『ドクター・ストレンジ(2017)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『ドクター・ストレンジ(2017)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
第13回の今回紹介するのはこの作品
『ドクター・ストレンジ(2017)』
二度目の実写化
実はドクター・ストレンジが実写化されたのは本作が初ではなく、1978年にテレビ映画として実写化されたことがある。日本では未ソフト化。
『Dr.Strange (1978)』
エンシェント・ワン
カマー・タージを納める"ソーサラー・シュプリーム"の称号を持つ至高の魔術師でありストレンジの師匠。実年齢は700歳。
本作では女性として描かれているが原作ではチベット人で500歳の男性である。
本作のエンシェント・ワン
原作のエンシェント・ワン
ハミア・ザ・ハーミット
カマー・タージの隻腕の老魔術師。
原作ではウォンの父であるがMCUでの関係は不明。
ちなみに、原作のハミアは隻腕ではない。
本作のハミア
原作のハミア
サンクタム・サンクトラム
ニューヨーク、ロンドン、香港にそれぞれ存在する施設。この3箇所を結ぶ結界によって異次元からの侵略を防いでいる。ニューヨークのサンクタムは本作以降ストレンジが管理することになった。
原作でのサンクタム・サンクトラムの住所はブリーカー・ストリート177Aであり、本作でもその場所にあるとさていれています。
この住所はマーベルコミックスでドクターストレンジのアーティストを務めていたロイ・トーマスとゲリー・フレデリッチがニューヨークに住んでいた際の住所に由来する。
ちなみに、本作でストレンジを演じているベネディクト・カンバーバッチはドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』で主人公シャーロック・ホームズを演じているが、シャーロックホームズの住所はロンドンのベーカー・ストリート211Bである。
本作のサンクタム・サンクトラム(NY)
原作のサンクタム・サンクトラム
ゲームPS4『Marvel's Spider-Man』のサンクタム・サンクトラム
ドラマ『SHERLOCK(シャーロック)』
スティーブ・ディッコ
カマー・タージに訪れたストレンジがエンシェントワンによって見せられた多次元宇宙のビジョン。これは原作コミックスでスティーブ・ディッコというアーティストの描いたアートが元となっている。
本作の
原作の
ピンク・フロイド
本作の劇中ではピンク・フロイドの星空のドライブが使用されているがピンク・フロイドのセカンドアルバム『神秘』のジャケットはドクター・ストレンジの原作コミックスのアートをコラージュしたものである。
ピンクフロイド『神秘』
コラージュ元となったドクター・ストレンジのコミックの1ページ
クリスティン・パーマー
メトロポリタン総合病院の救急救命医。スティーヴン・ストレンジの同僚で元恋人。
原作ではナイト・ナース(夜勤看護師)という別名を持ち、ヒーローやヴィランなどの超人相手に治療を行っている。
ちなみに、Netflixのドラマ『デアデビル』S1,S2『ジェシカ・ジョーンズ』S1『ルーク・ケイジ』S1,S2『アイアンフィスト』S1『ディフェンダーズ』S1と常連キャラクターとなっているクレア・テンプルだが、彼女の勤務先もメトロポリタン総合病院であり、原作では彼女もナイト・ナースの一人である。
本作のクリスティン・パーマー(ナイト・ナース)
ナイト・ナースが初登場した『Noght Nurse#1 (1972)』
MCUのクレア・テンプル(ナイト・ナース)
原作のクレア・テンプル(ナイト・ナース)
ニコデマス・ウエスト
スティーヴン・ストレンジとクリスティン・パーマーの同僚。交通事故後にストレンジの手の治療を担当した。
原作ではストレンジ同様にエンシェント・ワンの元で修行し、ストレンジほどではないが魔術を使えるようになった。彼はその魔法の力を医療に利用しようとしたが、ストレンジから反対を受け対峙、戦闘の末ビルの屋上から転落し死亡した。
本作のニコデマス・ウエスト
原作のニコデマス・ウエスト
アガモットの眼
時間操作魔法が使用可能になる魔器。内部にインフィニティ・ストーンのひとつである時を司るタイム・ストーンが内包されている。
ちなみにアガモットの眼は『マイティ・ソー(2008)』でアスガルドの宝物庫に安置されているのが映ったが、本作では何千年もの間カマー・タージのサンクタム・サンクトラムの結界の中心に安置されていたと言われているので、アスガルドにあった物は偽物だったということになる。
本作のアガモットの眼
『マイティ・ソー(2008)』のアガモットの眼
原作のアガモットの眼
インフィニティ・ストーン 一覧
リビング・トリビューナルの杖
