『アベンジャーズ(2012)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『アベンジャーズ(2012)を含む、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第6回の今回紹介するのはMCUフェイズ1の集大成となるこの作品
『アベンジャーズ(2012)』
二つのインフィニティ・ストーン
本作にはインフィニティ・ストーンを内包したアイテムが二つ登場する。一つは『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』にも登場した四次元キューブ。もう一つはセプター(ロキの杖)だ。
四次元キューブ
セプター
四次元キューブは空間を司るスペースストーン。セプターは精神を司るマインドストーンと呼ばれるインフィニティ・ストーンを内包している。
ブルース・バナー
本作では『インクレディブル・ハルク(2008)』でブルース・バナーを演じていたエドワード・ノートンは降板し代わりにマーク・ラファロがブルース・バナーを演じているのだが、あまりにも似ていなさすぎて混乱を招いた。
『インクレディブル・ハルク(2008)』よりエドワード・ノートン演じるブルース・バナー
本作でブルース・バナーを演じたマーク・ラファロ
ブラック・サバス
本作でトニー・スタークはブラック・サバスの1978年のツアーTシャツを着ている。ちなみにブラック・サバスにはアイアンマンという曲があり『アイアンマン(2008)』では劇中歌及びエンドロールで使用された。
本作より
チタウリ
次元の裂け目から現れた侵略宇宙人。
本作のチタウリ
原作のチタウリ
原作では、チタウリはアルティメットユニバースと呼ばれるマーベル世界の別次元におけるスクラル人である。スクラル人とは『キャプテン・マーベル(2018)』に登場することが決まっている、擬態とコピー能力を持った侵略宇宙人である。
『キャプテン・マーベル(2018)』ティザー・イメージより
原作のスクラル人
若い警官
画像右の若い警官を演じるエンヴィア・リーフ・ジョカイはドラマ『エージェント・カーター』でS.H.I.E.L.D.の前身にあたる組織S.S.R.のエージェントであるダニエル・スーザを演じている。もしかしたらこの若い警官はダニエル・スーザの孫なのかもしれない。
本作
『エージェント・カーター』よりダニエル・スーザ
世界安全保障委員会
S.H.I.E.L.D.を管理する組織。チタウリによる侵略を終結させるためにNYに核攻撃するようフューリーに指示する。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』に再登場。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』より
ちなみに、中央のモニターに映っているギデオン・マリック(パワーズ・ブース)は『エージェント・オブ・シールド』シーズン3-エピソード15に再登場。ある事実が判明する。
ギャラガ
ヘリキャリアのS.H.I.E.L.Dエージェントが隠れてプレイしているゲームは『ギャラガ』。
本作
『ギャラガ』はナムコが1981年に発売したゲーム。宇宙人が攻めてくるという内容が本作と一致している他、チタウリの母艦の形がボスギャラガの形に微妙に似せた物になっている。
本作より
デストロイヤーキャノン
ロキを撃退するためにコールソンが持ち出した武器はデストロイヤーキャノンと呼ばれており『マイティ・ソー(2011)』に登場したデストロイヤーの技術を応用したものである。
本作
『マイティ・ソー(2011)』より
エイリアンか?
空から降ってきたブルース・バナーに対し「エイリアンか?」と尋ねた警備員。彼は映画『エイリアン(1979)』で船員のブレットを演じたハリー・ディーン・スタントンだ。
本作
『エイリアン(1979)』より
今回のスタン・リー
今回のスタン・リーはアベンジャーズについてインタビューを受け彼らを賞賛する老人として登場。
アベンジャーズタワー
チタウリとの戦いによりボロボロになったスタークタワー。ロゴの文字が破壊されアベンジャーズのシンボルマークである"A"のみに。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2016)』で再び登場した際にはアベンジャーズの本拠地"アベンジャーズタワー"になっていた。
本作より
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2016)』より
サノス
エンドクレジット中盤に挿入された映像でサノスが登場。
ポスト・クレジットシーン
本作のエンドロール後のおまけ映像はNYでの戦闘を終えたアベンジャーズのメンバーが気まずそうにシャワルマ(メキシコ料理)を食べるシーンだ。
ちなみに、このシャワルマ屋の外観は劇中でも一瞬映っている。
次回予告
次回解説するのは
『アイアンマン3 (2013)』
次回の記事
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
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当記事は『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』を含む、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第5回の今回紹介するのは。
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』
ユグドラシル
1942年の3月ヨハン・シュミットがコズミック・キューブを強奪したノルウェーコステンベルグの寺院の壁画。そこに描かれているのは『マイティ・ソー(2011)』に登場した世界樹ユグドラシルだ。
本作より
『マイティ・ソー(2011)』より
ヒューマントーチ
1943年の1月1日に行われた万国博覧会のシーン。透明のポッドの中に赤いスーツを着たマネキンのようなものが立っているシーンがある。これは原作に登場するアンドロイド、ヒューマン・トーチ(ジム・ハモンド)である。
本作より
原作のヒューマン・トーチ(ジム・ハモンド)
ポッドも原作のオマージュとなっている(Marvelsより)
ヒューマン・トーチ(ジム・ハモンド)はアンドロイドでありファンタスティック・フォーのヒューマン・トーチ(ジョニー・ストーム)とは別人である。
ファンタスティック・フォーのヒューマン・トーチ(ジョニー・ストーム)
ちなみに本作でキャプテン・アメリカを演じたクリス・エヴァンスは『ファンタスティック・フォー 超能力ユニット』『ファンタスティック・フォー 銀河の危機』でジョニー・ストームの方のヒューマン・トーチを演じていた。
『ファンタスティック・フォー 超能力ユニット(2005)』より
スーパーソルジャー計画
スティーブ・ロジャースをキャプテン・アメリカへと変えた超人化計画。『インクレディブル・ハルク』で行われていたのはこのスーパーソルジャー計画の再現実験である。
本作より
『インクレディブル・ハルク(2010)』より
キャプテンアメリカのコスチューム
本作でキャプテンアメリカは三種類のスーツを着る。
国際の販売促進ショーで着ていたアーミー・マスコットスーツは頭に羽根飾りが付いていることや、盾の形などが原作の最初期のスーツに似せてデザインされてる。
またショーの中でヒトラーを殴るパフォーマンスがあるがこれは『Captain America Comics#1 (1941)』のカバーアートのオマージュとなっている。
本作より
『Captain America Comics#1 (1941)』より
ハイドラに囚われた捕虜の解放に向かった際のコスチューム。アーミー・マスコットスーツの上からジャケットを羽織っただけではあるが原作のアルティメット・ユニバースで第二次世界大戦の際に着ていたコスチュームのオマージュとなっている。
本作より
原作コミックス『Ultimets』より
トニー・スターク(アイアンマン)の父、ハワード・スタークによって作られたスーツでは頭の羽根飾りがプリントとなっている。また、この時からシールドがヴィヴラニウム製のラウンド(円形)シールドに変わった。
本作より
イラストレーター
スティーブがノートに猿に模した自分のイラストを描くシーンがある。原作ではスティーブ・ロジャーズはイラストレーターをしていた時期がある。
本作より
原作より
アーニム・ゾラ
スイス人の天才科学者原作では体をサイボーグ化しており、胴体中央のモニターに顔が映し出され、本来顔のある場所にはカメラが付いている。
本作より
原作のアーニム・ゾラ
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』では6万メートルの磁気テープに意識を移し巨大なコンピュータの姿で再登場。その後自ら発射したミサイルの爆発に巻き込まれ消滅した。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』より
2016年にマーベルのコンセプトアーティスト、ジョシュ・ニジーによって『アントマン(2015)』の冒頭シーンに登場予定だったアーニム・ゾラのコンセプトアートが公開された。その姿はより原作に近いものとなっている。
『アントマン(2016)』の冒頭シーンは1989年なので本作と『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』の間の出来事である。
ジョシュ・ニジーによるコンセプトアート
ちなみに原作準拠のアンドロイドボディの設計図が本作に一瞬だけ映り込んでいる。
本作より
スターロードの母?
キャプテン・アメリカに握手を求める女性を演じたのはローラ・ハドック。『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』でピーター・クイル(スターロード)の母、メレディス・クイルを演じていた女優。
本作の時代は1943年、メレディス・クイルの生きていた時代とは重ならないのでただのキャスティングかぶりと考えられる。もしくは、本作に登場したのはメレディスの母でピーター・クイルの祖母という考え方をするのも面白いかもしれない。
本作より
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』より
ハウリング・コマンドーズ
ハイドラの捕虜となっていたところをキャプテン・アメリカに助け出され行動を共にすることになった精鋭達。左からダム・ダム・デューガン、ジャック・デルニエ、ジム・モリタ、ジェームズ・モントゴメリー・ファルスワース、ゲイブ・ジョーンズ。
ジム・モリタは『スパイダーマン:ホームカミング(2017)』でピーター・パーカーの通うミッドタウン高校の校長、モリタの祖父である。祖父がキャプテン・アメリカと共に戦っていたことを誇りに思っているからか『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2015)』で世間から戦犯扱いを受けているキャプテン・アメリカの登場する教育ビデオの使用を続けている。
祖父、孫共にケネス・チョイが演じている。
モリタ校長
ジェームズ・モントゴメリー・ファルスワースは原作ではユニオン・ジャックというイギリスの国旗を模したスーツを着たヒーロである。また、キャプテン・アメリカ、バッキー・バーンズ、ヒューマン・トーチ、サブマリナーなどが所属するインベーダーズのメンバーだったことがある。
分かりにくいが、本作のモントゴメリーの軍服はポケットとベルトでユニオンジャックの柄に見えるようにデザインされている。
本作より
ゲイブ・ジョーンズはドラマ『エージェント・オブ・シールド』に登場するS.H.E.L.D.エージェント、アントニー・トリプレットの祖父である。
『エージェント・オブ・シールド』より
『キャプテン・アメリカ:ウィンター・ソルジャー(2015)』ではスミソニアン博物館にキャプテンアメリカのスーツのレプリカと共に展示されていた。
またドラマ『エージェント・カーター』では再登場を果たし、ペギー・カーターに加勢した。
メンインブラック
爆弾を積んだ大型戦闘機ワルキューレをチェスター・フィリップス(トミーリー・ジョーンズ)の運転する車で追いかけるシーン。ニトロボタンを押してブーストをかけるのだが、これはトミーリー・ジョーンズの出演している『メン・イン・ブラック(1997)』のオマージュである。
本作
『メン・イン・ブラック(1997)』
レッドスカルのその後
四次元キューブの力によって異次元に飛ばされたレッドスカル。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』で再登場し、宇宙の果ての惑星ヴァーミアで霊体となり生き続けていたことが明かされた。
本作より
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』
今回のスタン・リー
今回は叙勲式のシーンで登場。スティーブ・ロジャースが登壇しないことを伝えに来た職員をキャプテン・アメリカと勘違いし、隣に座る男性に「意外と小柄だ」と言う。
次回予告
次回解説するのは
『アベンジャーズ(2012)』
次回の記事
『マイティ・ソー(2011)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『マイティ・ソー(2011)』を含む、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第4回の今回紹介するのは。
『マイティ・ソー(2011)』
ヘルメット
序盤でだけ被っていた羽根飾りのついたヘルメット。映画ではその後被ることは無いが、原作ではヘルメットを被っていることの方が多い。
本作より
原作より
MCUの原点とされている『アルティメッツ』ではソーはヘルメットを被っていない。このことから映画ではヘルメットを被っていない状態がデフォルトになったと考えられる。
原作コミックス『アルティメッツ』より
ちなみに、シリーズ3作目の『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』では別デザインの羽根飾りのついたヘルメットが登場する。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』
ウォーリアーズ・スリーとシフ
ソーと共に幾多の戦いを生き抜いてきた戦友。左からヴォルスタッグ、シフ、ファンドラル、ホーガン。
本作より
ヴォルスタッグを演じるレイ・スティーヴンソンは『パニッシャー:ウォー・ゾーン(2008)』でパニッシャー(フランク・キャッスル)を演じていた俳優だ。
『パニッシャー:ウォー・ゾーン(2008)』
ファンドラルを演じたジョシュア・ダラスは次作に当たる『マイティ・ソー/ダーク・ワールド』では『ワンス・アポン・ア・タイム』の撮影のため降板。ファンドラルを演じたのは本作が最初で最後である。
今作でファンドラルを演じたジョシュア・ダラス
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2014)』以降は『塔の上のラプンツェル』でフリンを演じたザッカリー・リーヴァイが演じることになった。
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2014)』からファンドラルを演じるザッカリー・リーヴァイ
ちなみにザッカリーは来年公開予定のDCコミックス原作の映画『シャザム!(2019)』で主人公シャザムを演じることが決定している。
『シャザム!(2019)』
宝物庫のアイテム
アスガルドの宝物庫に安置されていたアイテム。左からインフィニティ・ガントレット、生命と時間の石板、アガモットの眼、永延なる炎、ウォーロックの眼。
インフィニティ・ガントレット
インフィニティ・ストーンが全てはめ込まれた状態だが『マイティ・ソー/バトル・ロイヤル(2017)』でレプリカということが判明する。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』より
原作のインフィニティ・ガントレット
生命と時間の石板
原作の生命と時間の石板
アガモットの眼
