映画『スパイダーマン:ホームカミング』ネタバレあり イースターエッグ 雑記
『スパイダーマン:ホームカミング(2017)』
監督
キャスト
ヴァルチャー/エイドリアン・トゥームス/マイケル・キートン
アイアンマン/トニー・スターク/ロバート・ダウニーJr.
ショッカー1/ジャクソン・ブライス/ローガン・マーシャル=グリーン
ショッカー2/ハーマン・シュルツ/ボキーム・ウッドバイン
ネッド/ジェイコブ・バタロン
アント・メイ/マリサ・トメイ
ミシュル/ゼン・デイヤ
リズ/ローラ・ハリヤー
ハッピー・ホーガン/ジョン・ファブロー
etc.
あらすじ
スパイダーマンの実写化2度目のリブート
※ここから先はネタバレを含みます、本作品を鑑賞後に読むことをお勧めします
バットマンはバードマンを経てヴァルチャーになった
今作のメインヴィランであるヴァルチャーを演じるのは『バットマン(1989)』『バットマン リターンズ(1992)』でバットマンを演じその後『バードマン(2015)』でバードマンを演じたマイケルキートン。
『バードマンあるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡) (2015)』の記事はこちら
ダメージコントロール社とは
ダメージコントロール社とはマーベルユニバースでヒーローたちがヴィランとの戦いで破壊した街の復旧を受け持つ会社で現在コメディ作品としてドラマの制作も計画されている。
実は『アイアンマン(2008)』の時点でMCUに存在することが分かっていた。(画面下のテロップに注目)
『アベンジャーズ(2012)』のオマージュ
アベンジャーズのお面を被ったATM強盗を退治するシーンでスパイダーマンが『ハルク!ソー!やっと会えたね!』と言うのは『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)』に彼らが参戦していなかったからで。スパイダーマンがソーのお面をした強盗にハルクのお面をした強盗を殴らせるシーンは『アベンジャーズ(2012)』でハルクがソーを殴ったシーンのオマージュ。ピーターはこの場に居合わせていないのでたまたまだとは思いますが。
またこのシーンとそっくりなエピソードが原作の"Ultimate Spider-man #42"にあり、原作ではキャプテンアメリカ、アイアンマンの他にバットマンのようなお面をつけた強盗がいる。映画ではさすがに無かったが。
綺麗すぎるメイおばさん
綺麗すぎるメイおばさん改めメイおねえさんことマリサ・トメイはトニー・スタークことロバート・ダウニーJr.と1980年代に交際しており『オンリー・ユー(1994)』では恋人役で共演している 。
しかしメイおねえさんはピーターと食事をしている時「トニー・スタークは嫌い」とはっきり言ってしまっているのでよっぽどのことがない限り今作では二人の恋は実らなさそうだ。
ちなみにこの時二人が食事をしているタイレストランの隣にある韓国料理屋の店名が「アスガルド」らしい。
ピーターの通うミッドタウン高校の校長先生であるモリタは『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』に登場した先鋭部隊ハウリングコマンドーの日系人の隊員ジム・モリタの孫で、演じているのはどちらもケネス・チョイだ。
また『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)』で戦犯になってしまったキャップの教材ビデオが未だにミッドタウン高校で使われ続けているのはモリタ校長の方針で、おそらく子供の頃から祖父から戦時中ヒドラの捕虜になっていたところをキャップに助けられた話を聞かされて育ったのだろう。
スーツ・レディ=カレン
ピーターがスパイダースーツの"補助輪モード"を解除したことで使用可能になったアシスタントA.I.スーツ・レディ改めカレンの声を演じたのはジェニファー・コネリーで、彼女はMCUじゃない方の『ハルク(2003)』でブルース・バナーの恋人のベティを演じていました。『ダークシティ(1998)』とかでも魅力的なヒロインを演じてたから個人的には『インクレディブル・ハルク(2008)』のリヴ・タイラーより好き。
