『アイアンマン(2008)』ネタバレあり イースターエッグ/解説『アベンジャーズ/エンドゲーム(2019)』前のおさらいに
2019年4月26日に公開を控えた『アベンジャーズ/エンドゲーム』に向け、今までに公開されてきたMCU作品のイースターエッグを20週に亘り一気におさらいしていこうと思う。
当記事は『アイアンマン(2008)』を含む、MCU作品のネタバレを含んでいます。
MCU作品を全て鑑賞済みのうえ、読むことをお勧めします。
それでは、記念すべきMCU第1作品目のこの映画から解説していこう。
『アイアンマン(2008)』
テン・リングス
アフガニスタンでトニー・スタークを拉致したテロ組織"テン・リングス"の組織名はアイアンマンのヴィラン、マンダリンの持つ"十個の魔法の指輪"が由来。
本作のテンリングス
テンリングスのフラッグ
組織名の由来になったマンダリンは『アイアンマン3(2013)』に意外な形で登場する。
『アイアンマン3 (2013)』のマンダリン
原作のマンダリン
組織のマークがエンドロールに出てくる。
ラザ
テンリングスを率いるリーダー。
本作のラザ
原作ではラザ・ロングナイフという名前で登場。人間ではなく宇宙人であり、半身を変幻自在のサイボーグボディに改造している。X-MENのサイクロップスの父、コルセアの率いる宇宙海賊スター・ジャマーズ所属。
原作のラザ・ロングナイフ
アントニオ・サリエリ
オバティアがトニーの別荘でピアノで演奏していた曲はアントニオ・サリエリのピアノ協奏曲。サリエリはモーツァルトの才能に嫉妬し彼を毒殺したという説があり、この後の展開を暗示するシーンになっている。
ウォー・マシーン
後にウォー・マシーンになる、ジェームズ・ローディ・ローズ中佐。本作ではテレンス・ハワードが演じていましたが、スタジオとギャラ交渉でもめ、降板となり次回作『アイアンマン2』からは俳優がドン・チードルに変更になってしまいました。
「(スーツを着るのは)また今度だな」というセリフがありますがその"今度"は二度と来ないことに…。
テレンス・ハワード『アイアンマン(2008)』
ウォー・マシーンのアーマーもエンドロールで初登場。
クリスティン・エヴァーハート
雑誌「ヴァニティ・フェア」の記者。
後に記者からMCU内の架空のテレビ局"WHIH"のキャスターに転身したらしく、本作以外にも『アイアンマン2』『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』他、YouTubeで公開された特別映像などで度々登場している。
原作ではピーター・パーカーも働いていた新聞会社"デイリー・ビューグル"のリポーターとして登場している。
J.A.R.V.I.S.
トニー・スタークが作り出した人工知能。私生活から戦闘時までトニーをサポートする。
声を演じているのは後にヴィジョンを演じることになるポール・ベタニー。
『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン(2015)』のヴィジョン
原作ではA.I.ではなくアベンジャーズタワーを管理するトニーの執事、エドウィン・ジャービスとして登場する。
テレビドラマ『エージェント・カーター』ではトニーの父親、ハワード・スタークの執事としてエドウィン・ジャービスが登場し彼がJ.A.R.V.I.Sのモデルになったことが明かされる。
ドラマ『エージェント・カーター』のジャーヴィス
ハッピー・ホーガン
トニーの付き人であるハッピー・ホーガンを演じたのは本作で監督、製作総指揮も務めたジョン・ファヴロー。
ちなみにMk-Iアーマーのモーション・アクターを務めたのもファヴロー監督である。
フィン・ファン・フーン
アイアンマンMk-IIスーツの試験飛行シーンでゴールデン・ドラゴンという名前のカジノが一瞬映る。
このゴールデン・ドラゴンとは原作に登場するドラゴン型宇宙人フィン・ファン・フーンである。
クラシックなフィン・ファン・フーン
SR-71 ブラックバード
Mk-IIスーツでSR-71 ブラックバードという実在のステルス戦闘機の記録した限界高度8万5000フィートを越えようとするシーンがあるが、このSR-71を改良したものがX-MEN達が乗るXジェットである。明確な繋がりではないがスタッフの遊び心だろうか。