『ドクター・ストレンジ(2016)』に登場したものとは形状が異なるが、これもレプリカと考えられる。
『ドクター・ストレンジ(2016)』のアガモットの眼
原作のアガモットの眼
延々なる炎
このアイテムも『マイティ・ソー/バトルロイヤル』で再登場。ヘラがフェンリルとアスガルド兵、ロキがサーターを蘇らせるのに使われた。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル』より
原作の永延の炎
ニューメキシコに落ちたムジョルニア
前作『アイアンマン2 (2010)』のポストクレジットシーンでニューメキシコに落ちクレーターを作ったムジョルニア。
今回のスタン・リーのカメオ出演はこのシーン。ムジョルニアに鎖を括り付けトラックで引き抜こうとした老人がスタン・リーだ。
このシーンにカメオ出演しているコミックアーティストはスタン・リーだけではない。ムジョルニアを一番最初に発見し持ち上げようとしたこの男性、原作コミック『Thor』のライターを2007年から2009年まで務めたマイケル・ストランジスキだ。
Thor(2007-2011)Vol.1
Journey Into Mystery
またこのニューメキシコのシーンで「Journey Into Mystery...」と書かれた看板が映る。『Journey Into Mystery.』とはソーが初めて登場したコミックスのタイトルだ。
『Journey Into Mystery#83 (1952)』
ガンマ線研究者
セルヴィグ博士がジェーン達に「知り合いのガンマ線研究者がS.H.I.E.L.D.と仕事をしている」と話すシーンがある。このガンマ線研究者とは『インクレディブル・ハルク(2008)』のブルース・バナーのことではないかと予想することができる。
デストロイヤー
アスガルドの宝物庫を襲撃したフロストジャイアント達を撃退。ソーの抹殺を狙うロキにより地球に送り込まれたがソーとウォーリアーズ・スリーによって破壊された。
また、デストロイヤーを見たS.H.I.E.L.D.隊員が「スタークの物か?」というシーンがある。
映画のその後を描く『アベンジャーズ:プレリュード』では破壊されたデストロイヤーはS.H.I.E.L.D.によって回収されたことが判明。『アベンジャーズ(2012)』でロキを撃退するためにコールソンが持ち出したデストロイヤーキャノンはデストロイヤーの技術を転用した武器だ。
『アベンジャーズ:プレリュード フューリーズ・ビッグウィーク』より
『アベンジャーズ(2012)』より
ドラマ『エージェント・オブ・シールド』にも登場
ジェスパー・シットウェル
本作で何度か映り込んでいたS.H.I.E.L.D.エージェント。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』『エージェント・オブ・シールド』にも登場。『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』である事実が判明することになる。
本作より
『アベンジャーズ(2012)』より
ドナルド・ブレイク
ジェーンがソーに貸した昔交際していた男性の着ていた服。そこに貼り付けてあったネームタグに書かれた名前。ドナルド・ブレイクとは原作でソーが人間界で転生した際の名前だ。原作のソーは神の姿とこのドナルドの姿を使い分けていた。
本作より
偽造IDもドナルド・ブレイク名義
原作より
ドナルド・ブレイクの姿の時は右足に生まれつき障害を持っているのでムジョルニアを杖に変化させて持ち歩いている。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』でムジョルニアを傘に変化させていたのはこれに対するオマージュと考えられる。
ホークアイ
アベンジャーズのメンバー、ホークアイは本作で初登場。しかしノンクレジットでの登場だったためファンは武器の弓矢からホークアイだと予想するしかなかった。
本作より
ユグドラシル
ソーはジェーンにこの世界はユグドラシルと呼ばれる世界樹の幹と枝であり9つの世界が存在すると説明する。
本作より
9つの世界
アスガルド
神々の世界、ソーたちがいたのはここ。
ミッドガルド
我々が生きる世界。ソーはオーディンの怒りを買いこの世界に追放された。
ヨトゥンヘイム
フロストジャイアントの住む世界。
ヴァナヘイム
ウォーリアーズ・スリーのホーガンの故郷である世界。次回作『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2014)』の序盤に登場。
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2014)』より
スヴァルトアールヴヘイム
ダークエルフの住む世界。こちらも次回作に登場。
『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2014)』より
ニヴルヘイム
死者の世界シリーズ三作目『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』に登場したヘル(地獄)がMCUにおけるニヴルヘイムではないかという指摘がある。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』より
ムスペルヘイム
炎の悪魔が住む世界。こちら『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』に登場。スルトが治めている。『マイティ・ソー/ダーク・ワールド(2014)』でも9つの世界が直列するシーンで一瞬だけ登場。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』より
ニダベリア
鍛冶屋の種族、ドワーフの住む世界。『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』で登場。
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』
アールヴヘイム
ライトエルフの住む世界。MCUでは未登場。
原作のアールヴヘイム
ポスト・クレジットシーン
ジェーンの同僚であるセルヴィグ博士にフューリーが四次元キューブの研究を依頼する。しかし博士は既にこの時ロキに洗脳された状態であり『アベンジャーズ(2012)』につながる伏線になっている。
本作より
テッセラクト(四次元キューブ)
青白く輝く立方体の形をしたインフィニティ・ストーンのうちの一つ。『アイアンマン2 (2010)』でトニー・スタークの父、ハワードが研究していたことが明らかになった他『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』『アベンジャーズ(2012)』でも重要な役割を果たす。
次回予告
次回解説するのは
『キャップテン・アメリカ/ザ・ファーストアベンジャー(2011)』
次回の記事
『アイアンマン2 (2010)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に向け、今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『アイアンマン2 (2010)』を含む、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第三回の今回、紹介するのは
『アイアンマン2 (2010)』
ウィップラッシュ
本作の、メインヴィラン。二本のウィップ(鞭)を使ってアイアンマンを苦しめる。
ウィップラッシュMk-I
ウィップラッシュMk-II
本作ではイアン・ヴァンコという名前だが、これは映画オリジナルの設定。原作ではマーク・スカロッティが初代。リーアン・フォアマンが二代目である。
原作のマーク・スカロッティ
スカロッティはドラマ『エージェント・オブ・シールド』シーズン2-6話『スプリンター爆弾』に登場。
紐の先にナイフを括り付けたものを使いS.H.I.E.L.D.のエージェント・メイと対決。見事な鞭術を披露している。
本作の序盤に登場したイアンの父アントン・ヴァンコは原作ではクリムゾン・ダイナモとして登場。後にウィップラッシュの名前とスーツを受け継いでいたことがある。
本作より
クリムゾン・ダイナモスーツ
アントン・ヴァンコのウィプラッシュスーツ
ちなみに、まだスターク・インダストリーズから追放される前の若い頃のアントンがドラマ『エージェント・カーター』シーズン1-1話『キャプテン・アメリカの恋人』に登場している。
名札に注目
またイアン・ヴァンコが違法入国する際に使っていたパスポート、そこに書かれた偽名ボリス・ツルゲーネフとは二代目クリムゾン・ダイナモの名前だ。
本作より
ジャスティン・ハマー
ハマーインダストリーズのCEO。『アイアンマン3 (2013)』のBlu-rayに収録されているMARVELワンショット『王は俺だ』で囚人服姿で再登場する。
本作より
MARVELワンショット『王は俺だ』より
またNetflixドラマ『ルーク・ケイジ』に登場する硬質なルーク・ケイジの肉体にも有効な銃弾「ユダ」はチタウリのテクノロジーを利用したハマー社製の兵器である。
また、同作に登場するダイアモンドバックのスーツもハマー社製。「ユダ」にチタウリの技術が利用されていたことなどから、ハマー社はハイドラと『スパイダーマン: ホーム・カミング(2017)』に登場したトゥームスの組織と繋がっていたことが伺える。
このことから『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』に登場したハイドラのチタウリ・アーマー、『シビルウォー: キャプテン・アメリカ(2016)』に登場したクロス・ボーンズ、『ルーク・ケイジ(2016)』に登場したダイアモンド・バック、『スパイダーマン: ホーム・カミング(2017)』に登場したショッカーのスーツは、強烈なパンチを繰り出すスーツという点で共通していることも踏まえて。それぞれ同一の計画の中で作られたスーツではないかと考察することができる。(実際にショッカーのガントレットはクロスボーンズのガントレットの流用だと言われている)
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)『シビルウォー: キャプテン・アメリカ(2016)』
チタウリ・アーマー クロス・ボーンズ
『ルーク・ケイジ(2016)』 『スパイダーマン: ホーム・カミング(2017)』
ダイアモンド・バック ショッカー
ウォー・マシーン(ローディ)
本作から晴れてウォー・マシーンになったローディ。しかし演じている俳優はテレンス・ハワードからドン・チードルに変更となった。変更になったのはテレンス・ハワードとスタジオがギャラでもめたのが原因とのこと。
『アイアンマン(2008)』よりテレンス・ハワード演じるローディ
本作よりドン・チードル演じるウォー・マシーン(ローディ)
モナコグランプリ
トニー・スタークの前にイアン・ヴァンコが初めて姿を表すこのシーンにも多くの小ネタが隠されている。
三代目ユニオン・ジャック
モナコグランプリのレース出場者の中にイギリス代表のチャップマンという名前がある。これは原作に登場するキャラクター、ユニオン・ジャックの三代目であるジョセフ・チャップマンだと言われている。
ユニオンジャックとはその名の通り、イギリスの国旗を模したコスチュームを見に纏ったヒーローである。
本作より
原作の三代目ユニオン・ジャック(ジョセフ・チャップマン)
クリスティン・エヴァハート
前作『アイアンマン(2008)』にも登場した記者。
本作より
『アイアンマン(2008)』より
イーロン・マスク
スペースX社とテスラ社のCEOであるイーロン・マスクご本人がカメオ出演。ちなみに彼は映画版のトニー・スタークのキャラクター的なモデルとも言われている。
本作より
ちなみに、ハマー・インダストリーズの格納庫のシーンは、スペースX社の格納庫を借りて撮影したとのこと。
本作より
スペースX社の格納庫
ハワード・スターク
ハワード・スタークの遺品の中にキャプテン・アメリカのシールドとコミックス『Captain America Comics#1 (1941)』とテッセラクト(四次元キューブ)についての研究資料がある。
ハワードとキャプテン・アメリカとの関係は『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャーズ』で明らかになる。
キャプテンアメリカのシールドの試作品を見たエージェント・コールソンが「これは…」と反応している。彼はキャプテン・アメリカの熱烈なファンだということが後に分かる。
本作より
『Captain America Comics#1 (1941)』
本作より
テッセラクト(四次元キューブ)
チェス・ロバーツ
MCU架空のテレビ局WHiHのキャスター。
本作より
原作に一度だけ登場したキャラクターである。
原作より
ちなみに演じているのはオリヴィア・マン。『X-MEN: アポカリプス(2016)』でサイロックを演じていた女優だ。
『X-MEN: アポカリプス(2016)』のサイロック
スターク・エキスポ
ウォルト・ディズニーはディズニーランド以外に実験的な近未来都市"EPCOT"の建設を計画していた。ウォルト・ディズニーがその計画を紹介する映像に似せられて本作のスターク・エキスポを紹介するハワード・スタークの映像は作られている。
ちなみに、本作が公開された時点ではマーベルスタジオはまだディズニーには買収されていなかった。
スターク・エキスポを紹介するハワード・スターク
EPCOTを紹介するウォルト・ディズニー
また、後付け設定ではあるが。スパイダーマンの権利がMARVELに戻ってきたことによって、スターク・エキスポにいたこのアイアンマンのお面をした少年は、幼少の頃のピーター・パーカーということになった。
本作より
新しいアークリアクター
トニーが新しく作り出したアークリアクターの素材はヴィヴラニウム。この物質はキャプテンアメリカの盾にも使われておりブラックパンサーが治めるワカンダ王国が原産国である。
『インクレディブル・ハルク』のニュース映像
モニターに映っているのは『インクレディブル・ハルク(2008)』でカルバー大学でハルクが暴れた際のニューズ映像だ。このことから本作と『インクレディブル・ハルク』の一連の出来事はほぼ同時に起きていたことが分かる。
本作より
『インクレディブル・ハルク(2008)』より
地図のポインティングされた土地には…
奥のモニターには世界各地にポインティングがされた地図が映し出されている。
アフリカの中部のポイントが示すのは、ブラックパンサーのいるワカンダ王国だ。
ワカンダ王国
南大西洋のポイントが示すのはネイモア=サブマリナーのいるアトランティスだと言われている。
スターン議員
写真真ん中に写っている上院議員。アイアンマンを兵器として批判。映画終盤の勲章の表彰式に授与者として参加している。
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2015)』で再び登場しある事実が判明することとなる。
本作より
ポストクレジットシーン
今作のエンドロール後のおまけシーンは今まで以上に次回作に直接的につながる映像になっている。
ニューメキシコ州の荒野に突如として出現した巨大なクレーターに駆けつけたエージェント・コールソンがクレーターの中央にソーのハンマー"ムジョルニア"を発見するという内容。
本作より
次回予告
次回解説するのは
『マイティ・ソー(2011)』
次回の記事
『インクレディブル・ハルク(2008)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に向け、今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを20週に亘り一気におさらいしている本ブログ。
前回の記事
当記事は『インクレディブル・ハルク(2008)』を含む、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第二回の今回紹介するのは
『インクレディブル・ハルク(2008)』
超人ハルク(1977)
1977年から放送が開始されたテレビドラマ『超人ハルク』のオマージュが本作にはたびたび登場する。