またジェニファー・コネリーは私生活でアイアンマンのアシスタントA.I.であるJ.A.R.V.I.S.の声を演じ『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』からヴィジョンを演じているポール・ベタニーの婚約者でもあります。
夫婦揃ってトニー・スタークの作ったA.I.にキャスティングされているのってなんだか面白いですね。
ハリントン先生
ピーターの所属する学力コンテストクラブの顧問であるハリントン先生を演じたマーティンスターもまた過去にマーベル作品にちょい役で登場しておりこちらはMCUの方の『インクレディブル・ハルク(2008)』でバナーがもともと勤めていた研究所の研究員役でカメオ出演しておりこの、キャラとハリントン先生との関係は不明。どうせなら兄弟か親戚という設定にしてほしい。
過去のスパイダーマン映画に対するオマージュ
ワシントン記念塔のエレベーターで落下するリズをウェブで助けるシーンは『アメイジングスパイダーマン2 (2014)』の終盤、時計台から落下するグウェンをギリギリのところで助けられなかったトラウマシーンのオマージュで。リズを助けた後、逆さになったピーターにカレンが「キスをするなら今です」と言うのは『スパイダーマン(2002)』で最も有名な逆さになった状態でのキスシーンのオマージュ。
どちらのオマージュも元のシーンとは全く違う結果になっているのは今回のスパイダーマンは今までのスパイダーマンとは全く別物、ということを表しているのでしょうか。
またワシントン記念公園といえば『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』でキャップとサムがランニングをしていたりS.H.I.E.L.Dの中心基地トリスケリオンが立っていた場所だったが今作を観る限りでは建物の姿が見えなかったのでヘリキャリアが墜落して崩壊した後、再建されることはなかったのだろう。
MCUにマイルズ・モラレスが存在する可能性
マイルズ・モラレスとはマーベルコミックスの平行世界アルティメットユニバースで死亡したピーター・パーカーの後を継いで新しいスパイダーマンになった黒人の少年である。
マイルズは俳優のドナルド・グローヴァーがスパイダーマンのリブート作品で主人公役に立候補し、結局は採用されることはなかったがこの事を知ったライターのブライアン・マイケル・ベンディスがコミックに登場させたキャラクターで、ドナルド・グローヴァーはその後アニメ版のマイルズスパイダーマンの声を演じることになった。
そしてなんとそのドナルド・グローヴァーが今回の映画にちょい役で登場している。ヴァルチャーの組織と武器の取引をしていたアーロン・デイヴィスという青年で彼はピーターとの会話で近所に甥っ子が住んでいる事を話している。
アーロン・デイヴィスとは原作コミックでマイルズ。モラレスの叔父にあたるキャラクターで自身もプロウラーというヴィランである。
つまり彼の言った甥っ子とはマイルズのことでMCUにもう一人のスパイダーマンが登場する伏線かもしくはファンサービスだろう。
原作のプロウラーとマイルズスパイダーマン
ピーターの親友ネッド
原作でのネッドは映画の彼とは似ても似つかない容姿をしたでイリービューグルの記者で後にホブゴブリンというヴィランになってしまう。
映画でのネッドはどちらかというとアルティメットスパイダーマンのマイルズ・モラレスの親友ガンケに見た目も性格もレゴが好きなところもそっくりだ。
もし映画のネッドがコミックのネッドとガンケの設定をミックスしたキャラになるとしたらもしかすると今後の作品でヴィランのホブゴブリンになってしまうのかもしれない。
今後のシルク登場の伏線か
ピーターの所属している学力コンテストクラブの部員にシンディというアジア系の女の子がいます。彼女は原作コミックでピーターと同じ蜘蛛に噛まれた蜘蛛女のシルクことシンディ・ムーンではないかと言われています。もしかしたらすでに蜘蛛に噛まれていて今後の作品でシルクになるのかもしれません。
ナンバープレートの数字"SM2-0563"
スパイダーマンの後ろにある車のナンバープレートに書かれている数列に注目してください。
