『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に全米公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に備えて。今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを、20週に亘り一気におさらいしている当ブログ。
前回の記事
当記事は『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』及び、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
今回紹介する作品は
『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー(2018)』
宇宙船サンクチュアリII
本作の冒頭は『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』の直後の出来事である。
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』で滅びゆくアスガルドから宇宙船ステイツマンに乗り脱出し、宇宙空間を航行していたソー達の前に、サノスとブラック・オーダーの乗る宇宙船サンクチュアリIIが現れる。
ちなみに、サンクチャリIは『アベンジャーズ(2012)』や『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』でサノスのいた空間の名前である。
また、サンクチュアリは原作でもサノスの宇宙船の名前である。
本作より
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』のサンクチュアリI
原作のサンクチュアリ
ブラックオーダー
サノスの側近である四人衆。右からカル・オブシディアン、コーヴァス・グレイヴ、エボニー・マウ、プロキシマ・ミッドナイト。
ちなみに、本作には登場しないが原作にはこの四人に加え、スーパージャイアントと呼ばれるテレパスの女性戦士が登場する。
また、原作でのカル・オブシディアンの名前は本作と違いブラック・ドワーフである。
本作のブラックオーダー
原作のブラックオーダー(右から二番目が本作には登場しないスーパージャイアント)
四次元キューブ
『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』で初登場しその後も『アベンジャーズ(2012)』でキーアテムとなったインフィニティ・ストーンの一つ、スペース・ストーンを内包するキューブ状の物体。
本作冒頭、ロキがこの四次元キューブをサノスに差し出すというシーンがある。ロキは『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』でアスガルドの宝物庫から四次元キューブを持ち出しておりこのシーンに繋がる。
本作より
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』より
"こっちにはハルクがいる"
また、上記のシーンでロキは四次元キューブを差し出す直前に「こっちにはハルクがいる(We have Hulk)」と言う。これは『アベンジャーズ(2012)』でロキがスターク・タワーでトニー・スタークと対峙した際にスタークの放った「こっちにはハルクがいる(We have Hulk)」という全く同じセリフの引用である。
本作より
『アベンジャーズ(2012)』より
ハルク対サノスの戦いは個人的に好き
サンクタム・サンクトラム
ヘイムダルの力により地球に飛ばされたハルク(ブルース・バナー)は『ドクター・ストレンジ(2017)』に登場した、ドクター・ストレンジとウォンのいるNYのサンクタム・サンクトラムに墜落しサノスの脅威を彼らに伝えた。
ちなみに、本作の原案の一つである原作コミックスの『インフィニティ・ガントレット』では地球に墜落し、ドクター・ストレンジにサノスの脅威を伝えたのはハルクではなくシルバー・サーファーである。
本作より
『ドクター・ストレンジ(2017)』
原作『インフィニティ・ガントレット』より
コスモスの大釜
サンクタム・サンクトラムのエントランスルームの大階段の脇に置かれた大釜。トニーがもたれ掛かったのを見て怒ったストレンジがマンとで振り払った。
ちなみに、原作にも同名のアイテムが登場し、釜の炎が別次元の世界を映し出す。
本作より
原作のコスモスの大釜
風船の動物
また、上記のシーンでトニー・スタークがドクターストレンジに「使命とはなんだ?風船で動物でも作るのか?」と言うシーンがあるが、これはドクター・ストレンジがコメディアンであるジミー・キンメルの番組に登場した際、子供達に風船で作った動物をプレゼントしていたことをイジったジョークである。
子供達に風船で作った動物をプレゼントするドクター・ストレンジ
問題の動画
トニーのガラケー
サンクタム・サンクトラムでトニーが取り出したガラケーは『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』のポストクレジットシーンでスティーブ・ロジャース(キャプテン・アメリカ)が手紙に同封して送ったものである。
本作より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
スパイダーセンス
NY上空にエボニー・マウとカル・オブシディアンの乗るQシップが現れるシーンでスクールバスに乗るピーター・パーカー(スパイダーマン)の腕の毛が逆立つというシーンがある。