右が『超人ハルク(1977)』左が『インクレディブル・ハルク(2008)』
『超人ハルク』では主人公の名前はブルース・バナーではなくデイヴィッド・バナーであり、この名前が本作ではバナーが隠居生活をしていた時の偽名として登場する。
大学の警備員を演じているのは『超人ハルク(1977)』でハルクを演じたルー・フェリグノだ。『ハルク(2003)』でも警備員を演じていた。また、今作を含め『アベンジャーズ』『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』やアニメ版でもハルクの声は全て彼が演じている。
本作のルー・フェリグノ
『超人ハルク(1977)』のハルク(ルー・フェリグノ)
スタークインダストリーズ
劇中に登場する音波兵器やロケットランチャーなどはスタークインダストリーズ製である。
ちなみにこの音波兵器は小型化され『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のウォーマシンMk-IIIの装備にも応用されている。
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のウォーマシンMk-III
ニック・フューリー
前作『アイアンマン(2008)』のポストクレジットシーンで登場したS.H.I.E.L.D.長官ニック・フューリーの名前が確認できる。
『アイアンマン(2008)』から『アベンジャーズ(2012)』までの間にS.H.I.E.L.D.がアベンジャーズ結成のために行っていた活動を描いたコミック『アベンジャーズ:プレリュード フューリーズ・ビッグウィーク』でハルクとアボミネーションのハーレムでの決戦にブラックウィドウが派遣されていた、という描写がある。これはその際に作成された資料だろう。
またS.H.I.E.L.D.はMr.グリーン(ブルース・バナー)とブルー(サミュエル・スターンズ博士)のメールを監視していたことが後に判明する。
ドク・サムスン
ドク・サムスンとはハルク同様にガンマ線実験によって超人的な怪力を手に入れたキャラクターだ。
原作のドム・サクソン
リック・ジョーンズ
原作ではガンマ線の実験区域にいた彼をかばい、ブルース・バナーはガンマ線を浴びハルクになってしまう。
原作のリック・ジョーンズ
一時期キャプテン・アメリカに弟子入りしトレーニングを受けサイドキックであるバッキーを襲名していた時期がある。
リック・ジョーンズは後にハルクの亜種、A-BOM(アトミックボム)に変身してしまう。
原作のA-BOM
ウェポン・プラス計画
ブルース・バナー博士が研究していた実験はウェポン・プラス計画と呼ばれており『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2012)』でスティーブ・ロジャースを超人化させキャプテン・アメリカにしたスーパーソルジャー計画の再現実験である。
タンクに描かれているラインスタイン博士とは、『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』に登場したスーパーソルジャー計画の責任者エイブラハム・アースキン博士の別名だ。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー』のアースキン博士
ちなみに原作では最初のスーパーソルジャーであるキャプテン・アメリカがウェポンI(ワン)、10番目の被験体であるウルヴァリンがウェポンX(ローマ数字の10)である。
『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』ではウェイド・ウィルソン(デッド・プール)がウェポンXI(イレブン)である。
サンダーボルト・ロス将軍
米軍将校であるロス将軍は本作以降もMCU作品に度々登場し『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』では国務長官として登場。ソコヴィア協定への署名を推し進める。
本作より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
原作ではロス将軍は後にレッドハルクという赤いハルクに変身する。レッドハルクはハルクと違い理性が安定しており、戦術的思考に非常に長けている。
原作のレッドハルク
またロス将軍とエミル・ブロンスキーが面会するシーンで、将軍の部屋の壁によく見るとキャプテン・アメリカの絵が飾れている。
本作より
ベティ・ロス
ロス将軍の娘でありブルース・バナーの恋人。
本作より
原作ではハルクから発せられるガンマ線で被爆して死亡。その後、改造を施されレッド・シーハルクとして復活した。
原作のレッド・シーハルク
サミュエル・スターンズ博士
ブルース・バナーがハルク化を止めるための治療に協力をしていた生物学者。
血液サンプルが額の傷から混入し頭部が肥大化。その後、どうなったかは描かれなかったが、その姿が博士が原作でガンマ線実験で変身するリーダーというキャラクターに酷似している。
本作より
原作のリーダー
カルバー大学
ハルクとエミル・ブロンスキーが対決したカルバー大学は『マイティ・ソー(2011)』に登場するジェーン・フォスターとエリック・セルヴィグ博士の勤めている大学である。
『マイティ・ソー(2011)』のジェーン・フォスター
エリック・セルヴィグ博士
ジム・ウィルソンとジャック・マクギー
ハルクとエミルの対決を近くで見ていた学生達。
ジム・ウィルソンは原作に登場するハルクのサイドキックだったことのある少年だ。
ジャック・マクギーとはドラマ『超人ハルク』に登場した新聞記者だ。
今回のスタンリー
今回のスタンリーはブルース・バナーの血液が混入したピンゴ・ドセというガラナソーダを飲んでしまう。
本作より
ちなみにこのピンゴ・ドセというガラナソーダの広告が『アントマン(2015)』の劇中に登場する。
『アントマン(2015)』より
ポストクレジットシーン
今作のエンドロール後のおまけシーンではトニー・スタークが登場。酒場で焼け酒をするロスにアベンジャーズ計画が進行中であることをほのめかす。
特典映像
本作のDVDに収録されている別バージョンのオープニング映像には氷漬けになったキャプテン・アメリカが映っている。
拡大
次回予告
次回解説するのは
『アイアンマン2 (2008)』
次の記事
『アイアンマン(2008)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に向け、今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを20週に亘り一気におさらいしていこうと思う。
当記事は『アイアンマン(2008)』を含む、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
それでは、記念すべきMCU第1作品目のこの映画から解説していこう。
『アイアンマン(2008)』
テン・リングス
アフガニスタンでトニー・スタークを拉致したテロ組織"テン・リングス"の組織名はアイアンマンのヴィラン、マンダリンの持つ"十個の魔法の指輪"が由来。
本作のテンリングス
テンリングスのフラッグ
組織名の由来になったマンダリンは『アイアンマン3(2013)』に意外な形で登場する。
『アイアンマン3 (2013)』のマンダリン
原作のマンダリン
組織のマークがエンドロールに出てくる。
ラザ
テンリングスを率いるリーダー。
本作のラザ
原作ではラザ・ロングナイフという名前で登場。人間ではなく宇宙人であり、半身を変幻自在のサイボーグボディに改造している。X-MENのサイクロップスの父、コルセアの率いる宇宙海賊スター・ジャマーズ所属。
原作のラザ・ロングナイフ
アントニオ・サリエリ
オバティアがトニーの別荘でピアノで演奏していた曲はアントニオ・サリエリのピアノ協奏曲。サリエリはモーツァルトの才能に嫉妬し彼を毒殺したという説があり、この後の展開を暗示するシーンになっている。
ウォー・マシーン
後にウォー・マシーンになる、ジェームズ・ローディ・ローズ中佐。本作ではテレンス・ハワードが演じていましたが、スタジオとギャラ交渉でもめ、降板となり次回作『アイアンマン2』からは俳優がドン・チードルに変更になってしまいました。
「(スーツを着るのは)また今度だな」というセリフがありますがその"今度"は二度と来ないことに…。
テレンス・ハワード『アイアンマン(2008)』
ウォー・マシーンのアーマーもエンドロールで初登場。
クリスティン・エヴァーハート
雑誌「ヴァニティ・フェア」の記者。
後に記者からMCU内の架空のテレビ局"WHIH"のキャスターに転身したらしく、本作以外にも『アイアンマン2』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』他、YouTubeで公開された特別映像などで度々登場している。
原作ではピーター・パーカーも働いていた新聞会社"デイリー・ビューグル"のリポーターとして登場している。
J.A.R.V.I.S.
トニー・スタークが作り出した人工知能。私生活から戦闘時までトニーをサポートする。
声を演じているのは後にヴィジョンを演じることになるポール・ベタニー。
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』のヴィジョン
原作ではA.I.ではなくアベンジャーズタワーを管理するトニーの執事、エドウィン・ジャービスとして登場する。
テレビドラマ『エージェント・カーター』ではトニーの父親、ハワード・スタークの執事としてエドウィン・ジャービスが登場し彼がJ.A.R.V.I.Sのモデルになったことが明かされる。
ドラマ『エージェント・カーター』のジャーヴィス
ハッピー・ホーガン
トニーの付き人であるハッピー・ホーガンを演じたのは本作で監督、製作総指揮も務めたジョン・ファヴロー。
ちなみにMk-Iアーマーのモーション・アクターを務めたのもファヴロー監督である。
フィン・ファン・フーン
アイアンマンMk-IIスーツの試験飛行シーンでゴールデン・ドラゴンという名前のカジノが一瞬映る。
このゴールデン・ドラゴンとは原作に登場するドラゴン型宇宙人フィン・ファン・フーンである。
クラシックなフィン・ファン・フーン
SR-71 ブラックバード
Mk-IIスーツでSR-71 ブラックバードという実在のステルス戦闘機の記録した限界高度8万5000フィートを越えようとするシーンがあるが、このSR-71を改良したものがX-MEN達が乗るXジェットである。明確な繋がりではないがスタッフの遊び心だろうか。
本作より
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011)』
キャプテン・アメリカのシールド
トニーのラボにキャプテン・アメリカのシールドらしきものが映っている。
ウィップラッシュ
Mk-IIIアーマーと空中チェイスを繰り広げたF-22戦闘機のコードネームは"ウィプ・ラッシュ"
本作より
ウィップ・ラッシュとは『アイアンマン2 (2010)』に登場するミッキー・ロークの演じるヴィランの名前。
『アイアンマン2 (2010)』のウィップラッシュ
ロクソン・オイル社
アイアン・モンガーとの対決シーンで、トラックの荷台や後ろに映るビルにロクソン・オイル社のロゴが映っていることが分かる。
ロクソン・オイル社とは原作にも登場する架空の石油会社。
原作のロクソン・オイル社
原作以外にも『アイアンマン2』『アイアンマン3』『エージェント・カーター』『デアデビル』などにこっそり登場しており、今話題のPS4『Marvel's Spider-Man』にもロクソン・オイル社のビルが登場している。
『アイアンマン2』より
『アイアンマン3』より
『エージェント・カーター』より
『Marvel's Spider-Man』より
9月7日からHuluで配信開始された『クローク&ダガー』のトレイラーでも、ロクソン・オイル社のロゴが確認できる。原作のある世界線ではロクソン・オイル社に改造されてクロークとダガーは能力を得た。このことから、これまでロゴが映ったり名前が出てくる程度だったロクソン・オイル社だが『クローク&ダガー』でその全貌が明らかになるのだろうか。
原作のクローク&ダガー
『クローク&ダガー』トレイラーより
『クローク&ダガー』トレイラー
ダメージコントロール社
記者会見前の控室のシーン。後ろのモニターで放送されているニュースでダメージコントロール社の社名を確認できる。
本作より
ダメージ・コントロール社とはMARVELユニバースでヒーローとヴィランが破壊した街や建物の改修を請け負っている架空の会社である。
原作のダメージコントロール社
『スパイダーマン/ホーム・カミング』でバルチャーことエイドリアン・トゥームスの会社を買収したのがダメージ・コントロール社である。
『スパイダーマン/ホーム・カミング(2017)』より
また、ロクソン・オイル社同様『Marvel's Spider-Man』にビルが登場。
PS4『Marvel's Spider-Man』
アニメ版アイアンマンのテーマ
本作では、冒頭のセレモニーでトニーが登場するシーン、カジノのシーン、クリスティンとのベッドシーン、ローディの携帯のトニーの着メロで、それぞれ違うアレンジのアニメ版『アイアンマン』(1966)のテーマソングが使用されている。
今回のスタン・リー
MCUに限らずMARVEL作品ではお約束となっているスタン・リーのカメオ出演。今作ではトニー主催のパーティに登場。美女二人と談笑しているところを通りがかったトニーが雑誌『プレイボーイ』の創設者と勘違いしヒュー・ヘフナーと呼ぶ。
Black Sabbath - Iron Man
エンドロールで流れる音楽はブラック・サバスの"アイアンマン"。こんなぴったりな選曲は他にないだろう。
ポストクレジットシーン
MCUといえばこれ、というぐらいお決まりとなったエンドロール後のおまけシーン。一作目となる今作ではS.H.I.E.L.D.という組織のリーダという、ニック・フューリーと名乗る男がトニーに"アベンジャーズ計画"について明かす。という内容だ。
本作より
ちなみにMCU版のニック・フューリーのモデルとなったのはアルティメットユニバースと呼ばれるMARVELの別の世界線のフューリーである。このアルティメット版フューリーは今作が公開される以前からサミュエル・L・ジャクソンをモデルに描かれていた。つまり、見た目が似ているのは必然。これ以上のハマリ役は他にないだろう。
『アルティメッツ』より
次回予告
次回解説するのは
『インクレディブル・ハルク(2008)』
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通常盤 2枚組 アイアンマン/インクレディブル・ハルク
番外編 "PUNPEE -HERO(MARVEL EXTENDED VER.)" 小ネタ解説 #Sofaking
EX. HERO(MARVEL EXTENDED VER.)
4月21日放送"Sofa King Friday"にてオンエアされたHeroの特別版。MARVEL EXTENDEDの文字通り歌詞の内容がMARVELコミックスネタのみに再編集されている。
おそらくMARVELとの公式タイアップソングではあると思うが、次いつどこで聴くことができるのか分からないし、音源化させるかどうかも定かではないので、radikoのタイムフリー機能を使って今のうちに聴いておいた方が良いと思う。
歌詞耳コピ
僕は君のHero よく無責任にそういうけれど
僕はいたって普通のエキストラみたいな存在で
だけど君は言うよ でもヒロインがそういうならば
つまり僕はHero 僕は君のHero
ガキの頃憧れたスーパーヒーロー今もドンピシャじゃないけど登場
知ったかサブカル長男PUNPEEっす 板橋の傭兵から饒舌炸裂
昼はだらしない前髪たらして 裸眼でコンビニの店番さ
だけど夜はグラサンでshow-offイチコロさジーン・グレイいざゆかん闇夜の街へ
現実に打ちのめされてフラッシュ・トンプソンに彼女をもってかれ
バイト代はネガティブなゾーンへ Like a ギャラクタス ただの雲じゃん最低
だけど眼下に広がる闇夜の街をぽつんと覗くと ワクワクするのさ
しくじったらイラストレーター目指すさ オイタするくらいにフレームオン!