ここに書かれている"SM2-0563"とは"SM2"="Spider-Man #2(スパイダーマンの2巻)" "0563"="5 1963(1963年の5月)" と読み取ることができ、1963年 5月に発売された"Spider-Man #2"とはマイケルキートンの演じるヴィラン、ヴァルチャーが初めて登場したエピソードです。
2人のヴェノム、ガーガンとフラッシュ
ヴァルチャーがフェリーで取引をしていた男の名前はマック・ガーガン。彼は原作ではジェイ・ジョナ・ジェイムソンの命令でスパイダーマンを倒すため特殊な処置を施しサソリの力を得たスコーピオンというヴィランで映画でも彼の首にサソリのタトゥーが彫られている。
その後マック・ガーガンはシンビオートの宿主になり三代目のヴェノムになった。
また、これまでの作品ではジョックだったが今作では陰キャのくせにピーターをペニス・パーカーと呼んでイジっているフラッシュ・トンプソンも原作ではシンビオートの宿主になりエージェント・ヴェノムとしてヒーロー活動をしていました。
現在ソニーからトム・ハーディ主演で映画『ヴェノム』の制作か計画されているのでもしかしたら彼がヴェノムになることがあるかもしれない。
また噂程度の話だが同じくSONY制作のSF宇宙パニック『ライフ』がヴェノムの前日譚ではないかと海外で言われているがさすがにそれはないだろ…
この映画もなかなか面白かったので気が向いたら感想記事を書いてみようと思う。
ショッカー
『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー(2016)』に登場したクロスボーンズのガントレットをチタウリやダークエルフ、ウルトロンなどの技術を加え強化したものを装備したヴィランで映画前半はジャクソン・ブライスだったが色々あってハーマン・シュルツが代わりを務めることになった。
わざわざこんないかしたスーツまで作られたのに結局映画では使われなくて残念。ハーマンがまだ生きてるので次登場する時は着ててほしい。
また、Netflixのドラマ『ルークケイジ(2016)』にこれをさらに小型化したようなガントレットをダイアモンドバックが装備している。制作したのは『アイアンマン2 (2010)』に登場したジャスティン・ハマーのハマーインダストリーズだがヴァルチャーが刑務所に送られたことでガントレットや技術者がハマー社に移ったと考えるとおもしろい。
ティンカラー
ヴァルチャーの部下でメカニックのティンカラーは原作にも登場するマッドサイエンティストで映画の中で彼が作ったグラヴィティガンの形状は原作のものに非常によく似ている。
キャップの新型シールドとソーの魔法のベルト
ハッピーがアベンジャーズマンションを飛び立つ貨物機に積み込んだ荷物にハルクバスター、キャプテンアメリカの新型シールドの試作品、ソーの魔法のベルト、というものがあると言っていました。
キャプテンアメリカの新型の盾とは『エージェント・オブ・シールド シーズン4』に出てきたコールソンのエナジーシールドの改良版でコミックのキャプテンアメリカが一時期使っていた物だと予測できます。
ソーの魔法のベルトとはメギンギョルドと呼ばれるもので原作では身につけることでソーのパワーが大幅に増大した。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル』か『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』で使われることになるのだろうか。
また『アイアンマン(2008)』から登場しているポンコツアームロボットのDum-E(ダミー)くんが荷物を整理する手伝いをしています、彼は『アイアンマン3(2013)』でトニーの別荘ごと海に落ちましたが映画の最後でトニーに無事回収されて今回はれて復活となりました。
Dum-Eくんはトニーが学生時代に作ったロボットなので相当思い入れがあるのでしょう。
海外ではトニーとDum-Eくんのスラッシュが書かれるほどだそうです。
The Amazing Spider-Man #33からの引用
ヴァルチャーの崩した瓦礫の下敷きになってしまい絶望したスパイダーマンが最後の力を振り絞って瓦礫を持ち上げるシーンは原作の"The Amazing Spider-Man #33"の有名なシーンからの引用です。