これは、原作に登場するスパイダーマンの能力の一つであるスパイダーセンスと呼ばれる危機察知能力だ。
本作より
原作のスパイダーセンス
今回のスタン・リー
今回のスタン・リーはピーターの乗るスクールバスの運転手として登場。
本作より
イカルド
NYに降り立ったエボニー・マウをトニースタークが"Squidward"と呼ぶがこれはアニメ『スポンジ・ボブ』に登場するイカルドの英語名である。
本作より
『スポンジ・ボブ』のイカルド(確かに似ている)
アイアンマンマーク50"ブリーディングエッジアーマー"
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』で手のひらの部分だけ登場した液体金属製のアーマーの改良版。
原作のブリーディング・エッジアーマーはマーク50ではなくモデル42である。
本作より
『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ(2016)』より
原作のブリーディング・エッジアーマー モデル42
マーク49"ハルクバスター2.0"
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』で登場した対ハルク用のアーマーの改良版。本作ではハルクに変身できなくなったブルース・バナーが搭乗した。
本作のハルクバスター2.0
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』のハルクバスター
原作のハルクバスター
アガモットの眼
エボニー・マウがドクター・ストレンジのアガモットの眼を奪おうとするシーンで、アガモットの眼にかけられた呪文によって手を焼かれるがこれは『レイダース/失われたアーク(1981)』のワンシーンのオマージュである。
アイアン・スパイダースーツ
『スパイダーマン/ホームカミング(2018)』のラストでピーター・パーカーからトニーに贈られたが受け取らなかったスーツ。
原作ではクロスオーバーイベント『シビルウォー』にてアイアンスパイダースーツが初登場。本作のスーツ同様背中にサブアームが搭載されている。
本作より
『スパイダーマン/ホームカミング(2018)』より
原作のアイアンスパイダー
エイリアン
地球を離れるQシップ内でピーター・パーカーがトニー・スタークに「『エイリアン』って古い映画を観たことある?」というシーンがあるが、この字幕は実は間違っており、実際は"Alians"と言っているため一作目の『エイリアン(1979)』(原題: Alien)ではなく『エイリアン2 (1986)』(原題: Aliens)の話をしている。
この後のシーンでエボニー・マウがQシップから宇宙空間に投げ出され死亡するが、これは『エイリアン2 (1986)』のラストでエイリアン・クイーンが、主人公リプリーの開いた宇宙船のハッチから宇宙空間に吸い出されるシーンのオマージュとなっており、上記のセリフが伏線になっていたことがわかる。
本作より
『エイリアン(1979)』と『エイリアン2 (1986)』
本作より
『エイリアン2 (1986)』より
ソーの義眼
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』でソーは片目を失っている。本作でロケットによって義眼が与えられた。
この義眼は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス(2017)』でベビー・グルートが拾ってきたものである。
ちなみに、義眼の持ち主は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』に登場したラヴァジャーズのパイロットのものと考えられる。
本作より
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー/リミックス(2017)』
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』より
ニダベリア
鍛冶屋の種族、ドワーフの住む世界。『マイティ・ソー(2011)』にて、世界樹ユグドラシルの周りに存在すると言及されていた9つの世界のうちの一つである。
本作より
『マイティ・ソー(2011)』より
原作より
ストーム・ブレイカー
『マイティ・ソー/バトルロイヤル(2017)』でヘラにムジョルニアが破壊されたため、ニダベリアで鍛冶士のエイトリが作った斧。ムジョルニア同様ウルという死にゆく惑星の心臓から作られている。
原作のストーム・ブレイカーはソーの義兄弟であるベータ・レイビルがオーディンによって与えられたムジョルニアと同等のパワーを持つハンマーの名前である。
原作でもムジョルニアを持つ権利を剥奪されたソーが魔法の斧を持っていたことがあったが、その斧の名前はストームブレイカーではなくヨルン・ボルンであった。
本作より
原作のベータ・レイ・ビルとストーム・ブレイカー
原作のソーとヨルン・ボルン
スナッチ
『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(2015)』に登場したノーウェアに訪れたサノスが宇宙一の収集家"コレクター"に「石はどこだ(Where is the stone?)」と問いただすシーンがある。これは、本作でコレクターを演じているベネチオ・デルトロが映画『スナッチ(2000)』で演じたフランキー"フォー・フィンガー"が大粒のダイヤを強奪する際に言っていたセリフの引用である。
本作より
『スナッチ(2000)』
リアリティ・ストーン
上記のシーンでコレクターからリアリティ・ストーンを手に入れたサノスは、マンティスをリボンのように、ドラックスをブロックのような見た目に変化させたりスターロードのブラスターからシャボン玉を出したりした。