僕は君のHero よく無責任にそういうけれど
僕はいたって普通のエキストラみたいな存在で
だけど君は言うよ でもヒロインがそういうならば
つまり僕はHero 僕は君のHero
少し耳を傾けて 彼らの言うことに目を向けて キリが無いんだもう。。
彼女もペットもあの教授もみんなスーパーヒーローじゃ気が滅入る
手あかにまみれたシナリオ達をピクニック中にVillainがまたも阻む
SMASH! ??? ブルペンの友達の決まり文句もクソダルいよ!(Stanもnuffsaid...)
鋼鉄の意志も飲酒で瀕死 骨抜きもアダマンチニウムじゃ辛い
Thorの姉貴もimage違い 日本にYashidaやSazaeなんかはいない
クローンと鉢合っちゃったり そのクローン自体がモノホンだったり
いくら宝石揃えても 彼女の顔は死神みたいに ヒヤリ
いつからか理由を求めた なぜいつまでもtimelyなんだ
大人になった今は分かった いつも逆境が最高のVillainでさ
人生のハイライトが表紙になれば いやでも背表紙に値段が載る
だから しくじってもそのうちの1ページさ It's clobberlin timeさ right? bub
人と比べると自分は最高じゃない誰しも
じゃ比べなきゃ良いよ 多分それだけの問題で
だけど君は言うよ でもヒロインがそういうならば
つまり僕はHero 僕は君のHero
(歌詞に間違いがございましたらご連絡ください)
歌詞解説
ジーン・グレイ
X-MENの最初期メンバーファースト・ファイブの一人、サイコキネシスとテレパシー能力を持ったミュータント。
Like a ギャラクタス ただの雲じゃん最低
MARVEL世界の宇宙を司る神的存在"コズミックビーイング"の一人で、惑星の生命エネルギーを餌としており地球もその餌食になりかけたことがある。
しくじったらイラストレーター目指すさ
キャプテン・アメリカは一時期、副業でイラストレーターをしていたことがあり、それが元ネタだろうか?
ハルクの決め台詞。
ブルペンの友達
MARVEL創設当初に使われていた共同アトリエ"Bullpen"もしくはスタン・リーのコラム"Bullpen Bulletins"の事だろうか?
鋼鉄の意志も飲酒で瀕死
トニー・スタークが自らのアルコール依存症を克服しようと奮闘するエピソード"Demon in a Bottle"が元ネタだろうか?PUNPEEも急性アルコール中毒で病院に搬送された事があると言っていたのでそれとかけているのだろうか。(Modern Times Commentary - 夢のつづきCommentaryより)
いくら宝石揃えても 彼女の顔は死神みたいにヒヤリ
宝石とはMARVEL世界に存在する強力なパワーを持った6つの宝石"インフィニティ・ジェム(MCUではインフィニティ・ストーン)"の事。原作ではサノスは死の女神デスに一目惚れし彼女の気を引くために全宇宙の生命体を半分消滅させた。映画ではこの設定はどうなるのか、気になるところだ。
いつまでもTimelyなんだ
MARVELコミックスの前身となったTimelyコミックスの社名から。
___________________
この曲はおそらくPUNPEEのデザインしたオリジナル・アイアンマンも展示されている『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』公開を記念して4月23日から期間限定で開催される"アベンジャーズ エクスクルーシブ・ストア"とのタイアップ曲と思われる。(まだ詳細はまだ不明)
PUNPEEのオリジナル・アイアンマン
Summitの繋ぎを着たアイアンマンのスーツを装備したPUNPEE。首にはディフォルメされたPUNPEEのbling-bling。地面にはMPC?。M.F. DOOMの"Operation:Doomsday"とSIMILABの"AVENGERS"とラムゼイ・ルイスの"スパイダーマン"とMARVEL HIP-HOPヴァリアントのレコード。呑める歌える歌声喫茶"サミット"の看板。SONY MDR-CD900ST。マイクスタンドのバミリ? etc…とPUNPEEのMARVEL愛が爆発した小ネタ満載のオリジナル・アイアンマンだ。
アベンジャーズ エクスクルーシブ・ストア
こちらも併せてどうぞ
"PUNPEE - Modern Times"解説
アルバム解説 "PUNPEE - Modern Times" 映画、アメコミ関連ネタまとめ
"PUNPEE - Modern Times"
HIP-HOPグループ"PSG"のメンバーとして知られ、レッドブルのCMソングやフジテレビ『水曜日のダウンタウン』の音楽プロデュースも務める、ラッパー兼プロデューサーPUNPEEが満を持して贈るファン待望の1stアルバム"Modern Times"が発売されたのは去年の10月。では、なぜ今更そのアルバムの記事を私が書こうと思ったのか。それには大きな理由がある。
このアルバムについて、HIP-HOP的にとか音楽理論的に語っているブログは数え切れない程ある。しかし、歌詞に込められたPUNPEEの"オタク的エッセンス"をうまく汲み取れているブログがほとんど無かったからだ。
今回のアルバムに限らず、PUNPEEの楽曲には映画やコミックスの小ネタが忍ばされいることがよくある。それは彼が中学時代からアメリカンコミックスに読みふけ、レンタルビデオ屋でバイトをしていたことが影響してだろう。
PUNPEE本人がこのアルバムを自ら解説している"Modern Times -Commentary-"が配信されている。今回はそこでは触れられていない小ネタを映画とアメコミに絞ってサクッと解説していくことにしよう。
まずはジャケットや歌詞カードのアートワークから。
ジャケット表
① : ジャケット中央の車はPUNPEEの愛車ビートルに『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンの次元転送装置"フラックス・キャパシター"を積んだタイムマシン。
タイヤが横向きになっているデザインはドラマ『エージェント・オブ・シールド』に登場するコールソンの愛車ローラが元ネタか?
② : 3曲目"Happy Meal"の"ありったけのチーズバーガー チミチャンガにワッパー"というリリックにもあるのワッパー(ハンバーガー)。ちなみに"チミチャンガ"とはMARVELコミックスのヒーローデッドプールの大好物として有名なメキシコ料理だ。
③ : PUNP 33 → PUNPEE
④ : 映画『They Live』のVHS。16曲目"Hero"のリリック"偉い人に化けた異星人が"はおそら『They Live』へのオマージュ。
ちなみにSaluの"Goodtime"のMVも『They Live』とが元ネタだったりする。
⑤ : DCコミックスの言わずと知れた名作コミック『ウォッチメン』のTPB(アメコミの単行本4,5話収録、値段は15ドルから20ドル程度)。"ウォッチメン"の小ネタはPUNPEEの楽曲のリリックによく登場する。PUNPEEファンならマストな作品だろう。
⑥ : 時空の渦がレコードの溝のようになっている。9曲目"P.U.M.P."のリリック"時はいろんな形で俺らを傷つけ試してくるけど アナログ盤みたいにね 傷も味になればいい そうだね"繋がりか?
ジャケット裏
(画像が無かったので直撮りですみません^^; スキャンしたら更新します)
① : ジャケットで分からなかったネタ2つあって、そのうちの一つがこの亀。PUNPEEがティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズが好きなことは知っていたが見た目が全然違うし何なんだろう…と思ってたらどうやら25年間飼ってる亀らしい。分かるわけないだろ!w
② : PUNPEEが翻訳監修した翻訳アメコミ"LOBO ポートレイト・オブ・ア・バスティッチ"。
PUNPEEのキレッキレのワードセンスが炸裂していて最高なので是非読んでいただきたい。
③ : PUNPEEがCMソングを担当したことのあるエナジードリンクレッドブル風の缶。
④ : PUNPEEの所属しているグループPSGのファーストアルバム"David"。
⑤ : レコードのラベル部分が赤だったので"曽我部恵一 - サマーシンフォニー feat. PSG"かと思いましたがよく見るとなんか違いますよね…引き続き情報お待ちしております。
歌詞カード(ブックレット)
表紙
CONFIDENTIAL(極秘、内密)と書かれている。
ISSUGI
元ネタは『スパイダーマン』のヴィラン、エレクトロ?(アメイジング2 × アルティメット?)
アルティメットスパイダーマンのエレクトロ
GAPP(GAPPER)
単純にゴールデンエイジの頃のアイアンマンにも見えるがアイアンマンのヴィラン、アイアンモンガー、チタニウムマン、クリムゾンダイナモなどの要素も感じる。
ゴールデンエイジのアイアンマン
アイアンモンガー
チタニウムマン
クリムゾンダイナモ
SUMMIT COMICS(コミックショップの看板)とアルバムのタイトルの元ネタとなった"Modern Times(1936)"のチャップリンのポスター
疲れた…アートワークだけでもこれだけのネタの詰め込み具合、PUNPEE本当すごいよ…しかし、ここからが本番なので気を引き締めて行こう。
では楽曲の小ネタ紹介。(解説するほどのネタが無い曲は飛ばしてます)
2.Lovery Man
"メガネとって髪揃えなきゃ 俺って誰も気付きやしないから"
スーパーマンことカル・エルが地球人クラーク・ケントに変装する際メガネをかけていることへのオマージュ?
"今見てるリーフのComics"
"リーフ"とはアメリカンコミックスの出版形態のひとつでB5サイズ、フルカラー、32ページ、中綴じで1話だけ収録された物を指す和製英語。アメリカ本国では"issue"などと呼ぶことが多い。価格は一冊大体2ドルから3ドルほど
非常に薄い
3.Happy Meal
タイトルの"Happy Meal"とはアメリカ本国でいう"ハッピーセット"のことだ。
"ありったけのチーズバーガーチミチャンガにワッパー"
上記
"前にいったよな?エンドロールで席を立つなよって"
エンドロール後にクリフハンガー(続編に期待させる演出)や重要なおまけ映像が流れるからエンドロールを最後まで観ないといけないのはMARVEL映画ファンの間ではお決まりになっている。また最近では映画の最初に"エンドロール後に特別映像があります"とスクリーンに表示されるようになってきている。
"でも皆 予想外 まだ座ってやがる お待たせ 暇人ども さぁ行こうか"
上記のお決まりを逆手にとって『デッドプール(2015)』『スパイダーマン:ホーム・カミング(2017)』では映画内のキャラクターが観客に対して"まだいたの?"や"忍耐力とは〜"などと皮肉を言う演出があった。
"時代はあれもこれもみんな先に決めつけてさ 想像するだけで このままじゃ豚箱行きさ "
『マイノリティ・リポート(2002)』と『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』へのオマージュだろうか?両作とも作中で犯罪予知システムが導入されることの弊害が取り上げられている。
"最初に夕日に魅せられた暇な猿が進化し俺らが始まった"
『2001年宇宙の旅』へのオマージュ。
"マカロニ カーチェイス"
"マカロニ"とはイタリアで撮られたウェスタン映画、通称"マカロニウエスタン"のことを指している。"カーチェイス"はアメリカンニューシネマ最盛期によく撮られていた映画ジャンルだ。
"マコーレンなら家に篭り過ぎ ホームアローンの後ジャンキーさ"
ホームアローンの主役を演じたマコーレー・カルキンが虐待とかいろいろあって現在はグレてジャンキーになっているのは有名な話ですね。
"輸入盤のInkかいで俺もtrippin'"
「輸入アメコミのインクはめっちゃ臭い」っていうアメコミギークあるあるが元ネタ?
"ジョニー・ネモニック"
キアヌ・リーブスと北野武共演のSF映画『JM』でキアヌの演じた主人公の名前。
"ニキビ面みてる トロマムービー"
"トロマ"とは『悪魔の毒々モンスター』シリーズや『カブキマン』などの低予算名作バカ映画を大量排出している映画会社である。
「悪魔の毒々モンスターはマジでマストだぜ」
by PUNPEE (オタク IN THE HOOD : PSGより)
"俺らって一人一人 パラレルワールドの支配人"
これは少し考えすぎかもしれないがPUNPEEの事だから多次元のパラレルワールドからいろんなスパイダーマン達が集結する"スパイダーバース"辺りからインスピレーション得ていそう。
3.宇宙に行く
"肌がGreen 膣が3つある女子たちと"
元ネタは『トータルリコール』か『宇宙人ポール』?3つなのは膣ではなく乳だが。
"3:02からの間奏"
よく耳をすませて聴いてみると『スターウォーズ』の独特なレーザー機銃の音やR2-D2のピコピコ音などのSEが盛り込まれている。
6.Scenario(Film)
"エド・ウッドみたいに金なし"
"エド・ウッド"とは、製作した作品が全て興行的に失敗した、ある意味伝説の映画監督。ティム・バートン×ジョニー・デップのコンビで伝記映画も作られた。
"僕は第四の壁越しに いもしない客に愚痴こぼしてさ"
"第四の壁"とは演劇用語で舞台と観客の間にある見えない壁のことを言う。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』などで登場人物が観客に向かって語りかける演出が多用されていたがあの演出のことを"第四の壁を壊す"と言いMARVELコミックスのデッドプールもよく第四の壁越しにコミックの読者に語りかけたりする。
"歩く死体"
ドラマ『ウォーキング・デッド』実は原作はアメコミ。
9.P.U.M.P.(Communication)
"お茶の間でリンチ"
おそらく映画監督デヴィッド・リンチの事。
10.Stray Bullets
"Stray Bullets"は流れ弾という意味。
"急げや急げ走れないガンプ"
映画『フォレストガンプ 一期一会』より。"Run, forest Run!"
