『ブラックパンサー(2018)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『ブラックパンサー(2018)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
今回紹介する作品は
『ブラックパンサー(2018)』
バースト(バステト)
本作のオープニング映像はワカンダ王国の歴史を辿るものとなっておりその中に巨大な黒豹が登場する。
これは、ブラックパンサーが初登場した『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』にて、ティ・チャラが話していた、祖国であるワカンダ王国に伝わる言い伝えの中に登場する、死者を誘う存在の一つである"バースト(バステト)"と呼ばれる神だと思われる。
ちなみに、ブラックパンサーの力の源となる紫の葉を持つハーブはこのバースト(バステト)によって齎されたものだと言い伝えられている。
ちなみに、バースト(バステト)は原作にも登場する半人半獣の神である。
本作オープニングのバースト(バステト)
本作の死後の世界(木の上にいる黒豹がバーズトと思われる)
原作のバースト(左)
死後の世界
バーストによって誘われた人々が死後に行く世界は原作にも登場する。
原作より
1992年カリフォルニア州オークランド
映画序盤、ワカンダの王ティ・チャカの弟ウンジョブが潜入していたのはカリフォルニア州オークランド。オークランドは本作の監督であるライアン・クーグラーの故郷である。
また、1992年当時ライアン・クーグラーは6歳。ちょうど本作のこのシーンでのキルモンガーと同じぐらいの年齢である。このことから、監督は幼少期の自分とキルモンガーを重ねて描いていると考えられる。
また、オークランドはブラックパンサーのヒーロー名の元である1960年代後半から70年代にかけ、黒人解放運動を行っていたブラックパンサー党が設立された都市でもある。
ちなみに、同監督の作品『フルートベール駅で(2014)』の舞台もオークランドであり本作でキルモンガーを演じるマイケル・B・ジョーダン主演である。
また、ライアン・クーグラーとマイケル・B・ジョーダンは『クリード:チャンプを継ぐもの(2016)』でもタッグを組んでいる。
本作より
本作の監督ライアン・クーグラー
実際のブラックパンサー党
『フルートベール駅で(2014)』
スカイダイブ
MCU作品では飛行機やヘリからダイブするのがお決まりとなっているが、本作でも映画序盤にロイヤルタロンファイターからダイブするシーンがある。
本作より
『アイアンマン2 (2010)』
『アベンジャーズ(2012)』より
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー(2014)』より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
キモヨ・ビーズ
通信機能や応急的な治療キットになるヴィヴラニウム製の万能数珠。ちなみに、原作にも登場する。
本作より
原作のキモヨ・ビーズ
ティ・チャカ
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』にて初登場し爆破テロによって死亡した、ワカンダ王国の前国王でありティ・チャラの父。本作では死後の世界と回想のシーンに登場。
死後の世界のティ・チャカは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』で演じていたジョン・カニ。回想シーンでティ・チャカを演じたのは息子のアタンドワ・カニである。
死後の世界のティ・チャカ(ジョン・カニ)
回想シーンのティ・チャカ(アタンドワ・カニ)
シュリ
ティ・チャラの妹であり16歳にして世界有数の天才科学者。
ちなみに、原作のシュリは、ティ・チャラがワカンダを離れている間、一時的にブラックパンサーを引き継いでいたことがある。
本作のシュリ
原作のシュリ(ブラックパンサー)
エムバク
ワカンダの山奥に住むジャバリ族の長。
原作のエムバクはマン・エイプの名で知られるブラック・パンサーのヴィランである。
本作のエムバク
原作のエムバク(マン・エイプ)
ズリ
ティ・チャカの腹心の部下。現在の姿を演じたフォレスト・ウィテカーで、回想シーンで演じたのはデンゼル・ウィテカー。二人は偶然名字が一致しているだけで実際の血縁関係はないものの心なしか顔が似ている。
ちなみに『グレート・ディベーター 栄光の教室(2007)』では親子を演じている。
現在のズリ(フォレスト・ウィテカー)
回想シーンのズリ(デンゼル・ウィテカー)
『グレート・ディベーター 栄光の教室(2007)』のプレミアより
(画像右: デンゼル・ウィテカー 右から三番目: フォレスト・ウィテカー)
ドーラ・ミラージュ
ティ・チャラの護衛を任されているワカンダの女戦士達がドーラ・ミラージュである。彼女達のリーダーを務めるのが金の装飾の施された鎧を着たオコイエ。『シビルウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』ではティ・チャラのボディ・ガードとしてドーラ・ミラージュの一人であるアヨーが登場していた。
本作のオコイエ(左)アヨー(中央)アネカ(右)
『シビルウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のドーラ・ミラージュ、アヨー(左)
原作のドーラ・ミラージュ
ユリシーズ・クロウ
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』に登場した強奪、密輸を繰り返す闇の武器商人。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』では所持していた大量のヴィヴラニウムを引き渡すようウルトロンに交渉を迫られたが逆鱗に触れ右腕を切り落とされた。
本作ではウルトロンに切り落とされた片腕に超音波を発生させるギミックを搭載した義手を取り付け再登場。
ちなみに、原作のユリシーズ・クロウの片腕を奪ったのはウルトロンではなく若き日のティ・チャラである。また、ティ・チャカを殺害したのもクロウである。
本作のユリシーズ・クロウ
ユリシーズ・クロウの義手
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』のユリシーズ・クロウ
原作のユリシーズ・クロウ
What are those?!(なにそれ?!)
ラボに訪れたティ・チャラのサンダルを見てシュリが"What are thorse?!"と言うシーンがあるが、これは警官の靴を見て"What are thorse?!(なんだそのダサい靴?!)"とからかう動画が元ネタである。
ちなみにこのシーンでシュリがティ・チャラにプレゼントしたシューズは『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 (1989)』に登場したナイキの自動で紐が締まるシューズのオマージュとなっている。
本作より
元ネタとなった動画
本作と『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART2 (1989)』より
今回のスタン・リー
今回のスタン・リーは韓国釜山のカジノのシーンでエヴェレット・ロスに絡むギャンブラーの老人として登場。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』オマージュ
ティ・チャラがエヴェレット・ロスを庇い、手榴弾の爆発を体で受け止めるシーンは『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』のワンシーンへのオマージュである。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ザ・ファースト・アベンジャー(2011)』より
王位継承の儀式
王位継承の儀式の最中、キルモンガーによってティ・チャラが谷底に落とされるシーンがあるが、これは原作のワンシーンのオマージュとなっている。
本作より
原作より
サイ
ボーダー族のリーダー、ウカビの操るサイをブラックパンサーが止めようとするシーンがあるが、原作にもブラックパンサーがサイと戦うシーンがある。
本作より
原作より
ポストクレジットシーン
本作のエンドロール後の映像は『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のラストで、ハイドラの洗脳を解くためにワカンダ訪れたバッキー(ウィンター・ソルジャー)が再登場するというシーンだ。
また、このシーンは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』直前の出来事である。
ちなみに、このシーンでバッキーがホワイトウルフと呼ばれている。ホワイトウルフとは原作に登場するキャラクターである。ワカンダに墜落した旅客機の乗客の中で、唯一生き残った白人の少年をティ・チャカが引き取り、ティチャラの義兄弟として育てられたキャラクターである。
本作より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』より
原作のホワイトウルフ
次回予告
次回解説する作品は
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』
次回の記事もお楽しみに。