジャーズ(2012)』に登場したヘリキャリアの改良型が3隻格納されている。
本作より
原作では別次元であるアルティメットユニバースでS.H.I.E.L.D.の本部として登場。『シークレット・ウォーズ』によって平行世界が衝突した影響でメインの次元であるEarth-616にも出現。3つの棟それぞれにS.H.I.E.L.D.、アベンジャーズ、アルファフライト(元はカナダ発のヒーローチーム)、のフロアが存在する。
原作より
また、あるエピソードでは建物自体が飛行したこともあった。
アレクサンダー・ピアース
S.H.I.E.L.D.長官であり本作の黒幕。
本作より
原作のアレクサンダー・ピアースはS.H.I.E.L.D.隊員でフューリーの腹心の部下である。
原作より
世界安全保障委員会
『アベンジャーズ(2012)』にも登場したS.H.I.E.L.D.を管理する組織。
『アベンジャーズ(2012)』より
本作より
この組織の中国人の役員イェンを演じるチン・ハンは『ダークナイト(2008)』でラウ『ゴースト・イン・ザ・シェル(2017)』でトグサを演じていた俳優である。ちなみに本人は中国人ではなくシンガポール人。
『ダークナイト(2008)』より
『ゴースト・イン・ザ・シェル(2017)』より
スミソニアン博物館の音声案内
スミソニアン博物館のキャプテンアメリカの展示で流れている音声案内としてドラマ『CSI:NY』の主任マック・テイラー役などで知られるゲイリー・シニーズが声のみのカメオ出演をしている。
本作より
ハウリング・コマンドーズ
また、スミソニアン博物館にはキャプテン・アメリカと共に本作でウィンター・ソルジャーとして登場したバッキーと前作『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2009)』に登場したハウリング・コマンドーズの衣装のレプリカも展示されている。
本作より
『エージェント・オブ・シールド』S1とのクロスオーバー
マーベルのドラマ『エージェント・オブ・シールド』のシーズン1-16話『終わりの始まり』と17話『疑いの連鎖』は本作とのクロスオーバーエピソードとなっておりドラマ側でもS.H.I.E.L.D.内に潜んでいたハイドラ党員が一斉に反乱を開始する。
今回のスタンリー
今回のスタンリーはスミソニアン博物館の警備員として登場。
レプリカスーツ
スミソニアン博物館に展示されていたマネキンに着せられていたレプリカスーツ。
見た目こそ『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』のクラシック・スーツを再現してあるが防弾性能などは備わっていない。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』より
新型ヘリキャリア
『アベンジャーズ(2012)』にも登場したS.H.I.E.L.D.の飛行母艦の改良型『アベンジャーズ(2012)』では4基のタービンの力によって浮上していたが、本作に登場した改良型にはトニー・スタークのリパルサーの技術が応用されている。
本作より
インサイト計画
インサイト計画によって『アイアンマン3 (2013)』にも登場したマシュー・エリス大統領やアベンジャーズタワーに居るトニー・スターク(アイアンマン)が標的にされる。
『アイアンマン3 (2013)』よりマシュー・エリス大統領
本作より
ジョー・ルッソ監督
本作の監督の一人であるジョー・ルッソがS.H.I.E.L.D.の医者、ドクター・ファインとしてカメオ出演している。
ナターシャの手当てをしているのがジョー・ルッソ監督
エド・ブルベイカー
本作の原案とされている同名の原作コミックス他キャプテン・アメリカのコミックスのライターとして知られるエド・ブルベイカーも本作にカメオ出演している。
アレクサンダー・ピアースの左に立つメガネの男性がエド・ブルベイカー
フューリーの墓石
本作で死んだことになったニック・フューリーの墓石には旧約聖書"エゼキエル書"25章17節の一節が刻まれている。これは本作でニック・フューリーを演じているサミュエル・L・ジャクソンが、映画『パルプ・フィクション(1994)』で演じていた殺し屋ジュールスが、人を殺す前に必ず暗唱する聖書の一節であり『パルプ・フィクション(1994)』の公開20周年を記念した、スタッフのお遊びだったとのこと。
本作より
『パルプ・フィクション(1994)』
ちなみに、殺し屋ジュールスの唱えるこの一節は、実際の"エゼキエル書"25章17節の内容とは一部異なる。実は実際の一節の前に『パルプ・フィクション(1994)』の監督であるタランティーノが敬愛する千葉真一の主演映画『ボディーガード牙(1976)』のアメリカ版でのみ冒頭で流れる序文の一部が引用されている。
死に瀕した人間にデタラメな聖書の一節を説き伏せ、命乞いをさせるというタランティーノらしい毒の効いたブラックジョークである。
『ボディーガード牙(1976)』の序文
ポスト・クレジットシーン
本作のポストクレジットシーンは2本立てと非常に豪華な内容になっている。
まずはスティーブが映画中盤に訪れていたスミソニアン博物館にバッキーが訪れキャプテンや自分の展示を目の当たりにするというシーン。
もう一つはハイドラの施設でバロン・フォン・ストラッカーがクイックシルバー(ピエトロ・マキシモフ)とスカーレット・ウィッチ(ワンダ・マキシモフ)を見つめながら野望を語るというシーン。このシーンは直接『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』の冒頭に繋がる。
次回予告
次回紹介するのは
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』
次回もお楽しみに。