"きみが忘れたウッディとバズもきみの子供がハマってまたバズ"
映画『トイ・ストーリー3』より。微妙にニュアンスが違うがだいたいそういう事だろう。
13.タイムマシーンに乗って
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』をイメージして書かれたであろう一曲。
"願わくばディスコで親父と母さんが会った日に行きたいね後ろのJocksに酒かけて息子直々にチャンス作ってやんぜ"
元ネタはおそらく『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
Jocks = アメフト部に所属してるようなイケてる奴らの総称。
"どんなデカい時計だって全てさ始まりはこんな小さい歯車"
チャップリンの『Modern Times(1936)』より。
14.Bitch Planet
タイトルの元ネタはimageコミックスの同名コミックスかと思っていたがcommentaryを聴く限り"Pizza Planet"(Pixar作品に出てくるデリバリーピザ、もしくはPUNPEEと同じくSUMMITに所属しているTHE OTOGIBANASHI'Sの曲名から?)→ピザみたいにヘルス嬢をデリバリー→"Bitch Planet"っていうことらしい。センスの塊すぎる。
imageコミックスの"Bitch Planet"
Pixaerの"Pizza Planet"
THE OTOGIBANASHI'Sの"ピザ・プラネット"MV
"宇宙に飛び立って so far? so fly?(ソファー)"
ブックレットにはこの曲の歌詞は載っておらず耳コピサイトには"so far"や"so fly"と書かれていた。しかしよく聴くと"ソファー"と言っているように聴こえないだろうか?もしかすると4月からJ-WAVEで始まったPUNPEEのレギュラー番組"Sofa King Friday"の予告だったのだろうか?
PUNPEEはこの番組の初回(2018.04.06)で番組タイトルの由来について"ソファーで宇宙に飛んでくみたいな感じで。自分の去年出したModern Timesというアルバムも赤いワーゲンが宇宙というかパラレルワールドというかタイムパラドックスの中を飛んでるジャケットなんですけど。宇宙に何かで飛び出してくのが好きなんですよね"と話している。
15.Oldies
"スカーフェイスじゃないが"
ロバート・デニーロ主演作の『スカーフェイス』のことだろうか。
"皆がただの歯車になり狂わぬように"
これもまたチャップリンの『Modern Times(1936)』へのオマージュ。
16.Hero
ほとんどのバースにアメコミ小ネタが詰め込まれまくっているPUNPEEのアメコミ愛と狂気すら感じる至高の一曲。ネタが分かると聴く度にニヤニヤが止まらなくなること間違いなし。この曲のためにこのブログを書こうと思ったと言っても過言ではない。
"板橋の傭兵からの饒舌"
デッドプールはおしゃべりな事から"饒舌な傭兵"と呼ばれている。
"昼はだらしない前髪たらして 裸眼でコンビニの店番さ"
上記のスーパーマンへのオマージュと同じだろう。
"ロイスレーン"
スーパーマンの恋人。
"フラッシュ・トンプソン"
『スパイダーマン』に出てくるピーター・パーカーの同級生のいじめっ子。後に出兵し戦場で両足を失いエージェント・ヴェノムになる。
"バイト代はネガティブなゾーンへ"
MARVEL世界の闇の異空間"ネガティブゾーン"のこと。
"まるでMad Max 輸血袋 最低"
『マッドマックス/怒りのデス・ロード』より。健康な人間は捕らえられ、体に管を通され血液不足のウォーボーイズの輸血袋にされる。
"フレームオン!"
『ファンタスティック・フォー』のヒューマン・トーチが全身を発火させる時に言う決めゼリフ。
"手あかにまみれたシナリオ達をピクニック中にVillainがまたも阻む"
『パニッシャー』より。主人公のフランクキャッスルはピクニック中にギャング同士の抗争に巻き込まれ妻子を殺された。
"Shazam! Kimota! 輝ける日の下も…"
"Shazam!"キャプテンマーベルが変身する際にいう魔法の言葉。Solomon(ソロモン)Hercules(ハーキュリーズ)Atlas(アトラス)Zeus(ゼウス)Achilles(アキレス)Mercury(マーキュリー)の頭文字から取って"Shazam!"である。
"輝ける日の下も…"グリーンランタンが変身する際の決めゼリフ。
"Stanもnuffsaid,,,"
"nuffsaid(いい加減にしろ)"スタン・リーの決まり文句。他には"excelsior!(向上せよ!)"などもある
"骨抜きもアダマンチニウムじゃ辛い"
"アダマンチニウム(正しくはアダマンチウム)"は『X-MEN』のウルヴァリンの骨格に流し込まれたとても硬い金属、彼の自慢の爪の素材もこの金属。
磁力を操るマグニートにその全身のアダマンチウムを抜き取られたことがある。
"Thorの妹もimage違い"
元々imageコミックスという会社に所有権があったアンジェラというキャラクターが作者の意向でMARVELコミックスに移籍することとなりその際に"アンジェラはThorの妹"という設定が追加された。(imageコミックスとイメージのダブルミーニング)
"日本にYashidaやSazaeなんかはいない"
"Yashida"と"Sazae"はMARVELコミックスに登場する日本人のキャラクター。
"クローンと鉢あっちゃったり でもそのクローン自体がモノホンだったり"
『スパイダーマン』の"クローンサーガ"というエピソードでスパイダーマンにクローンがいることが判明して読者を驚かせた。しかも、我々がピーター・パーカーだと思っていたのがクローンで、クローンだと思っていたのが本物のピーター・パーカーだったという非常にややこしい設定も後付けされたが批判が殺到したためこの設定はなかったことにされた。
"テッドコートなら既にこの世にいない"
古代のスカラベのパワーで戦うヒーロー、ブルービートルの二代目。ただし彼はスカラベに選ばれず自らの頭脳と発明品で戦うことに。ヴィランとの戦いで戦死した。
"It's clobberlin time"
『ファンタスティック・フォー』のザ・シングの決めゼリフ。
"実は昔Heroはこの世に実際居て でも色々あってどこかに消えた 僕らは記憶を消されかすかな記憶達がコミックになり残った"
PUNPEE曰く『ウォンテッド』からインスピレーショーンを得た、とのことだがMARVELコミックス最強のヒーロー、セントリーが自らの暴走により妻を殺してしまったショックから世界中の人間の記憶から自分の存在を消して隠居していたというエピソードのエッセンスも感じる。
"偉い人に化けた異星人が"
上記の『They Live』とMARVELコミックスに登場する擬態宇宙人スクラル(チタウリ)が元ネタだろう。
最後に
チャップリンの『Modern Times(1936)』はセリフのない無声映画だったのに対して、PUNPEEの『Modern Times』には画はなく音と歌詞のみのさながら無映像映画のようなアルバムだった。
PUNPEEは"Modern Times -Commentary-"の最後にまた5年ほど裏方に回ると言っていた。彼が色々なアーティストの作品に客演したり自らの作品にお世話になっている人、仲の良い人を誘ったり、別のアーティストに楽曲を提供したり、別名義で活動したりしてるのはアメリカンコミックスのキャラクターが作品間でクロスオーバーをして別キャラの紙面に登場したり色々あってヒーロー名を変えたりするのに似ているなと感じた。
去年の"FUJI ROCK FESTIVAL'17"でPUNPEEはこんなことを言っている
”HIP-HOPって掘ってくとコイツとコイツが仲悪いとか、コイツとコイツが昔やりあってたとか、そういう利害関係みたいなのがよく見えるジャンルだから、よかったらチェックしてください"
PUNPEE自身もそうだがHIP-HOP自体がアメリカンコミックス的な構造を持ったジャンルということだ。
Modern Times Davie
LOBO 毒々モンスター
映画『ナイトクローラー(2015)』ネタバレあり 感想 考察「こいつ…とんでもねぇクズだ!」
『ナイトクローラー(2015)』
監督
キャスト
ジェイク・ジレンホール
アン・キューザック
ケヴィン・ラーム
キャスリーン・ヨーク
エリック・ランジ
キッフ・ヴァンデンヒューヴェル
ジョニー・コイン
マイケル・ハイアット
マイケル・パパジョン
あらすじ
ロサンゼルスの夜のハイエナ、報道カメラマンのルイス・ブルームがショッキングな映像を求めるあまり禁断の方法に手を出してしまう…。
ルイスの清々しいほどのクズっぷり
ルイスは登場シーンからいきなり器物損壊、不法侵入、警官に対する暴行、窃盗。と犯罪行為を連発。こいつマトモじゃない…感をまじまじと見せつけてくる。
その後も、彼は自分が業界で台頭するために犯人をみすみす逃したり、同業者や助手が息絶える瞬間なんかをカメラに収めるなど、どんどんと悪魔に魂を売っていく。
このルイスのクズさ、キモさを際立てているのは間違い無くジェイク・ジレンホールの爬虫類的で憎たらしい表情からくるものだろう。ジェイク・ジレンホールはこの役のために9キロの減量をしたらしい。
ジェイク・ジレンホール発狂伝説
今ではすっかりジェイク・ジレンホール十八番となった(なってしまった?)感情を爆発させる発狂演技を本作でも披露している。
ジェイク・ジレンホール発狂ギャラリー
『ナイトクローラー(2015)』
『サウスポー(2016)』
『ライフ(2017)』
『雨の日は会えない、晴れた日は君を想う(2017)』
悪魔の影
ルイスがスクープ映像を持ち込んだテレビ局はチャンネル"6"。映画の中で何度も悪魔の数字である"666"が印象的に映し出される。
どんどんと手段をエスカレートさせていくルイスが新しく乗り込みんだ車は、赤と黒という悪魔を連想させるようなカラーリングのダッジチャレンジャーSRTだ。
『マシニスト(2004)』では悪魔や死神のメタファーとして描かれていたアイヴァンが赤の1969年型ポンティアック・ファイアバードに乗っている。
スティーブン・キング原作の『クリスティーン(1983)』では悪魔の殺人ヴィンテージカー"クリスティーン"は赤の1958年型プリムス・フューリーだ。
『悪魔の追跡(1975)』のパッケージには赤のボディに悪魔の顔を現す逆五芒星(デビルスター)のエンブレム、ナンバープレートは悪魔の数字"666"という悪魔要素てんこ盛りのマッスルカーが描かれている。
(しかし、残念ながら映画本編にはこのような車は登場しない…)
どうやら悪魔といえば赤のマッスルカーというイメージがあるようだ。
『血を吸うカメラ』から続く系譜
この映画の本当に怖いところは、ショッキングなスクープ映像を心待ちにしているニュースの視聴者と我々観客が重なっていることに徐々に気がつき「お前らはショッキングな映像を求めてたんだろ?お前らのためにやってやってるんだからな」と知らず知らずの内に我々に責任が転嫁されてしまっている。というメタな入れ子構造になっていることだ。
取調室の監視カメラのレンズに視線を送るルイスのしたり顔は、まさに画面の反対側にいる我々をあざ笑っているかのようにも見える。
この責任転嫁の手法は『血を吸うカメラ(1960)』や『ダイアリー・オブ・ザ・デッド(2007)』などにも見られる系譜だ。
ニーナの言う「喉を切られる女性」とはまさに『血を吸うカメラ』の内容そのものだ。
『血を吸うカメラ』では主人公が柄にカメラを取り付けたナイフで女性の首を掻っ切り恐れおののく表情や断末魔を記録するというシーンがある。
まとめ
ここまでクズ突き通されちゃ逆に清々しいよね。
映画『クローバーフィールド・パラドックス』レビュー イースターエッグ 小ネタ解説 ネタバレあり
『クローバーフィールド・パラドックス(2018)』
2018年2月4日(現地時間)、アメリカ合衆国のプロアメリカンフットボール決勝戦、世界最大級の大会スーパーボウルの試合の合間に流れた1本のCMが全世界の映画ファンを驚かせることとなる。
そのCMがこれだ。
そう、全世界の映画ファンが、俺たちが待ちに待ったクローバーフィールドシリーズの最新作の予告だ!クローバーフィールドシリーズの第三弾が『ゴッドパーティクル』というプロジェクト名で製作が進んでいたことは知っていたが、改題されてまさかこのタイミングで来るとは!しかもこの映像が公開されたスーパーボウルの試合終了直後即Netflix限定で全世界同時配信開始という二重のサプライズ!Netflixには入っていて良かったとこれほど強く思ったのは初めてだ!
一作目『クローバーフィールド/HAKAISHA』の時もそうだったが、本作の配信開始まで情報をほとんど漏洩させなかったバッドロボットの秘密管理の徹底さには驚かされる。
ということで、早速興奮して震える手を押さえながら鑑賞したのだが、一言…
JJ、あんた最高だよ!