また、このシーンは『キャプテン・アメリカ/シビル・ウォー』でもオマージュされていました。
コニーアイランドのサイクロン
バルチャーが連行されるのをスパイダーマンが座って眺めていたのはニューヨークのコニーアイランドで1927年から今も現役で運行している木製のジェットコースター「サイクロン」。
「サイクロン」は『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』でスティーブとバッキーが子供のころ一緒に乗ったという話をしていた。
ミシェルがまさかの…
映画終盤ミシェルが自分が友達にMJと呼ばれていることを明かした。(本当に友達がいるのかは不明だが)
常に無気力そうな彼女が終始ピーターに対して気があるようなそぶりを見せていたからまさかと思ったが彼女がMJだったとは思いもしなかった、ゼン・デイヤの演技はとても魅力的なものだったので今後ピーターと恋仲になっていくのが楽しみだ。
虎の着ぐるみを着た生徒が廊下を横切るシーンが何度かあったがあれは原作でMJがピーターのことをタイガーと呼んでいてMJが登場することの伏線だったのだろうか。
新型スパイダースーツと正しい選択
トニーがピーターのために開発した新型のスーツは原作の『シビルウォー』でトニーが開発したアイアンスパイダースーツと現在連載中のスパイダーマンが来ているスーツを掛け合わせたデザインでした。
トニーはピーターに新しいスーツを与え会見で彼の正体を世間に公表するつもりでしたがピーターはそれを断ります。コミック『シビルウォー』ではピーターが世間に正体を明かしたことがきっかけで彼を狙った殺し屋にメイおばさんが誤って射殺されてしまいます(邦訳版も出ている『スパイダーマン:ワン・モア・デイ』より)。よって今作のピーターの選択は正しかったと言えます。
ちなみに、この時ピーターが着ているTシャツは『アイアンマン3(2013)』でペッパーが着ていたのと全く同じ柄です。
時系列の矛盾について
『スパイダーマン/ホームカミング』は『キャプテンアメリカ/シビルウォー』の6ヶ月後で2016年の出来事です、しかし冒頭の『アベンジャーズ』のNY決戦直後と思われる場面から現在に移り変わるシーンで「8年後」という字幕が出ることから2012年の8年後は2020年となるので矛盾が生じると言われています。
しかし映画の公開日が2012年のため映画内の時間も2012年と思われがちな『アベンジャーズ』ですが実際は細かい年数なんかは明言されていないわけで後付けでアベンジャーズは2008年の出来事ということになった、と思うしかないと思います。
海外では『ドクター・ストレンジ』でストレンジがタイムストーンで何度も時間を巻き戻したからそれが原因で時空が歪んだという説が提唱されているらしいがそれはさすがに無理あるかなって感じです。
また『アベンジャーズ』が2008年の出来事になると同じ1週間の間で起きたとされる『アイアンマン2』でアイアンマンのマスクをつけてスタークエキスポに参加していた少年がピーター・パーカーであるという説にも信憑性が増すという副産物もあります。
ピーターは高校2年生で17歳、8年前は9歳。9歳にしてはちょっと小さすぎる気もするけど12歳って言われるよりは信憑生がある。
ちなみに、ハッピーの車で空港に向かうシーンで窓の外にスタークエキスポの地球儀がチラッと映ってます、意味ありげ。
ハワード・スターク、アースキン、ブルース・バナー
リンカーンやアインシュタインの描かれた壁にハワード・スタークやアースキン博士の顔も描かれています。
理科室にはブルース・バナーの写真も。
エンドロール後
MCU作品ではすっかりおなじみになったエンドロール後の映像ですが今回はクリフハンガーではなくてキャップが「忍耐力は大切」ということを説教してくれる映像でした。これってクリフハンガーを期待してバカみたいにエンドロールを我慢して観てる観客に対する嫌味だよねwこの肩透かしを食らう感じは『デッドプール(2015)』のエンドロール後の「まだいたの?」に近いものを感じた。
ということで、ここまで記事を読んでくれたあなたの忍耐力はすごい!