モルドが使用する、多節棍に変形する魔法の杖。
リビング・トリビューナルとは原作コミックスに登場する超存在コズミック・ビーイングの一人で、全ての並行世界の均衡を保つ事を目的としている。
並行世界の均衡を乱し脅かすような存在が現れた時のみ姿を現す。
本作のリビング・トリビューナルの杖
原作のリビング・トリビューナル
ヴァルトのブーツ
モルドが使用する、履くと空中を歩くことができる魔法のブーツ。
ヴァルトとは原作コミックスに登場するオクテッセンスと呼ばれる強大な魔力を持った8つの存在の内のひとりで龍のような見た目をしている。
ちなみに、このオクテッセンスのひとりであるサイトラックの作り出した魔石はX-MENに登場するジャガーノートのパワーの源である。
本作のヴァルトのブーツ
原作のヴァルト
ワトゥームの杖
香港のサンクタム・サンクトラムに安置されていた神聖なる魔器。ウォンがカエシリウスに立ち向かうために使用した。
原作にも登場するアイテムで世界に6つ存在すると言われている。使用者の固有のパワーを増大させる力を持ち破壊から治癒までその能力は様々である。受けたエネルギーを吸収、蓄積し己のパワーに変換することも可能。
本作のワトゥームの杖
ティナ・ミノル
ウォンが香港のサンクタム・サンクトラムで率いていた魔術師の一人にリング状の杖を持ったアジア系の女性がいる。彼女はティナ・ミノルというキャラクターである。
このリング状の杖はワンの杖と呼ばれ、黒魔術を発動することができる。普段はニコ・ミノルの身体に収納されており、彼女が負傷し血を流したときのみ呼び出すことができる。
ティナ・ミノルとは原作では『Runaways』というシリーズの主人公の一人であるニコ・ミノルというキャラクターの母親である。
ちなみにマーベルドラマ『ランナウェイズ』にもニコ・ミノルとティナ・ミノルが登場する。
本作のティナ・ミノル
本作のスリングリングのプロップ、右列一番上に"ティナ・ミノル"の文字がある。
原作のティナ・ミノル
ドラマ『ランナウェイズ』のティナ・ミノル
原作のニコ・ミノル
ドラマ『ランナウェイズ』のニコ・ミノル
カリオストロの書
カエシリウスがカマー・タージの書庫から盗み出した魔術書。闇の儀式を行う方法が記されている。カエシリウスはここに記されていた闇儀式を行い、ドルマムゥがいる暗黒次元にアクセス、禁術とされる闇の魔法や不老不死を会得した。
本作のカリオストロの書
原作のカリオストロの書
斧
ストレンジがサンクタム・サンクトラムでカエシリウスと初めて対峙した際、壁に掛けられた斧を取ろうとするシーンがあるが、2015年から始まった原作コミックスのストレンジはよく斧を使っている。しかし本作では浮遊マントによって邪魔され斧を使うことはなかった。
『Doctor Strange#1 (2015)』
アベンジャーズ・タワー
アベンジャーズのNY基地であるアベンジャーズ・タワーが本作でも確認することができる。
本作より
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2014)』より
スタン・リー
今回のスタン・リーはバスの乗客として登場。ちなみに読んでいる本はオルダス・ハスリーの"The Doors of Perception"『知覚の扉』で、その内容は筆者であるハスリー自信が幻覚剤を使用して見たサイケデリック体験を記録したものである。
本作より
ドルマムゥ
ちなみに、本作でドルマムゥのモーション・キャプチャを担当したのは、主人公であるドクター・ストレンジを演じたベネディクト・カンバーバッチである。つまりストレンジとドルマムゥの戦いは、カンバーバッチの一人演技ということである。
本作のドルマムゥ
原作のドルマムゥ
ポストクレジットシーン
本作のエンドロール後のおまけ映像は二本ある。
一本目はNYのサンクタム・サンクトラムに訪れたソーがストレンジにオーディンの居場所を突き止めて欲しいと交渉するシーンである。
このシーンは『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』のワンシーンを引用したものである。
ちなみに、このシーンでのストレンジの服装は原作のクラシックなコスチュームにより近いものとなっている。
本作より
原作のクラシックなコスチューム、黄色い手袋などが酷似している。
二本目の映像は魔法によって下半身不随から復活したパング・ボーンの元に現れたモルドが「魔術師が増えすぎた」と言い彼から魔力を奪い取るというシーンだ。
このシーンは続編である『ドクター・ストレンジ2』に繋がる伏線と考えられる。闇落ちしたモルドが続編のヴィランになるということだろう。
次回予告
次回紹介するのは
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017)』
次回の記事もお楽しみに。