本作はクローバーフィールドシリーズの一作という事を差し引いたとしても1本のSFスリラー映画として完成されている。
『ライフ』や『ジオストーム』のパクリだと言っている輩もいたが、ちゃんと観てそれを言っているのか?ルックスこそ他の宇宙を舞台にしたSF作品に似ているかもしれないが(ガジェットや宇宙服もよく見ればオリジナリティがあって素晴らしいと自分は思う)脚本に限っては他とは全く違うだろ!特に乗員の死に方が一人一人バリエーションに富んでいて素晴らしかったよ。
個人的にはミーナがもともといた次元の話も観てみたくなった。ミーナ以外の乗員はあっちの次元でも死んでしまったのだろうか。
あと最後の"アレ"はクローバーフィールド好きなら絶対ニヤッとしちゃうよね。
本作を観て「我々がクローバーフィールドに求めているのはこんなのじゃない。怪獣を出せ。POVでやれ。」とキレている輩がいるが、JJは前作の時点でクローバーフィールドシリーズは毎回違う方向性のスリラー作品にすると発表しているので、そういう映画が観たい人は諦めてレジェンダリーのモンスター・バースに期待しててほしい。
これよりイースターエッグの解説のためネタバレあり。
鑑賞後に読む事をオススメします。
・クローバーフィールドシリーズではおなじみの隠しサイト
本作は前作、前々作同様、作品中やインターネット上のウェブサイトに謎が隠されているようだ。2008年の一作目の公開時から存在する架空の企業タグルアト社の隠されたホームページが1月18日頃から何度か更新されていたらしい。
どうやらホームページの背景画像の彩度を調節すると文章が浮かび上がるとのこと。
浮かび上がった文章は以下の通り。
"Tokyo – January 18 2018 Tagruato has begun development on a revolutionary new energy technology In what Ceo Ganu Yoshida called a technological great leap foreward for our planet This renewable technology will take at least 4 year to complete with along with another six years International regulatory bodies to bring the powerful revolutionary energy source by april 18 2028"
要約すると「タグルアトは2018年1月18日から革新的な新しい再生可能エネルギーの研究に着手し、2028の4月18日に10年の歳月をかけついに完成させた。」みたいな感じだろうか。
タグルアト社のホームページ→ http://tagruato.jp
・映画開始直後、ラジオの音声が流れるシーンで音が乱れ一瞬Slusho!のCM音声が流れる。
Slusho!のCM
・エヴァが夫と車で話している時『スーパー8』や前作『10クローバーフィールド・レーン』にも登場した"KELVIN"という名前のガソリンスタンドが映っている。
本作
『スーパー8』
『10クローバーフィールド・レーン』
ちなみにこのケルビンという名前はJJ・エイブラムスの祖父の名前から取られていて、JJの作品には色々な形で度々登場している。
一例
・本作においての"クローバーフィールド"とは宇宙ステーションの名前である事が分かる。一作目では国防総省の保管する事件映像記録の総称。二作目ではハワードの自宅のある場所の地名。だが実際のところはバッドロボットプロダクションのオフィスのある行政区画名である。
・宇宙ステーションクローバーフィールドで行われている粒子加速実験をニュースで批判している学者、マーク・スタンブラーのアカウント@Paradox_Is_Realは実際にTwitter上に存在しているが、何も呟かれていない。
また、この人物『10クローバーフィールド・レーン』に登場したハワード・スタンブラーと同姓であることから兄弟という事が予想できる。確かに太っていて髭を蓄えている見た目もそっくりだ。
ちなみに、このハワードが勤務しているのはタグルアト社の傘下にあるBold Futuraという宇宙開発を専門とする会社であり本作の宇宙ステーションと何かしら繋がりがあると考えられる。
また、マンディの作業していたメンテナンス室の壁に"TAGRUATO"の文字があることからもこの説は有力だろう。
・クローバーフィールド内のデスクにSlusho!のボブルヘッドフィギュアが置かれている。
そして、なんとSlusho! Truckというフードトラックが全米を巡回し謎を解き明かしたファンに実際にこのボブルヘッドがプレゼントされた模様。めっちゃ羨ましい…
プレゼントを受け取ったファンのサイト↓
I GOT THE SLUSHO BOBBLE HEAD FROM THE SLUSHO TRUCK PUZZLE
・ボルコフが"We're definitely not in Kentucky anymore"というセリフがあるがこれは"We're not in Kansas anymore"という『オズの魔法使い』の主人公ドロシーのセリフからの引用で洋画などでよく使われる有名な言い回しである。
・NYに現れた怪獣やハワードのシェルターの地上に現れたエイリアンは本作で発生した時空の歪みから現れたと予想できる。
しかし本作は2026年6月4日から2028年4月28日までの694日間の出来事と予測されているので、2008年の過去に怪獣を出現させたとなると矛盾するのでは?と思うかもしれない。しかし、粒子加速実験でパラレルワールド同士が繋がってしまったり、宇宙ステーションを太陽の裏側まで一瞬で移動させた、という事は次元や空間を超えるほどの影響力があるという事。つまり過去や未来に影響を与えてもおかしくないのだ。(この事に関してはマーク・スタンブラーが序盤のインタビューで話している)
本作は『ゴッドパーティクル』というプロジェクト名で製作されていた頃からクローバーフィールドシリーズの前日譚ではないかと囁かれてきた。しかし、未来の話となると前日譚ではないのではと思う人も少なくないはず。だがよくよく考えて欲しい、本作の出来事がなければNYに怪獣は現れず、ハワードのシェルターの地上にエイリアンや巨大なUFOは現れなかったと考えると本作がクローバーフィールドの発端。前日譚ということで間違いないだろう。
クローバーフィールドシリーズの年表を作ってみました。間違っている点や、これ抜けてるよ〜ってとこあったらコメントかツイッターで教えてください。
(タイトルは文字数の関係でCF(クローバーフィールド)とナンバリングにしています。)
ちなみに本作のラストに出てきたアイツは一作目に出てきたアイツがNY沖の大西洋で20年ぐらいかけてすくすく育ってああなったと想定しています。てかそうであってほしい。
クローバーフィールド三作とオマケでスーパー8の位置関係の地図も作りました。(拡大するとより見やすくなります)
こう見るとラストのアイツがいた場所はNY沖からたいして離れていないようなので。さっきの説の信憑性がさらに高まりますね。
最後に
クローバーフィールドシリーズ第四弾『オーバーロード(原題)』は本作『パラドックス』とほぼ同時進行で撮影されており、既に撮影は完了しているとのこと。内容は第二次世界大戦が舞台になるといい、監督はジュリアス・エイブリー。ただオーバーロードというタイトルはあくまで仮題であり、本作パラドックスが元々ゴッドパーティクルというプロジェクト名で製作されていたことを踏まえると恐らく改題される事は確実だろう。
それにしてもゴッドパーティクル改めクローバーフィールド・パラドックスは元々4月20に公開される予定だった事を考えると第四弾がいつ公開されてもおかしくないという事。心して待とう。
結論、JJいっぱいちゅき…。
イーストウッド親子と車映画『グラントリノ』は最高だし『スクランブル』が楽しみって話
今回の記事では、イーストウッド親子と車映画について語っていこうと思います。
『グラントリノ(2009)』
朝鮮戦争の帰還兵であり過去にフォード社の工場に勤めていた頑固で偏屈な老人ウォルト(クリント・イーストウッド)は、隣人であるモン族のタオが彼の大切にしている72年型グラントリノを盗み出そうとしているところを見つけるのだがタオは同じくモン族のストリートギャングに命令され盗もうとしたことを知る。
この出来事がきっかけでタオの家族と親しくなったウォルトだったが、彼の存在を良く思っていないギャングからの報復が彼とタオの家族を襲う。ウォルトは全ての決着をつけるため、ある作戦を胸に秘め、単身でギャングの住処へと乗り込む。
ちなみに本作に登場するグラントリノは72年型。1972年といえばクリント・イーストウッドの代表作『ダーティハリー』が公開されたまさにその年です。これはおそらく偶然の一致ではないでしょう。
また、クリント・イーストウッドの息子であるスコット・イーストウッドは本作にスコット・リーヴス名義でちょい役で登場していたりします。息子をこっそり出しちゃうあたり、怖い顔して実は親バカなのかもしれませんねw
そんなスコット・イーストウッドが出演しているのが今年公開されたこの作品
『ワイルド・スピードICE BREAK(2017)』
以前にも当ブログで取り上げた本作でスコット・イーストウッドが演じているのはMr.ノーバディ(カート・ラッセル)の助手であるリトル・ノーバディ(彼自身はこの呼び方を良くは思っていないが)
リトル・ノーバディの愛車は残念ながら72年型フォード グラントリノではなくスバルBRZとスバルWRX STIだ。これはおそらく前作までメインで登場していたブライアンの愛車が日本車だったことを受けての事だろう。
もしワイルドスピードシリーズの次回作にリトルノーバディが続投するのなら先人の凄腕工作員ビッグ・ノーバディとしてクリント・イーストウッドを登場させ、彼の愛車である72年型フォード グラントリノをリトル・ノーバディが受け継ぐという激アツ展開に期待したい(絶対に無いw)
そんなスコット・イーストウッドが、今度は高級クラシックカー専門の強盗役で主演を務める作品が9月22日に公開される
『スクランブル(2017)』
あらすじ
誰も思いつかない手口を使い、いかに美しく、そして完璧に車を盗むかをモットーにする高級クラシックカー専門の強盗団・フォスター兄弟。彼らの今回のターゲットはオークション会場から搬出された世界に2台しかない37年型ブガッティ。しかし、その作戦は失敗に終わり、落札したマフィアのモリエールによって、兄弟は囚われの身となってしまう。命が助かる条件として提示されたのが、モリエールと敵対するマフィアが所有する62年型フェラーリを1週間以内に盗むことだった。フォスター兄弟は一流ハッカー、天才スリ、爆弾オタクたちを従え、「走る芸術品」と称される3800万ドルの62年型フェラーリ250GTO強奪ミッションに挑む。 映画.comより引用
今作ではイタ車がメインに登場する感じなのでアメ車のグラントリノが出てくることはなさそうだな…とちょっとガッカリ。
ただ今作の監督であるアントニオ・ネグレの前作『トランジット(2012)』(Netflixで配信中)のカーアクションもなかなかでしたし、製作にはムッキムキに肉体改造したショーン・ペンのアクションが最高の『ザ・ガンマン(2016)』や『パリより愛を込めて(2010)』『96時間(2009)』『ローグ・アサシン(2007)』のピエール・モレル、脚本には『3時10分、決断のとき(2009)』『ウォンテッド(2008)』のマイケル・ブラントとデレク・ハースコンビ(ちなみにデレク・ハースは『ワイルドスピードX2』の脚本も担当)という期待できるメンツが揃っているので何はともあれ楽しみである。
そういえば最近、世界で1台しか製造されなかった貴重な69年型フェラーリ デイトナのアルミ製車両が岐阜県の納屋から発見されたってニュースになってたなー。
映画『スパイダーマン:ホームカミング』ネタバレあり イースターエッグ 雑記
『スパイダーマン:ホームカミング(2017)』
監督
キャスト
ヴァルチャー/エイドリアン・トゥームス/マイケル・キートン
アイアンマン/トニー・スターク/ロバート・ダウニーJr.
ショッカー1/ジャクソン・ブライス/ローガン・マーシャル=グリーン
ショッカー2/ハーマン・シュルツ/ボキーム・ウッドバイン
ネッド/ジェイコブ・バタロン
アント・メイ/マリサ・トメイ
ミシュル/ゼン・デイヤ
リズ/ローラ・ハリヤー
ハッピー・ホーガン/ジョン・ファブロー
etc.