これらのシーンは原作コミックス『インフィニティ・ガントレット』やカプコンのゲーム『MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES』のオマージュとなっている。
本作より
原作『インフィニティ・ガントレット』より
本作より
『MARVEL VS. CAPCOM 2 NEW AGE OF HEROES』より
ウェブ・シューター
スパイダーマンがサノスの顔にウェブを発射するシーンは原作のオマージュとなっている。
本作より
原作より
ストレンジの呪文
本作でストレンジの使う呪文は、原作に登場する呪文をベースにしている。
サノスを拘束する際に発動した「サイトラックのクリムゾンバンド」をはじめ、防御魔法の「セラフィムの盾」分身魔法の「イッコンのイメージ」や『ドクター・ストレンジ(2017)』でエンシェント・ワンやカエシリウスが使っていた「ミラー・ディメンション」などが登場した。
本作のサイトラックのクリムゾンバンド
原作のサイトラックのクリムゾンバンド
本作のセラフィムの盾
原作のセラフィムの盾
本作の分身呪文
原作のイッコンのイメージ
本作のミラー・ディメンション
『ドクター・ストレンジ(2017)』でのエンシェント・ワンのミラー・ディメンション
エンドゲーム
本作の続編にあたる作品のタイトルは『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』であるが、実は本作の中でドクター・ストレンジが「我々にはもう後がない"We're in the Endgame now."」というセリフを言っている。
レッドスカル
『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』にて、四次元キューブの力によって異次元に飛ばされたレッドスカル。本作では宇宙の果てにある惑星ヴァーミアで霊体となり生き続けていたことが明かされた。
本作より
『キャプテン・アメリカ/ファースト・アベンジャー(2011)』より
アウトライダー
サノスがワカンダに送り込んだ大群の尖兵。原作にも登場する。
本作のアウトライダー
原作のアウトライダー
指パッチン
インフィニティ・ストーンをすべて集めたサノスは指を鳴らし世界の人口の半分を消し去ったが、これも同様のシーンが原作にある。
本作より
原作より
消滅したキャラクターと生き残ったキャラクター
・消滅したキャラクター
スパイダーマン(ピーター・パーカー)
ウィンター・ソルジャー(バッキー・バーンズ)
ファルコン(サム・ウィルソン)
スカーレット・ウィッチ(ワンダ・マキシモフ)
ヴィジョン
スター・ロード(ピーター・クイル)
グルート
ドラックス
マンティス
ドクター・ストレンジ(スティーヴン・ストレンジ)
ニック・フューリー
マリア・ヒル …etc.
・消滅しなかったキャラクター
アイアンマン(トニー・スターク)
ソー
ハルク(ブルース・バナー)
ブラック・ウィドウ(ナターシャ・ロマノフ)
ウォー・マシン(ジェームズ・"ローディ"・ローズ)
ロケット
ネビュラ
シュリ
オコイエ
ムバク
ウォン …etc.
ちなみに、この他にもホークアイ(クリント・バートン)や自宅謹慎中のアントマン(スコット・ラング)とワスプ(ホープ・ヴァン・ダイン)、キャプテン・マーベル(キャロル・ダンバース)は消滅していないということが、後の作品によって明らかになる。
サノス・ザ・ファーマー
世界の人口の半数を消滅させ、疲れ果てたサノスが何処かの惑星で日の出を見るシーンで本編は終了する。このシーンにサノスの鎧で作られたかかしが写っているがこれは原作『インフィニティ・ガントレット』に同様のシーンがあり、世界の人口の半数を消滅させたサノスが農夫になるという展開を意味している。
『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』トレイラーより
原作より
ポストクレジットシーン
本作のポストクレジットシーンは、地球で街の人々が消滅していくのを目撃したフューリーが、ポケベル型の発信機で何者かに救援信号を送信し自身も消滅するという内容である。
この時、フューリーがポケベル型の発信機で救援信号を送った相手とは『キャプテン・マーベル(2019)』で登場することとなるキャプテン・マーベル(キャロル・ダンバース)であることが画面に表示されたシンボルを見ると分かる。
本作より
『キャプテン・マーベル(2019)』
ちなみに、フューリーは「くそったr…"Motherf..."」と言いながら消滅するが、これはフューリーを演じたサミュエル・L・ジャクソンが、他の作品で演じているキャラクターの多くが「くそったれ"Motherfucker"」が口癖であることへのオマージュである。
しかし、Fワードである"Motherfucker"をセリフとして出してしまうと、アメリカ映画協会の制定したレイティングによってR指定がついてしまうため、本作では「くそったr…"Motherf..."」のようにギリギリ言わせないようになっている。
ちなみに『キングコング: 髑髏島の巨神(2017)』でもサミュエル・L・ジャクソンが演じたプレストン・パッカード大佐が「くそったr…"Motherf..."」と言いながら死亡する。
本作より
本作の"Motherf..."
『キングコング: 髑髏島の巨神(2017)』より
『キングコング: 髑髏島の巨神(2017)』の"Motherf..."
サミュエル・L・ジャクソンの"Motherfucker"コンピレーション
次回予告
次回紹介するのは
『アントマン&ワスプ(2018)』
次回の記事もお楽しみに。