本作より
『X-MEN:ファースト・ジェネレーション(2011)』
キャプテン・アメリカのシールド
トニーのラボにキャプテン・アメリカのシールドらしきものが映っている。
ウィップラッシュ
Mk-IIIアーマーと空中チェイスを繰り広げたF-22戦闘機のコードネームは"ウィプ・ラッシュ"
本作より
ウィップ・ラッシュとは『アイアンマン2 (2010)』に登場するミッキー・ロークの演じるヴィランの名前。
『アイアンマン2 (2010)』のウィップラッシュ
ロクソン・オイル社
アイアン・モンガーとの対決シーンで、トラックの荷台や後ろに映るビルにロクソン・オイル社のロゴが映っていることが分かる。
ロクソン・オイル社とは原作にも登場する架空の石油会社。
原作のロクソン・オイル社
原作以外にも『アイアンマン2』『アイアンマン3』『エージェント・カーター』『デアデビル』などにこっそり登場しており、今話題のPS4『Marvel's Spider-Man』にもロクソン・オイル社のビルが登場している。
『アイアンマン2』より
『アイアンマン3』より
『エージェント・カーター』より
『Marvel's Spider-Man』より
9月7日からHuluで配信開始された『クローク&ダガー』のトレイラーでも、ロクソン・オイル社のロゴが確認できる。原作のある世界線ではロクソン・オイル社に改造されてクロークとダガーは能力を得た。このことから、これまでロゴが映ったり名前が出てくる程度だったロクソン・オイル社だが『クローク&ダガー』でその全貌が明らかになるのだろうか。
原作のクローク&ダガー
『クローク&ダガー』トレイラーより
『クローク&ダガー』トレイラー
ダメージコントロール社
記者会見前の控室のシーン。後ろのモニターで放送されているニュースでダメージコントロール社の社名を確認できる。
本作より
ダメージ・コントロール社とはMARVELユニバースでヒーローとヴィランが破壊した街や建物の改修を請け負っている架空の会社である。
原作のダメージコントロール社
『スパイダーマン/ホーム・カミング』でバルチャーことエイドリアン・トゥームスの会社を買収したのがダメージ・コントロール社である。
『スパイダーマン/ホーム・カミング(2017)』より
また、ロクソン・オイル社同様『Marvel's Spider-Man』にビルが登場。
PS4『Marvel's Spider-Man』
アニメ版アイアンマンのテーマ
本作では、冒頭のセレモニーでトニーが登場するシーン、カジノのシーン、クリスティンとのベッドシーン、ローディの携帯のトニーの着メロで、それぞれ違うアレンジのアニメ版『アイアンマン』(1966)のテーマソングが使用されている。
今回のスタン・リー
MCUに限らずMARVEL作品ではお約束となっているスタン・リーのカメオ出演。今作ではトニー主催のパーティに登場。美女二人と談笑しているところを通りがかったトニーが雑誌『プレイボーイ』の創設者と勘違いしヒュー・ヘフナーと呼ぶ。
Black Sabbath - Iron Man
エンドロールで流れる音楽はブラック・サバスの"アイアンマン"。こんなぴったりな選曲は他にないだろう。
ポストクレジットシーン
MCUといえばこれ、というぐらいお決まりとなったエンドロール後のおまけシーン。一作目となる今作ではS.H.I.E.L.D.という組織のリーダという、ニック・フューリーと名乗る男がトニーに"アベンジャーズ計画"について明かす。という内容だ。
本作より
ちなみにMCU版のニック・フューリーのモデルとなったのはアルティメットユニバースと呼ばれるMARVELの別の世界線のフューリーである。このアルティメット版フューリーは今作が公開される以前からサミュエル・L・ジャクソンをモデルに描かれていた。つまり、見た目が似ているのは必然。これ以上のハマリ役は他にないだろう。
『アルティメッツ』より
次回予告
次回解説するのは
『インクレディブル・ハルク(2008)』
次の記事はこちら
通常盤 2枚組 アイアンマン/インクレディブル・ハルク