あらすじ
スパイダーマンの実写化2度目のリブート
※ここから先はネタバレを含みます、本作品を鑑賞後に読むことをお勧めします
バットマンはバードマンを経てヴァルチャーになった
今作のメインヴィランであるヴァルチャーを演じるのは『バットマン(1989)』『バットマン リターンズ(1992)』でバットマンを演じその後『バードマン(2015)』でバードマンを演じたマイケルキートン。
『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) (2015)』の記事はこちら
ダメージコントロール社とは
ダメージコントロール社とはマーベルユニバースでヒーローたちがヴィランとの戦いで破壊した街の復旧を受け持つ会社で現在コメディ作品としてドラマの制作も計画されている。
実は『アイアンマン(2008)』の時点でMCUに存在することが分かっていた。(画面下のテロップに注目)
『アベンジャーズ(2012)』のオマージュ
アベンジャーズのお面を被ったATM強盗を退治するシーンでスパイダーマンが『ハルク!ソー!やっと会えたね!』と言うのは『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)』に彼らが参戦していなかったからで。スパイダーマンがソーのお面をした強盗にハルクのお面をした強盗を殴らせるシーンは『アベンジャーズ(2012)』でハルクがソーを殴ったシーンのオマージュ。ピーターはこの場に居合わせていないのでたまたまだとは思いますが。
またこのシーンとそっくりなエピソードが原作の"Ultimate Spider-man #42"にあり、原作ではキャプテンアメリカ、アイアンマンの他にバットマンのようなお面をつけた強盗がいる。映画ではさすがに無かったが。
綺麗すぎるメイおばさん
綺麗すぎるメイおばさん改めメイおねえさんことマリサ・トメイはトニー・スタークことロバート・ダウニーJr.と1980年代に交際しており『オンリー・ユー(1994)』では恋人役で共演している 。
しかしメイおねえさんはピーターと食事をしている時「トニー・スタークは嫌い」とはっきり言ってしまっているのでよっぽどのことがない限り今作では二人の恋は実らなさそうだ。
ちなみにこの時二人が食事をしているタイレストランの隣にある韓国料理屋の店名が「アスガルド」らしい。
ピーターの通うミッドタウン高校の校長先生であるモリタは『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』に登場した先鋭部隊ハウリングコマンドーの日系人の隊員ジム・モリタの孫で、演じているのはどちらもケネス・チョイだ。
また『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)』で戦犯になってしまったキャップの教材ビデオが未だにミッドタウン高校で使われ続けているのはモリタ校長の方針で、おそらく子供の頃から祖父から戦時中ヒドラの捕虜になっていたところをキャップに助けられた話を聞かされて育ったのだろう。
スーツ・レディ=カレン
ピーターがスパイダースーツの"補助輪モード"を解除したことで使用可能になったアシスタントA.I.スーツ・レディ改めカレンの声を演じたのはジェニファー・コネリーで、彼女はMCUじゃない方の『ハルク(2003)』でブルース・バナーの恋人のベティを演じていました。『ダークシティ(1998)』とかでも魅力的なヒロインを演じてたから個人的には『インクレディブル・ハルク(2008)』のリヴ・タイラーより好き。
またジェニファー・コネリーは私生活でアイアンマンのアシスタントA.I.であるJ.A.R.V.I.S.の声を演じ『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』からヴィジョンを演じているポール・ベタニーの婚約者でもあります。
夫婦揃ってトニー・スタークの作ったA.I.にキャスティングされているのってなんだか面白いですね。
ハリントン先生
ピーターの所属する学力コンテストクラブの顧問であるハリントン先生を演じたマーティンスターもまた過去にマーベル作品にちょい役で登場しておりこちらはMCUの方の『インクレディブル・ハルク(2008)』でバナーがもともと勤めていた研究所の研究員役でカメオ出演しておりこの、キャラとハリントン先生との関係は不明。どうせなら兄弟か親戚という設定にしてほしい。
過去のスパイダーマン映画に対するオマージュ
ワシントン記念塔のエレベーターで落下するリズをウェブで助けるシーンは『アメイジングスパイダーマン2 (2014)』の終盤、時計台から落下するグウェンをギリギリのところで助けられなかったトラウマシーンのオマージュで。リズを助けた後、逆さになったピーターにカレンが「キスをするなら今です」と言うのは『スパイダーマン(2002)』で最も有名な逆さになった状態でのキスシーンのオマージュ。
どちらのオマージュも元のシーンとは全く違う結果になっているのは今回のスパイダーマンは今までのスパイダーマンとは全く別物、ということを表しているのでしょうか。
またワシントン記念公園といえば『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』でキャップとサムがランニングをしていたりS.H.I.E.L.Dの中心基地トリスケリオンが立っていた場所だったが今作を観る限りでは建物の姿が見えなかったのでヘリキャリアが墜落して崩壊した後、再建されることはなかったのだろう。
MCUにマイルズ・モラレスが存在する可能性
マイルズ・モラレスとはマーベルコミックスの平行世界アルティメットユニバースで死亡したピーター・パーカーの後を継いで新しいスパイダーマンになった黒人の少年である。
マイルズは俳優のドナルド・グローヴァーがスパイダーマンのリブート作品で主人公役に立候補し、結局は採用されることはなかったがこの事を知ったライターのブライアン・マイケル・ベンディスがコミックに登場させたキャラクターで、ドナルド・グローヴァーはその後アニメ版のマイルズスパイダーマンの声を演じることになった。
そしてなんとそのドナルド・グローヴァーが今回の映画にちょい役で登場している。ヴァルチャーの組織と武器の取引をしていたアーロン・デイヴィスという青年で彼はピーターとの会話で近所に甥っ子が住んでいる事を話している。
アーロン・デイヴィスとは原作コミックでマイルズ。モラレスの叔父にあたるキャラクターで自身もプロウラーというヴィランである。
つまり彼の言った甥っ子とはマイルズのことでMCUにもう一人のスパイダーマンが登場する伏線かもしくはファンサービスだろう。
原作のプロウラーとマイルズスパイダーマン
ピーターの親友ネッド
原作でのネッドは映画の彼とは似ても似つかない容姿をしたでイリービューグルの記者で後にホブゴブリンというヴィランになってしまう。
映画でのネッドはどちらかというとアルティメットスパイダーマンのマイルズ・モラレスの親友ガンケに見た目も性格もレゴが好きなところもそっくりだ。
もし映画のネッドがコミックのネッドとガンケの設定をミックスしたキャラになるとしたらもしかすると今後の作品でヴィランのホブゴブリンになってしまうのかもしれない。
今後のシルク登場の伏線か
ピーターの所属している学力コンテストクラブの部員にシンディというアジア系の女の子がいます。彼女は原作コミックでピーターと同じ蜘蛛に噛まれた蜘蛛女のシルクことシンディ・ムーンではないかと言われています。もしかしたらすでに蜘蛛に噛まれていて今後の作品でシルクになるのかもしれません。
ナンバープレートの数字"SM2-0563"
スパイダーマンの後ろにある車のナンバープレートに書かれている数列に注目してください。
ここに書かれている"SM2-0563"とは"SM2"="Spider-Man #2(スパイダーマンの2巻)" "0563"="5 1963(1963年の5月)" と読み取ることができ、1963年 5月に発売された"Spider-Man #2"とはマイケルキートンの演じるヴィラン、ヴァルチャーが初めて登場したエピソードです。
2人のヴェノム、ガーガンとフラッシュ
ヴァルチャーがフェリーで取引をしていた男の名前はマック・ガーガン。彼は原作ではジェイ・ジョナ・ジェイムソンの命令でスパイダーマンを倒すため特殊な処置を施しサソリの力を得たスコーピオンというヴィランで映画でも彼の首にサソリのタトゥーが彫られている。
その後マック・ガーガンはシンビオートの宿主になり三代目のヴェノムになった。
また、これまでの作品ではジョックだったが今作では陰キャのくせにピーターをペニス・パーカーと呼んでイジっているフラッシュ・トンプソンも原作ではシンビオートの宿主になりエージェント・ヴェノムとしてヒーロー活動をしていました。
現在ソニーからトム・ハーディ主演で映画『ヴェノム』の制作か計画されているのでもしかしたら彼がヴェノムになることがあるかもしれない。
また噂程度の話だが同じくSONY制作のSF宇宙パニック『ライフ』がヴェノムの前日譚ではないかと海外で言われているがさすがにそれはないだろ…
この映画もなかなか面白かったので気が向いたら感想記事を書いてみようと思う。
ショッカー
『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)』に登場したクロスボーンズのガントレットをチタウリやダークエルフ、ウルトロンなどの技術を加え強化したものを装備したヴィランで映画前半はジャクソン・ブライスだったが色々あってハーマン・シュルツが代わりを務めることになった。
わざわざこんないかしたスーツまで作られたのに結局映画では使われなくて残念。ハーマンがまだ生きてるので次登場する時は着ててほしい。
また、Netflixのドラマ『ルークケイジ(2016)』にこれをさらに小型化したようなガントレットをダイアモンドバックが装備している。制作したのは『アイアンマン2 (2010)』に登場したジャスティン・ハマーのハマーインダストリーズだがヴァルチャーが刑務所に送られたことでガントレットや技術者がハマー社に移ったと考えるとおもしろい。
ティンカラー
ヴァルチャーの部下でメカニックのティンカラーは原作にも登場するマッドサイエンティストで映画の中で彼が作ったグラヴィティガンの形状は原作のものに非常によく似ている。
キャップの新型シールドとソーの魔法のベルト
ハッピーがアベンジャーズマンションを飛び立つ貨物機に積み込んだ荷物にハルクバスター、キャプテンアメリカの新型シールドの試作品、ソーの魔法のベルト、というものがあると言っていました。
キャプテンアメリカの新型の盾とは『エージェント・オブ・シールド シーズン4』に出てきたコールソンのエナジーシールドの改良版でコミックのキャプテンアメリカが一時期使っていた物だと予測できます。
ソーの魔法のベルトとはメギンギョルドと呼ばれるもので原作では身につけることでソーのパワーが大幅に増大した。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル』か『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で使われることになるのだろうか。
また『アイアンマン(2008)』から登場しているポンコツアームロボットのDum-E(ダミー)くんが荷物を整理する手伝いをしています、彼は『アイアンマン3(2013)』でトニーの別荘ごと海に落ちましたが映画の最後でトニーに無事回収されて今回はれて復活となりました。
Dum-Eくんはトニーが学生時代に作ったロボットなので相当思い入れがあるのでしょう。
海外ではトニーとDum-Eくんのスラッシュが書かれるほどだそうです。
The Amazing Spider-Man #33からの引用
ヴァルチャーの崩した瓦礫の下敷きになってしまい絶望したスパイダーマンが最後の力を振り絞って瓦礫を持ち上げるシーンは原作の"The Amazing Spider-Man #33"の有名なシーンからの引用です。
また、このシーンは『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』でもオマージュされていました。
コニーアイランドのサイクロン
バルチャーが連行されるのをスパイダーマンが座って眺めていたのはニューヨークのコニーアイランドで1927年から今も現役で運行している木製のジェットコースター「サイクロン」。
「サイクロン」は『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』でスティーブとバッキーが子供のころ一緒に乗ったという話をしていた。
ミシェルがまさかの…
映画終盤ミシェルが自分が友達にMJと呼ばれていることを明かした。(本当に友達がいるのかは不明だが)
常に無気力そうな彼女が終始ピーターに対して気があるようなそぶりを見せていたからまさかと思ったが彼女がMJだったとは思いもしなかった、ゼン・デイヤの演技はとても魅力的なものだったので今後ピーターと恋仲になっていくのが楽しみだ。
虎の着ぐるみを着た生徒が廊下を横切るシーンが何度かあったがあれは原作でMJがピーターのことをタイガーと呼んでいてMJが登場することの伏線だったのだろうか。
新型スパイダースーツと正しい選択
トニーがピーターのために開発した新型のスーツは原作の『シビルウォー』でトニーが開発したアイアンスパイダースーツと現在連載中のスパイダーマンが来ているスーツを掛け合わせたデザインでした。
トニーはピーターに新しいスーツを与え会見で彼の正体を世間に公表するつもりでしたがピーターはそれを断ります。コミック『シビルウォー』ではピーターが世間に正体を明かしたことがきっかけで彼を狙った殺し屋にメイおばさんが誤って射殺されてしまいます(邦訳版も出ている『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』より)。よって今作のピーターの選択は正しかったと言えます。
ちなみに、この時ピーターが着ているTシャツは『アイアンマン3(2013)』でペッパーが着ていたのと全く同じ柄です。
時系列の矛盾について
『スパイダーマン/ホームカミング』は『キャプテンアメリカ/シビルウォー』の6ヶ月後で2016年の出来事です、しかし冒頭の『アベンジャーズ』のNY決戦直後と思われる場面から現在に移り変わるシーンで「8年後」という字幕が出ることから2012年の8年後は2020年となるので矛盾が生じると言われています。
しかし映画の公開日が2012年のため映画内の時間も2012年と思われがちな『アベンジャーズ』ですが実際は細かい年数なんかは明言されていないわけで後付けでアベンジャーズは2008年の出来事ということになった、と思うしかないと思います。
海外では『ドクター・ストレンジ』でストレンジがタイムストーンで何度も時間を巻き戻したからそれが原因で時空が歪んだという説が提唱されているらしいがそれはさすがに無理あるかなって感じです。
また『アベンジャーズ』が2008年の出来事になると同じ1週間の間で起きたとされる『アイアンマン2』でアイアンマンのマスクをつけてスタークエキスポに参加していた少年がピーター・パーカーであるという説にも信憑性が増すという副産物もあります。
ピーターは高校2年生で17歳、8年前は9歳。9歳にしてはちょっと小さすぎる気もするけど12歳って言われるよりは信憑生がある。
ちなみに、ハッピーの車で空港に向かうシーンで窓の外にスタークエキスポの地球儀がチラッと映ってます、意味ありげ。
ハワード・スターク、アースキン、ブルース・バナー
リンカーンやアインシュタインの描かれた壁にハワード・スタークやアースキン博士の顔も描かれています。
理科室にはブルース・バナーの写真も。
エンドロール後
MCU作品ではすっかりおなじみになったエンドロール後の映像ですが今回はクリフハンガーではなくてキャップが「忍耐力は大切」ということを説教してくれる映像でした。これってクリフハンガーを期待してバカみたいにエンドロールを我慢して観てる観客に対する嫌味だよねwこの肩透かしを食らう感じは『デッドプール(2015)』のエンドロール後の「まだいたの?」に近いものを感じた。
ということで、ここまで記事を読んでくれたあなたの忍耐力はすごい!
映画『ダーク・タワー(2017)』トレイラー解説/考察
『ダーク・タワー(2017)』
あらすじ
全ての平行世界を繋ぎ、支えているという塔「ダーク・タワー」を倒壊させ世界を破滅させようと目論む"黒衣の男(マシュー・マコノヒー)"とそれを阻止しようとする最後のガンスリンガーの生き残りローランド・デスチェイン(イドリス・エルバ)との戦いにNYに住む少年ジェイクは巻き込まれていく。
第一弾トレイラー
繋がりその1 『シャイニング』のオーバールックホテル
ジェイクをカウンセリングする男性の本棚に置かれた『シャイニング』に登場するオーバールックホテルの写真。
繋がりその2 『IT』の殺人ピエロペニーワイズ
ジェイクが迷い込んだ遊園地の廃墟に『IT』に登場する殺人ピエロ、ペニーワイズの名前の書かれた看板と地面に埋まった風船を持ったピエロの手。
『IT』といえば今年リメイク作が公開されることが決まっているので、こちらでも本作との繋がりが言及されるかも気になります。
と、このように分かる人なら見た瞬間あれだ!ってなるようなイースターエッグが隠されていて度肝を抜かれたわけですが、さらに追い討ちをかけるように公開された動画がこちら。
第一弾トレーラーで映し出された『IT』や『シャイニング』を含めたイースターエッグの数々を30秒で紹介しています。
繋がりその3 『ショーシャンクの空に』のポスター
壁に貼られているのは『ショーシャンクの空に』で刑務所の壁に開けた穴を隠すために貼られていたポスターと同じ物。
女性が散歩させているのは『クジョー』に出てきた狂犬病にかかってしまい凶暴化したセントバーナードのクジョー。つまりこの女性はチャリティー・キャンバーなのでしょうか?
繋がりその5 『クリスティーン』の殺人車クリスティーン
ジェイク?が遊んでいる赤い1958年型のプリムス・フューリーのミニカーは『クリスティーン』に登場する自我を持った殺人車クリスティーン。
繋がりその6 『ミスター・メルセデス』のマーク
壁に描かれているのは2014年に刊行されたばかりで今年の8月からドラマがスタートする『ミスター・メルセデス』に登場するベンツに乗った連続殺人鬼ミスター・メルセデスのものと思われる。
繋がりその7 『ミザリー』の小説
『ミザリー』に出てくる主人公が拉致監禁されるきっかけになった人気小説ミザリーシリーズの最終巻『ミザリーの子供』
繋がりその8 『1408号室』より14-08の数字
まとめ
いかがだったでしょうか。キング作品では今までも作品同士の繋がりが言及されることはありましたが、今作が今まで以上にそのような繋がりを暗示するイースターエッグが多く組み込まれているのはやはり『ダークタワー』がスティーブン・キング・ユニバースの中核に位置する作品だからだと思います。
今作に加え『スタンド・バイ・ミー』や『デッド・ゾーン』『ニード・フル・シングス』の舞台である架空の街キャッスルロックを舞台にしたドラマ『キャッスルロック』や今秋に公開を控えたリメイク版『IT』などが立て続けに制作されているのはもしかしたらスティーブン・キング・シネマティック・ユニバースが本格的に指導する前触れなのかもしれません。
映画『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) (2015)』ネタバレあり レビュー 感想「マイケル・キートン ストライクスアゲイン」
マイケル・キートンストライクスアゲイン
今回紹介する映画は2015年のアカデミー賞で9部門にノミネートされ、作品賞などその年の最多4部門を受賞したこの作品。
『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) (2015)』
監督
アレハンドロ・G・イニャリトゥ
役名/キャスト
リーガン/マイケルキートン
サム/エマ・ストーン
マイク/エドワード・ノートン
ジェイク/ザック・ガリフィアナキス
レズリー/ナオミ・ワッツ
あらすじ
過去に人気スーパーヒーロー”バードマン”を演じ一斉を風靡したリーガン。その後、ヒット作に恵まれず世間から忘れさられていた彼はブロードウェイで自身が主演する舞台を企画し一世一代の挑戦に出る。
注意:以下ネタバレを含みます
崩壊しかけた家族とその家族の再生
本作の監督でもあるアレハンドロ・G・イニャリトゥの過去作『21グラム』『バベル』『BEAUTIFUL ビューティフル』に共通するのはどの作品も崩壊しかけた家族とその家族の再生を描いているということです。そのテーマは本作『バードマン』にも共通していて。リーガンは妻ローラと離婚、娘のサムはグレてしまい元薬物依存症です。
ノーカット長回しにより現実と虚構の境目がシームレスに
ノーカット長回し映画といえば邦画では三谷幸喜監督の『大空港2013』や『shoot cut』などがありますがどちらの作品も舞台監督でもある三谷幸喜が「舞台でやっていることをそのまま映画でやってしまえば面白いだろう」という安直なアイデア一本勝負であり、ただの技術の見せびらかしに終わってしまっています。
しかし今作ではノーカット長回しという演出が、ストーリー上で大きな役割を担っています。
リーガンが舞台の楽屋でブリーフ一丁で空中であぐらをかいているシーンから映画は始まります。しかしこれはリーガンの幻想で現実ではありません。しかし本作は最初から最後までワンカット長回し(実際はCGで映像をつないでいる)で進行していくため現実と幻覚の境目がシームレスに映し出されるためその境目が曖昧になります。
これは『クローバー・フィールド』でカメラのビデオテープを重ね取りしているという設定を生かし。ニューヨークを襲う怪獣の映像(非現実)に、仲むずまじい主人公とその彼女の過去の映像(現実)を度々カットインさせることで、現実と非現実のギャップを生み出しす方法とは全く逆の演出です。
その後もリーガンは手に触れずにテレビの電源を切ったり、花瓶を割ったり、ビルの上から飛び降りたと思ったら、そのままニューヨークの空を飛び回ったりしますが、どこからが本当のことでどこまでが嘘なのかだんだん分からなくなっていきます。
また映画の中の人物であるリーガンが、過去にバードマンを演じていたように、彼を演じたマイケルキートンもまた、過去にスーパーヒーローであるバットマンを演じていたりと、二人に多くの共通点があることから映画と現実の境目すら曖昧になっています。
『バットマン』『バットマン リターンズ』のマイケル・キートン版バットマン
リーガンのもう一つの人格「バードマン」
リーガンの頭の中で彼に語りかける声、それは彼が過去に演じたキャラクター「バードマン」です。バードマンはリーガンに「演劇なんてやめてしまえ、お前にはヒーロー映画の方が向いている」とそそのかします。しかしそれはリーガンの本心なのかもしれません。
ジェレミー・レナー?誰だそれ
映画序盤、リハーサル中の事故により出演出来なくなったラルフの代役を誰にするかをリーガンとジェイクが話し合うシーンでこのような会話があります。
リーガン「マイケル・ファスベンダーは」
ジェイク「『X-MEN:フューチャー&パスト』の撮影中」
リーガン「ジェレミー・レナーは」
ジェイク「誰だ?」
ジェイク「『アベンジャーズ』に出てる」
リーガン「あいつもスーパーヒーローなのか、信じられん」
リーガンがヒーロー映画に嫌気がさしていることがよく分かります。そしてリーガンがジェイクにジェレミー・レナーと言ってすぐに誰のことか分からなかったことで「ヒーロー映画俳優=名前を覚えてもらえない」というイメージがあることが分かります。実際、演じた役の名前を言えても演じた俳優の名前が出ない人も少なくはないはずです。
『X-MEN』シリーズでマイケル・ファスベンダーが演じたマグニートー
チャンスが来なかったのではなく自分でチャンスを蹴っていた
雑誌のライターからインタビューを受けるリーガンは20年前に『バードマン4』のオファーを断ったことを明かしました。つまり世間は彼にまたヒーロー映画に出て欲しいと思っているのにも関わらずリーガンはそれを拒否し演劇の世界で売り出そうとしていることがわかります。
また、リーガンを演じたマイケル・キートンもハリウッドの「ヒットした作品は続編を作る」という方針をよく思っておらず『バットマン』の時もティム・バートンが3作目では監督を降板すると知って主演をヴァル・キルマーに譲りました。
「バードマンは神話のイカロスに…」
リーガンはインタビュー中「バードマンは神話のイカロスに…」と言いかけました。
イカロスとはギリシア神話に登場する蝋でできた鳥の羽を持った人物。ある時、イカロスが太陽を目指して飛んでいくと太陽熱で翼が溶けてしまい、墜落し死亡したとされています。
つまりリーガンはバードマンをという蝋の翼で映画スターへの道を順調に進んでいたがイカロスが己の傲慢さから死を遂げてしまったように、自分も酷評されスターになれずに堕落するのを恐れてバードマンを演じるのをやめたのでしょう。
「お前の半分の才能もない男が、ブリキの木こりの格好をして大儲けしてる」
ブリキの木こりというのはニュース映像に映っていたロバート・ダウニーJr.の演じるアイアンマンのことです。
バードマンは「我々は本物だろ?リーガン。全てを手に入れ、手放した。天の国への鍵をキザな役者共に渡した。」とリーガンに語りかけます。要するに「ヒーロー映画俳優として一躍有名になったのにも関わらず、自らその世界から退き、スターへの切符を若手俳優に譲ってしまった。」ということを言いたいのでしょう。これはマイケル・キートンの人生そのものではないでしょうか。
飛行機の中でジョージ・クルーニーと乗り合わせた
過去に、ジョージ・クルーニーと同じ飛行機に乗り合わせたリーガンは、その飛行機が墜落したら新聞の記事には自分の名前ではなくジョージクルーニーの名前が書かれ自分は世間に知られることなく死んでいくのだと考えた。と言いました。
ジョージ・クルーニー、彼も、マイケル・キートン同様『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』でバットマンを演じた俳優でした。しかしジョージ・クルーニーはそもそもバットマンを演じる前からトレンディ俳優であり『バットマン&ロビン』は大コケしたもののその後、ヒット作に恵まれました。一方、リーガンを演じたマイケル・キートンはというと…。
しかし、さすがにマイケル・キートンが飛行機事故で死んだら新聞の記事に載らないという事は無いでしょう。つまりこれはリーガンの考えすぎと取ることもできます。
『バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲』のジョージ・クルーニー版バットマン
「バードスーツの中に誰がいたのかみんな忘れた」
これもまたリーガンの被害妄想でしかないことがバーや街中でリーガンを見た一般人が彼の名前をちゃんと覚えていたことから分かります。
『バードマンvsスーパーマン』?
リーガンがビルの屋上から飛び降りるシーン、よく見ると後ろの方にスーパーマンの映画『マン・オブ・スティール』の広告が!
本作の撮影が行われたのは2013年、ちょうど『マン・オブ・スティール』が公開されていた時期と被っています。たまたま写ってしまったのでしょうか?それとも監督の遊び心?
「俺は存在しない」
舞台『愛について語るときに我々の語ること』でリーガンが演じるエドは妻に愛されていないことを知り、生きる意味を失い「俺は存在しない。ここにさえ。」と言い放ち銃で自分の頭を撃ち抜きます。
「この芝居は俺自身の出来損ないのミニチュアだ」
リーガンが「この芝居は俺自身の出来損ないのミニチュアだ」と言ったように、マイケル・キートンの人生と本作の主人公であるリーガンは似ていて、さらにリーガンと彼の演じた『愛について語るときに我々の語ること』のエドも似ています。これはまるでマトリョーシカのような構造です。
『シャイニング』へのオマージュ
劇場の裏方の廊下の床の柄をよく見ると『シャイニング』のオーバールック・ホテルの床の柄にそっくりだということが分かります。リーガンは『シャイニング』のジャックと同様に、話が進むにつれて徐々に精神を破綻させていきます。
そしてリーガンと元妻のローラが喧嘩をした時にバスルームに篭ったという話をしてるのも有名なこのシーンへのオマージュのようにも取れます。(考えすぎか?)
また
『シャイニング』でジャック・トランスを演じたジャック・ニコルソンはマイケル・キートンがブルース・ウェインを演じたティムバートン版『バットマン』で宿敵ジョーカーを演じています。
リーガンの確立したスーパーリアリズム
実弾で自分の頭を撃ち抜こうとしたリーガンでしたが弾は「バードマンにはならない」という無駄なプライドの鼻っ柱をへし折るどころか文字通り実際の鼻をぶち抜きました。リーガンは舞台上で一度死に、新しく取り付けられた人工の鼻はまるで鳥のくちばし。復活した彼はバードマンという役と一体化を果たしたのです。
自分の頭を撃ち抜き死ぬことでもう一人の自分も道連れにしようとするのは本作にも出演しているエドワード・ノートン主演の『ファイトクラブ』のラストにも似ています。ちなみにエドワード・ノートンはマーベルのヒーロー映画『インクレディブル ハルク』にも出演しており、この作品も主人公の二面性が主題となっています。
序盤のラルフの頭に照明が落ちてきたシーンで、リーガンが「あんなに下手くそな役者は今までに見たことがない。まともなのは耳から流れてきた血だけだ。」と言っていたいたのが伏線になっています。
また、病室で目覚めたリーガンの顔に貼られた包帯は『オペラ座の怪人』へのオマージュで向かいのMAJESTIC劇場の『オペラ座の怪人(PHANTOM)』の看板が何度か映るのはこのシーンへの伏線となっています。
サブリミナル的に挿入される映像
リーガンが実弾で自分を撃った時、この映画で初めてカットが変わり意味深なイメージ映像が挿入されます
クラゲ
海から砂浜に打ち上げられた大量のクラゲを鳥が突ついている映像が映し出されます。リーガンが最後の結婚記念日に浮気をしていることが妻にバレ、海でわざと溺れて自殺しようとした時、海にいたクラゲに刺され一心不乱に陸に上がったことで自殺を思いとどまったと話していたのと何か関係しているのでしょうか。
隕石
冒頭でも挿入された、二つの尾を引いた隕石の映像がこのシーンでもまた映し出されます。この二本の尾はリーガンとバードマンという二面性の象徴とも取れます。
また、隕石といえばイニャリトゥ監督が翌年に制作した『レヴェナント 蘇りし者』でもあるシーンで隕石が降り注ぎます。監督はこの隕石について特に何も語っていませんが2作品連続で出してきたので何か考えがあるのでしょうか。
「みんなあなたを待ってるわ」
楽屋に居るリーガンを内線で呼ぶ女性の声が何度かこのセリフを言います。深読みかもしれませんがこのセリフは「リーガンが映画界の表舞台に戻ってくることを世間のみんなが待っている」ということを暗示しているのかもしれません。
ラストシーンでサムが見たもの
サムが病室に戻るとそこにリーガンお姿はなく彼女は彼が飛び降りたのではないかと思い慌てて窓の外を見ます。リーガンを探すサムが空を見上げ、何かを見た彼女が微笑んで映画は終わります。これはリーガンが退院後『バードマン4 不死鳥の復活』に出演し、ヒーロー映画界に復活を果たしたことを暗示しているとも取れます。
過去の栄光『バードマン』はリーガンにとって重荷ではなく翼だったのです。
そして…
『マイケル・キートン:ホームカミング』!
映画ではリーガンがバードマンとしてヒーロー映画界に復帰しますが彼を演じたマイケル・キートンも同じく『スパイダーマン:ホーム・カミング』でヴィランのヴァルチャーとしてヒーロー映画界に帰ってきます!
ヴァルチャーとはその名の通りハゲタカのようなヴィランでまさにバードマン(鳥男)!意図的にキャスティングしたとしたらこれほどぴったりな配役は他に無いでしょう!
映画『バードマン』の中で現実と幻想の境界が曖昧だったように映画の中の出来事が現実になったのです!『スパイダーマン:ホーム・カミング』での彼の活躍が楽しみで仕方ありません。